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FileNo.080909

昭和53年1月4日読売新聞
「第三次全国総合開発計画(三全総)」

交通ネットワーク構想
基本計画線に「九州横断新幹線」や「東九州新幹線」がみられる

新幹線ルートは原案とはいえ、大村湾に数キロの日本最長の大鉄橋を架けるとか、背振山系をぶち抜くトンネルを掘るとか、ずいぶんド派手な計画である。リニアはひょっとしたら九州新幹線に導入され、九州をリニアで一気に駆け抜ける可能性もあった訳だ。佐世保駅の急行「西海」の記事では、まだ蒸気機関車で牽引していて、11両が限度だったことがわかる。さらに「一日もはやくスマートなディーゼルカーが走るよう・・・」というように、当時ディーゼルカーは「スマート」という印象だったのである。「佐世保駅長の服装をキレイなものにしてほしい」というところは当時の世相が偲ばれる。臨時列車の時刻を見ると博多−東京間は約21時間かかっている。夜8時に乗って翌日の夕方東京に到着する。今なら博多から「のぞみ」に乗れば5時間で東京である。いづれも時の流れを感じさせる。

昭和53年(1978)10月3日 読売新聞より

新幹線ルート原案完成・・・長崎6駅、九州は8駅
  
大村湾に大鉄橋・日本最長   背振、トンネルで貫通

来年度後半にも着工が予想されている長崎新幹線など整備5線について、政府は3日の経済閣僚会議で、その着工順位について決断を下すが、国鉄下関工事局はすでに長崎、九州両新幹線のルート原案を作成、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島の関係5県に対して、極秘のうちに、二度の細部にわたる環境現況調査を委託していることが二日、明らかになった。停車駅は、長崎新幹線が6駅、九州新幹線が8駅。とくに長崎関係ルートでは、大村湾を突っ切る、日本最長の“海上鉄橋”を建設する予定。今月末までに各県が調査を終了し、国鉄内部で検討したあと、さらに各県と最終調整し、閣僚会議で九州2新幹線が来年度着工と決まれば、来年夏までに具体的な工事計画書を運輸大臣に提出、工事認可が下り次第、着工する運びになっている。

国鉄側が作成した“原案”によると、長崎新幹線は全長約130km(博多−長崎)九州新幹線は約250km(博多−鹿児島)。両線とも、博多の次の駅は鳥栖駅とする“共通線”で、現在、山陽新幹線・博多総合車両基地(福岡県筑紫郡那珂川町)まで建設済みの路線設備を活用、同基地以南のコースは、まず福岡、佐賀県境の背振山系にトンネルを掘り、鳥栖駅へ通じさせる。新幹線「鳥栖駅」は、在来線「鳥栖駅」よりもやや南に新設し、同駅が両線の分岐点になる。
 両線のルート、停車駅、特徴をみると、長崎新幹線の停車駅は(1)鳥栖のあと、在来線(長崎線)の1,2km北側を通って(2)「佐賀」に入り、佐世保線伝いに(3)「武雄」、さらに西へ直進して(4)「三河内」(佐世保市)ここから大村線沿いに南下して(5)「大村」へ。大村からは、大村湾に鉄橋を架けて対岸の西彼杵郡多良見町を通って(6)「長崎」のコース。
 この大村湾をまたぐ海上鉄橋は現在、わが国最長の東海道・富士川鉄橋(1373m)を軽く超え、数キロに及ぶ予定。
 九州新幹線では(1)鳥栖を出たあと、在来線(鹿児島線)のやや内陸よりにほぼ並行に(2)「大牟田」(3)「熊本」(4)「八代」(5)「水俣」(6)「出水」(7)「川内」(8)「鹿児島」の各駅がつくられる。
 各駅間距離は25km〜30km程度で、東海道新幹線(東京−新大阪、約550km、13駅)の平均約43km、山陽新幹線(新大阪−博多、約553km、16駅)の平均37kmに比べて、ずっと短いのも特徴のひとつ。それだけ、駅数が多いわけで、地域利用者の便宜を図るのがネライ。
 下関工事局は、48年11月、政府が新幹線5線の整備計画を公表して以来、関係5県内で幅10km〜20kmの大ざっぱな“ルート案”を設定、地質調査を進め、52年度には各県には各県にこの域内の環境アセスメント(事前影響評価)調査を計2500万円で依頼、都市計画分布や神社仏閣、学校など文化財の位置などをまとめた。さらに53年度は8月初めから1500万円で、これらの調査に基づく細部調査を再度各県に委託、今月末まで結果を提出してもらい、来年3月までに国鉄側が関係県側意見調整したあと工事計画書をまとめることにしている。
 来年度後半に着工したとしても、年度ごとの関係予算や現在、工事が進んでいる東北新幹線の技術陣のやり繰りなどもあって、完成するのは「10年がかり」とみているが、国鉄側は九州2新幹線の工事上の難関として(1)背振山系を貫くトンネル(2)佐賀平野の軟弱地盤(3)大村湾に架ける大鉄橋(4)熊本県下の地層破砕地域(5)鹿児島県下のシラス地層などをあげている。




昭和53年(1978年)7月7日 読売新聞より

運輸相語る・・・リニアを新幹線に採用・・・・「九州」など有力候補

【宮崎】福永運輸相は5日、宮崎県日向市の国鉄リニアモーターを視察後、記者会見し「リニアモーターカー実用化を、国家的プロジェクトとして推進すべき段階にきた。実用化実験線40kmの用地を早急に検討、早ければ54年度予算に織り込みたい」と語った。運輸相は、この構想を推し進めるには、実用化実験線を実用化の段階で、新幹線の営業路線としてただちに転換できる方法が望ましいので、具体的には、東北、北海道、九州新幹線など整備5線としてあげられているもののうち、いずれかにリニアモーターカーを採用する考えを明らかにした。この考えは福田首相に報告、高木国鉄総裁とも十分打ち合わせのうえ、実現をはかりたいと語った。
 福永運輸相は、この日、宮崎の実験センターでテスト走行したリニアモーターカーが、時速337kmの世界新記録を見届けたあと「国鉄の技術水準は世界の先端を行っている。振動、騒音など、公害対策の面でも高く評価できる。実用化に5年も10年もかかっていてはならない。国鉄にまかせておくのではなく、政治が強力にあと押しすべきだ」と述べた。
 そのあと「宮崎の実験線は、延長わずか7kmで、有人走行テストも十分にできない。40kmの第二次実験線を早急に建設する必要がある」と強調した。
 この第二次実験線は、車体、軌道構造、有人テストなどすべて実用化に直結するもので「用地買収に困難が生じる恐れがあるならば、将来の営業路線に転用する含みで、地元の協力を得たい」と述べた。
 この場合、候補地としては「新幹線整備5線のうちいずれかを採用するのが有力だ」とした。
 整備5線の着工問題は、9月までに運輸相が基本構想を閣議に報告することになっており、54年度予算編成期を控え、リニアモーターカーによる新幹線構想が、大きく具体化に動き出すことになった。



昭和53年(1978年)7月7日 読売新聞より オレンジカード

JR九州 1987・8
 浮上式鉄道
宮崎実験センター

【日向】3日から浮上走行実験を再開している宮崎県日向市の国鉄リニアモーターカー(浮上式鉄道)実験センターは5日午後、福永運輸相らの視察団を迎え、5度目の走行で、これまでの速度記録を25km更新、レール鉄道の世界最高速度(331km、フランス)を上回る時速337kmを達成した。
 実験は、予定通り午後1時から始まり、運輸相が5度目の浮上走行発進ボタンを押した。午後38分、実験車はぐんぐん加速、スタートして23秒で浮上し、さらに52秒後、2.2km地点で最高速度を記録、5秒間、約500m走行した。
 リニア実験線は全線7.1kmのうち昨年7月一部区間が完成し、9月に時速120km12月には204km出して浮上走行を始め、今年3月には新幹線速度を上回る301kmを達成した。さらに実験線が4.7kmに延長された6月、日本航空が開発中のリニアモーターカー(HSST)2月に記録した最高速度307.8kmを上回る312kmを出し、リニアモーターだけによる推力では世界一の速度となっていた。
 この日の時速337kmはこれを更新したわけで、実験スタッフは順調な経過から、来年に予定されている時速500kmの夢の超特急実現に自信を深めている。

世界新337km
を記録




昭和35年(1960年)9月1日 西日本新聞より

このごろの佐世保駅・混雑する急行西海
  駅からはみでる乗客、泊り込みで寝台券の購入組も

このところ佐世保発東京行き急行“西海”の発車前の佐世保駅は上京客や学生の帰校など大混雑。毎日午前八時半ごろから乗客が並び、駅側では整列順番券を発行して混雑防止に躍起となっているが、なにしろ東京行き急行はこれが一本だけとあって「佐世保から東京への足」は相変わらず悩みが多い。
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値段の高い一等車は別として二等車の定員は5車両432人。最近の乗車効率はだいたい150%で乗客3人のうち一人はすわれぬ勘定。したがって発車前の駅待合室の行列はもとより、なんとか座席を確保したいという人たちは朝早いころから並んでいるありさま。とくに20日前後の数日間は駅待合室は西海目当ての乗客だけで埋まり、行列への割り込みをめぐって乗客同士の争いが起こったほど。
 また二等寝台券も同じ。50人の定員にたいし申し込みは絶えずオーバー、一週間前の発売日には午前4時ごろから寝台券を買うための客が駅にすわりこんでいるというからこれもまた狭き門である。

 こうした混雑はこのごろにかぎらず、盆、春、秋の旅行シーズン、年末、年始ににみられる恒例の現象で駅にとっても、乗客にとっても頭の痛いところだ。
 そこで佐世保商議所では混雑緩和策として第二西海の運行を国鉄当局に陳情を続けているが、板谷佐世保駅長は「西海」の混雑と「その解消策」についてつぎのように説明している。
 「西海の年乗車効率は75%ていど。したがって赤字ではないが、一年中この混雑を繰り返しているわけではない。このためシーズンは別にして一年間の乗客状態からすれば、ただちに第二西海運行はあやぶまれてくるわけ。そこで現在年末年始だけ京都まで走っている第二西海ていどがやっと。もっともこれを春、秋のシーズンや盆前後に定期的に増発させることはできるが、このようにして定期運行を増やして行き、地元で実績をつくればやがて第二西海運行も夢ではない。手始めにことしの秋の行楽シーズンにはこの第二西海運行計画をたてているが、市民もどしどし利用してほしい。このほか西海の改装やスピードアップという問題もあるが、国鉄としては特急のデラックス化が優先しており、西海まではとてもおよばない。現行の東京までの所要時間24時間11分は普通急行としてはぎりぎりの限界、これ以上は無理」と。
 さらに収容乗客数をふやすためには車両を増結したらどうかという声があるが、これは蒸気機関車西海としては現行の11車両(一等車2、同寝台車1、食堂車1、二等車5、二等寝台2)以上けん引力がないそうだ。もっとも同じ西海でも一等車の場合はほとんどガラあき状態だというから混雑しているのは大衆の二等車だけといえる。

昭和35年(1960年)8月26日 西日本新聞より

第二西海、島瀬駅など、佐世保の足を便利に
      商議所、国鉄へ猛運動

佐世保商工会議所はさる六月のダイヤ改正で不便になった長崎行き快速列車の復活に成功してから、とみに国鉄との交渉に力を入れ、このところあれやこれやと国鉄相手の陳情で佐世保の足を改善するためせっせと点数をかせいでいる。
 そのひとつが国鉄松浦線島瀬駅の新設問題。地元で期成会をつくってさっそく門鉄当局に陳情団が出かけてヒザづめでお願いしたのが先月末。そのかいあって本月11日は門鉄施設部から調査団が来保して現地を見た。さらにここ数日中に係員がふたたび来保、図面や設計見積書を作成し、西部支社に提出し最終検討をする予定だというから駅舎、ホーム建設費を地元で負担さえすれば実現の見通しは明るい。
 第二点は第二西海号の新設。現在の西海号は唯一の東京行き急行だけに連日押すな押すなの混雑ぶり。したがって西海国立公園指定五周年のことしを記念して第二西海号を運行してほしいというもの。

 第三点は県北、離島からの利用客の便を考えて現在の午前7時38分佐世保発長崎行き快速列車を午前8時10分ごろにしてほしいとのお願い。この列車はさきの陳情で普通列車が快速に変わったもので、柳の下のドジョウをもう一度味わおうというわけ。
 第四点は島原鉄道の佐世保乗り入れだが運行することになりみごとに実ったわけ。第五点は佐世保駅長の服装をキレイなものにしてほしいというもの。これは特急列車停車駅の駅長がスマートであるところから観光地佐世保の玄関の体裁からしてもっとりっぱにしてもらいたいといっている。
 さらに将来は国鉄が計画しているディーゼルカー運行構想の早期実現。鳥栖−佐世保−松浦の三角地帯に一日も早くスマートなディーゼルカーが走るよう国鉄に働きかけるという馬力のかけかたである。


昭和35年(1960年)8月19日 西日本新聞より


あすの臨時列車

上 り

第二雲仙

長崎14:03

佐賀16:32

博多17:35

京都07:14

桜  島

西鹿児島13:05

熊本17:22

博多19:48

東京16:37

第二天草

熊本18:11

博多20:33

門司22:00

大阪08:19

下 り

第二雲仙

京都20:09

博多08:36

佐賀09:34

長崎11:47

桜  島

東京12:30

博多09:20

熊本11:51

西鹿児島15:51

第二天草

大阪22:45

博多11:06

久留米11:58

熊本13:38


昭和35年(1960年)9月1日 西日本新聞より

佐世保駅横断幕
「 佐世保−島原 祝 ヂーゼルカー直通運転 」 
オレンジカード  JR九州

 1987・8 浮上式鉄道宮崎実験センター

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