200号記念特大号
15時間
“北部九州”一周の旅
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FileNo.081013
15時間九州一周JRの旅 JR特急カタログ 鉄道関係の古い新聞記事
朝7時すぎ、工事中の博多駅に到着。今日の予定は、「久大本線」〜「豊肥本線」〜フェリー〜「島原鉄道」〜「長崎本線」というコースで北部九州一周をする。前回九州一周したので、今回で九州の幹線はすべて乗ることになる。天気は良好、しのぎやすい気温で、絶好の旅行日和だ。
「ゆふDX」は先頭車両がパノラマカーになっているが、自由席の車両にも右下写真のような席が設けられている。広い窓から存分に景色が楽しめ、過ぎ行く景色独り占めである。






先日、日見子と餃子を食べに行った。その店は「鉄なべ」といい、ここの餃子は絶品である。博多区役所の近く(博多区祇園町2−20)にあり、博多座も近いので、店内の壁には俳優や歌舞伎役者などの写真がところ狭しと張ってある。餃子を食べたくなると、必ずこの店に食べにくる。二人で5人前をたのむが、大体みんなこれくらいを食べている。これにご飯とみそ汁というシンプルな食事をする。これが一番ここの餃子のうまさを味わえるからである。絶品の餃子もさることながら、ここのおやじさんとおかみさんがいい。おやじさんは頑固一徹、おかみさんは、気風のいい博多のおかみさんの典型みたいな人だ。ここの評判から、あちこちから出店の話もあるそうだが、おやじさんが頑としてこの店だけを守っているという。自分が自信をもってつくった味を、一番いい状態で食べてもらう。自分の味を大切にするという「食」の原点がこの店にある。「食」はこうあらねばならない。
大分駅が一部であるが高架になっていた。(写真左)ずいぶん明るくきれいになっている。本当なら、国体までに全部を高架にしたかったのではないだろうか。右の写真は大分駅で停車中の特急である。左から「885系白いソニック」「485系にちりん」「883系ソニック」。



九州横断特急に乗り継ぐまでの間に、丁度「寝台特急・富士」が大分駅に到着する。門司で熊本行の「はやぶさ」と切り離され、「富士」は大分が終点である。来年3月のダイヤ改正でこのブルトレもまた姿を消す。「富士・はやぶさ」よお前もか!!


「九州横断特急」というネーミングが実にいい。この豊肥本線は、沿線の豪快な景色が楽しみである。車内も木目調で雰囲気がいい。
つい先日、スーパーでの出来事である。日見子が買い物している間、私は店内をぶらぶらしていた。すると、かなり高齢のおばあさんが、店内に置きっぱなしになっているカートに、自分のカートの品々を移し変え始めた。おばあさんは、丁寧に一つ一つ、ほぼ満杯状態だった品をゆっくり移し変えていく。ゆっくりというより、ゆっくりしかできない身体の状況のようである。移し終わってまた、ゆっくり買い物を始めた。ちょっと気になったので、移し終わったカートを押してみると、やはり予想したとおり、カートが斜めに進んでいく。よほどおばあさんは苦労したのだろう。だからといって、さっさとカートを取替えに行くほどの元気はなく、我慢しながら買い物をしていたと思われる。日見子はいつもちょっとでも動きの悪いカートはすぐ取り替えて、動きのいいカートで買い物に集中している。日見子いわく「いい品質のものを安くというのがサービスであって、こんなのはサービス以前の問題よ」と怒っている。帰りがけに店員さんに聞いてみると「お客さんから言われたのは、修理しています」と言っていた。おそらく、店員も幹部も、動きの悪いカートを取替えにいけないようなお客様がいることなど知らないのだろう。

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阿蘇の雄大な景色が見えてきた。海抜190m、一気に上り下りできないため、ここで「スイッチバック」をする。「立野駅」に到着。立野駅では外に出て景色を存分に楽しめるよう少し長く停車する。
熊本駅に到着。熊本港に行くバスの時間までに「超低床の路面電車」を撮影したいと電車通りに急ぐ。早速「9700形」(9705)が来た。おまけにレトロ調の路面電車も撮影。実に運がいい。

フェリーで島原へ渡る。「オーシャンアロー」はまだ新しく、船内もきれいだ。外の景色を十分に楽しめる席を確保。景色を楽しみながら30分ほどの船旅を楽しむ。
夕暮れ時、島原半島が近づいてきた。島原外港の九十九島の景色が最高だ。

船を下りると「島原鉄道」の「島原外港駅」がすぐ近くにある。

半年ほど前に島原外港から加津佐までの「南線」が廃線になり、ここ島原外港駅が終点になった。左下の線路も、加津佐方面側はサビている。
左の「諫早−加津佐」のプレートは昔撮影したもの。今では貴重なものとなった。

(これは諫早駅で撮影)
島原鉄道100周年記念の一環で10月6日から「まぼろしの邪馬台国」号が走っている。一日三往復、来年3月31日まで走る。明るいうちにぜひ撮りたいと、南島原駅までタクシーをとばした。
島原鉄道の社長だった宮崎康平氏は、さだまさしの「関白宣言」のモデルと言われる。映画でも典型的な関白ではあるが、夫を信じる奥様・和子さんとの愛情あふれる二人三脚の人生が描かれている。(映画はすでに試写会で観たが、映画館で観る為に前売り券を買って封切りを待っている)名曲「関白宣言」は、最後に「・・・お前のお陰でいい人生だったと俺が言うから、必ず言うから・・・」と映画にも通じる歌詞になっている。この「関白宣言」の正反対に位置しているのが「部屋とワイシャツと私」ではないかと思う。この歌の歌詞をよく見ると実にすごい。仮に夫を“ワイシャツさん”、奥さんを“私さん”としよう。もしワイシャツさんが浮気をしたら私さんから「毒入りスープ」を飲まされ無理心中である。「知恵をしぼって」というところに鬼気迫るものがある。ワイシャツさんがうそをつくと右の眉が上がるのを私さんは見抜いている。「もし私が先立てば“俺も死ぬ”といってね、その言葉を胸に天国へと旅立つわ、あなたの右の眉、見届けたあとで・・・」。つまり、私さんが先に逝くと、ワイシャツさんは“殉死”しなければならないのである。もし、殉死しなかったらきっと「牡丹灯篭」のように、怨念がワイシャツさんの周りをぐるぐる回るに違いない。清少納言が聞いたら、典型的な悪女だと言いそうだ。
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島原駅で下りて「まぼろしの邪馬台国」のスチル写真にも使われている“武家屋敷跡”を撮りたかったが、日没で断念。そのまま、諫早へ行くことにした。車体に描かれている子守のイラストには「おどみゃ島鉄」と書かれている。
「まぼろしの邪馬台国」で宮崎康平氏は、この吾妻町(雲仙市)を邪馬台国の中心地としている。この吾妻町の隣に愛野町がある。これを続けて読むと「愛しのわが妻」と読めるということから、「じゃがいも畑の中心で愛を叫ぶ」というイベントが数ヶ月前開催された。これを「ジャガチュー」と言うらしい。公募で20人ほどが参加したという。「愛してる」というそれぞれの思いを絶叫するのである。結婚したばかりの若いカップルは「君のことは一生守る」と叫び、奥さんはこれに応えて「この先、何百年も仲良しだからね」と叫んだそうだ。だれでも、結婚するときは同じ気持ちである。だが、綾小路きみまろさん(「まぼろしの邪馬台国」にも出演)がよく言っている「あれから40年」には、これとはおよそほど遠い人たちが登場する。「ぜい沢もしないのに、ぜい肉が付き」「昔“ダーリン”、今“ダラリン”」。この「ジャガチュー」も20年、30年と時を経た人ほど重みを増す。しかし、なかなか人前で絶叫する勇気が出てこないというのが正直なところだろう。参加者には「ロマンチスト認定証」(主催:日本ロマンチスト協会)というのが授与されるそうだから、勇気のあるベテラン夫婦は参加されては如何。






このイラストは“かもめ”の車内に掲示してあったもの

さて、いよいよ最終コーナー「885系白いかもめ」で博多駅へ。乗っていると、そのスピード感が伝わってくる。新幹線の西九州ルートは、先日測量が始まり本格的に動き出した。鹿児島ルートを走る新型の車両も完成し、博多総合車両所に運び込まれ、10月からは試験走行が始まる。博多駅の工事も着々と進んでいる。新世代への“うねり”を感じてわくわくしている。
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15時間九州一周JRの旅 JR特急カタログ 鉄道関係の古い新聞記事

初代・博多駅跡地の出来町公園(西日本銀行本店の裏)にある「九州鉄道発祥の地」の記念碑。動輪はC6118型のもの。 第2代博多駅の屋根の一部を記念塔にしたもの。博多駅裏(筑紫口)から約1kmくらいの山王公園にある。(公園内にある日吉神社参道入口にある)