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JR特急カタログへ 15時間北部九州一周の旅 鉄道関係の古い新聞記事 |
2月21日(2008年)、九州一周の旅を楽しんだ。当初2月26日に予定していたが、週間天気予報を見ると、その日は九州全域“雨”になっていたので急遽慣行。おかげで終日好天に恵まれ、快適な旅行となった。定年後は何の制約もなく、臨機応変に行動できるところがいい。朝7時31分博多駅発「特急かもめ・みどり」でスタートし、夜10時31分博多駅を通過する「寝台特急なは・あかつき」を撮影するまで“15時間”の旅である。「寝台特急なは・あかつき」は来月のダイヤ改正で廃止になるので、これが見納めとなる。さて、今回の旅行は、一応のルールとして、ポイントの駅ごとに一旦駅構内を出て、街の雰囲気を楽しみ、その駅で次の駅までの切符を購入することとした。(尚、筑前・前原駅−博多駅間は筑肥線の103系を利用した。) |
783系かもめ・みどり |
ハイパーサルーンからの景色を楽しむ |
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天気が良いだけに朝は冷え込み、車窓を流れる畑は霜で白くなっている。783系の「かもめ」と「みどり」は肥前山口まで併結運転している。昔の「いなさ」と「弓張」併結運転の流れだ。博多を出てまもなく「787系有明」とすれ違う。JR九州の情報誌「Please」2月号のぶらり旅コーナーでは、大桃美代子さんが唐津の菜畑遺跡をレポートしていた。縄文晩期、日本最古の水田遺跡である。文字通り瑞穂国の原点がここにある。ちなみに大桃さんは博多から佐賀までは「885系白いかもめ」で来たようだ。 |
鳥栖駅 |
787系リレーつばめ |
A | 特急「リレーつばめ」 | 鳥栖発08時35分 | 新八代着09時50分 | 所要時間1時間15分 | 122.7km |
鳥栖駅で「佐賀新聞」を買う。1面のローカルなトップ記事では「佐賀・長崎5市サミット/新幹線で西九州浮揚へ」が報じられていた。西九州新幹線は、国の事業予算がついた2005年度から3年間紛糾していたが、並行在来線全区間をJRが運行するという裏技で決着がついた。だが、新幹線が通ったからといって、街が活性化する訳ではない。いかに魅力のある街をつくって、リピーターを確保するかが問われる。一方、フリーゲージトレインの開発は、かなり苦労しているようだ。時間に余裕があるので問題ないとは思うが・・・。「787系リレーつばめ」に乗る。メタリックグレーの外観と同じ色調の車内が落ち着いた雰囲気を与える。車窓の景色を眺めながら、車内販売のコーヒーを楽しむ。熊本を過ぎると工事中の九州新幹線鹿児島ルートが見える。すでに99%の用地買収が終わり、トンネル15本中未完成は1本だけだという。 |
工事中の新幹線鹿児島ルート |
新八代駅 |
“リレーつばめ” と“ 新幹線つばめ” |
新幹線800系つばめ |
“800系つばめ”のシート |
B | 新幹線「つばめ」 | 新八代発10時22分 | 鹿児島中央着11時09分 | 所要時間0時間47分 | 137.6km |
「リレーつばめ」と「新幹線つばめ」は、同じホームで乗り換える。「リレーつばめ」の行き先は博多を出るときから“鹿児島中央”なっている。新八代を出ると、鹿児島中央駅までわずか47分。山また山をトンネルで貫き、一気に走り抜ける。トンネルが約70%ということで、開発に際しては車内の騒音や振動などの対策に苦労があったようだ。外の景色に変化がない分、車内は明るく、木のフレームを使ったシートなど、洗練された上質な空間でくつろがせてくれる。鹿児島ルートが全線開通すると、伝統の列車名「つばめ」はどうなるのだろうか。 |
鹿児島中央駅 |
路面電車「1000形ユートラム」 |
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485系きりしま |
鹿児島中央駅で買った駅弁 |
「桜島」を眺めながら錦江湾岸を走る |
C | 特急「きりしま」 | 鹿児島中央発12時13分 | 宮崎着14時19分 | 所要時間2時間06分 | 123.3km |
鹿児島では、路面電車の撮影を予定している。できれば超低床車が来てくれれば言うことはない。早速、駅前の電停で張り込む。実にラッキーだった。3台目に「1000形ユートラム」がきた。長崎ではついに「リトルダンサー」とは会えなかったが、今回は撮影に成功。駅弁とお茶を買い込んで、「485系きりしま」に乗る。駅弁を食べながら、錦江湾沿いを走る。桜島は、かすみがかかってうっすらしか見えない。”ごとん、ごとん”と揺れる列車に身を預け、いつしか“うとうと”と眠る。 |
宮崎駅 |
宮崎県庁 |
県庁横にある店 |
宮崎に到着。外に出て高千穂通りから橘通りを歩いて、今や人気スポットの宮崎県庁を見に行く。上着を脱いで、まるで春風に誘われて散歩気分である。プロ野球キャンプの2月ということで「ソフトバンク」や「巨人軍キャンプ50年」などのフラッグが目につく。宮崎県庁には大型バス3台が来ていて、数十人が記念撮影していた。一日平均1000人が来るそうだ。県庁前には露店も出てずい分にぎやかだ。 |
485系にちりん |
大分県津久見市付近で撮影 |
D | 特急「にちりん」 | 宮崎発15時39分 | 別府着18時48分 | 所要時間2時間59分 | 207.0km |
宮崎駅は有人改札で、駅員さんが改札スタンプを押している。「にちりん」には車内販売がないので、大きなペットボトルのお茶を買い込んで「485系」に乗り込む。宮崎日日新聞は、イージス艦衝突事件を抑えて「道路特定財源で賛否」が1面トップを飾っている。2008年予算案に関する衆院予算委員会の公聴会が宮崎で開かれ、インフラ整備が急務であることを強く訴えたようだ。夕暮れ時、津久見市付近で、面白い空に出会い写真に撮る。「にちりん」は以前、博多までの運行だったが「ソニック」の登場で、今は別府までになっている。 |
別府駅 |
885系白いソニック |
E | 特急「885系ソニック」 | 別府発19時50分 | 小倉着21時11分 | 所要時間1時間30分 | 132.9km |
別府駅も有人改札だった。駅前の通りを歩いてみたが、以前“別府近鉄”のあった場所は空き地になっている。“駅前高等温泉”は健在だった。大分合同新聞には、別府市で行われた「温泉マイスター」の認定試験の様子が載っていた。設問は、かなり硬派で難しかったそうだ。今回、各県の地方紙を全部買ってみたが、みんなそれぞれ、自分たちの住む地域をより良くしようと、一所懸命なのがよくわかる。別府から「885系白いソニック」に乗る。しかし、先頭車両の色を見ると「白いかもめ」の車両である。この「白いかもめ」と「白いソニック」は、それぞれへの充当が頻繁に行われている。振子車両で、曲線でも本則+30km/hで走るので、普通の列車では時間が合わないらしい。 |
北九州市モノレール |
新幹線100系こだま |
F | 新幹線100系こだま | 小倉発21時58分 | 博多着22時17分 | 所要時間0時間19分 | 67.2km |
小倉駅に到着。早速モノレールの駅へ。私がモノレールで通勤していた頃は、一旦下りて、歩いて小倉駅に来ていた。その後、駅に直接乗り入れるように改善され、単年度で黒字になるほど客足も伸びているという。モノレールの駅から見る街の眺めはなかなかいい。新幹線は0系が来るのを期待して「こだま」にした。切符を買うとき調べてもらったが、どの車両が来るかわからなかった。0系は今秋引退予定でもあり、博多で見れるのはおそらく一日数本だろう。だめとは思っていたが、やはり来たのは100系だった。 |
2008年2月の時刻表 |
寝台特急なは・あかつき |
ブルートレイン「なは・あかつき」が、来月(2008年3月)のダイヤ改正で廃止になる。実を言うと、この「なは・あかつき」が博多駅を通過する「22時31分」に合わせて今日一日のスケジュールを組んだ。プラットホームには、写真を撮るために数人が待ち構えていた。鳥栖駅では、熊本からの「なは」と、長崎からの「あかつき」が連結されるので、鉄ちゃんが集結しているらしい。最近、「なは・あかつき」を利用したパック旅行の宣伝も目にする。惜しむ声も多いが、乗車率30%では仕方がない。この流れだと「富士・はやぶさ」も同じ運命かもしれない。「なは・あかつき」の撮影も終わり、これで無事「15時間九州一周」を終えた。いい一日だった。 |
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今回、各県で購入した地方紙 |