ルビコン川を渡る

=異次元からの制御=
随筆のページへ

トップページへ

FileNo.071227

秋元久英は、異次元で敵対関係にある人物がいる。仮にここではその人物を“ルビコン”と呼ぶことにしよう。ルビコンは三次元の世界でも私と敵対関係にある。私とは全く違うDNAの系列にあることがその根底にあると思われる。恐らく私のミトコンドリアDNAは「D4」で、ルビコンは「B4」だと思っている。三次元のルビコンは、少々瞬間湯沸器的なところはあるが、特にこれといって変わったところはない。ルビコンは今30代、パワー全開の年齢にある。私はもう年齢からして、ルビコンに対等で勝てる力はなくなっている。ルビコンの年齢くらいの時は、自分にその能力があることすら自覚していなかった。異次元に行って、未来を変えることの出来る能力に気づいてからわずか10年、“時すでに遅し”である。しかし、お互いがその能力があると、力の差はあっても決定的なことに対しては、私も骨身を削ったマイナス要因で対抗エネルギーを作り出し、必死に防戦するので、ルビコンも直接攻撃はなかなか仕掛けてこない。そこでルビコンが考え出した必殺技が、他人を使って、精神的なダメージを私に与えることだった。私がファンであるスポーツ選手などのターゲットを餌食にして、そのライバルを徹底的にヒーロー、ヒロインに仕立て上げる。今では、いかに激しい落差をつけ、劇的な展開で天国と地獄を演出するかがルビコンの生きがいになっている。

それは2004年2月ヤンキース松井秀樹選手の随筆を、このHPアップしたことに始まる。格好の方法を思いついたルビコンの攻撃はここから始まった。それでは時系列に見てみよう。2004年ヤンキースのプレーオフ3連勝4連敗という屈辱的な敗退からはじまる。メジャートップクラスの得点力を誇るヤンキースにいながら、その後松井秀樹選手は一度もワールドシリーズに出場していない。ルビコンはまずこれを基本設定にして、さてこれからこれ見よがしに日本人選手の活躍を見せ付けていく。手始めの2004年は田口 壮選手にチーム新人賞をとらせ、ワールドシリーズに出場させる。翌2005年は井口資仁選手がメジャー1年目でワールドチャンピオンになった。それもチームとしては1917年以来というミラクルつきだった。更に2006年2月、日本の優勝に終わったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は誰もが驚いた。奇妙な対戦カード、アメリカの敗北、ルビコンが異次元から制御した日本のミラクル優勝。この時の松坂大輔投手のMVPの活躍はメジャーへと引き継がれていく。松井選手がレッドソックス戦で手首を骨折したのも偶然ではあるまい。2006年のワールドシリーズでは再び田口壮選手が登場。世界一が決まった瞬間にフィールドに立っていた初の日本人となった。そして今年(2007年)、ルビコンの攻撃はますますエスカレートし佳境に入る。

メジャーへは松坂大輔投手だけでなく、巨人の岡島投手も送り込んだ。松井秀樹選手を意識すれば当然の選択だったと言える。まず松坂投手は、レギュラーシーズン最後の登板で15勝目を挙げ、日本人新人ピッチャーで最多勝を記録した。ワールドシリーズでは1勝を挙げ、これは日本人初の快挙となった。とは言うものの、レギュラーシーズンの防御率4.40、自責点は3桁100点、これで15勝を挙げたところにルビコンの影が見える。岡島選手の活躍もまた異次元だ。いきなり4〜5月にかけての19試合連続無失点。4月ア・リーグ最優秀新人を受賞。しかも、記念すべき初セーブはヤンキースからというのも注目だ。そして、オールスターメンバー選出へと続く。シーズン終了後のファン投票「最優秀中継ぎ投手」では半分近くの票を集めダントツ1位になった。ルビコンのしつこさは、これだけでは終わらない。今年のワールドシリーズにはもう一人出場させている。松井稼頭夫選手である。チームはラスト14試合で13勝を挙げるという異次元の追い上げを見せる。松井稼頭夫選手の打率3.45もあわせて、ルビコンの力が働いていることを伺わせる。この異変は岡島選手のこの言葉によく現わされている。岡島選手いわく「自分でも不思議ですよ。何が変わったのか自分でも分からない。普通にやっていたら結果が良かったという感じです」。この言葉こそが、まさに異次元からのコントロールを言い表している。

次にソフトバンク・ホークスで検証してみよう。ルビコンにとってのイントロダクション2004年のホークスは、シーズン1位でありながら、プレーオフで敗退した。本格的にコントロールの始まった2005年では、まずレギュラーシーズンで独走させ、喜ばせておいて、プレーオフ2年連続の敗北で落胆させる。さらに2006年のプレーオフでは、3位から勝ち上がらせて、3年連続の敗北を味わわせ、完全にルビコンの設定した道を歩んでいく。このことに気づくはずもない三次元では、2007年の優勝に向けて補強し、万全を期したわけだが、異次元からのコントロールを逃れることはできない。故障に泣き、主力打線の不振で、レギュラー3位に終わった。チーム力を狂わせるには、歯車のかみ合わせを少しだけいじればよいのである。そして今年のクライマックスシリーズは早くも第1ステージで敗退、4年連続で日本シリーズ出場が阻止された。しかもレギュラーシーズンでは、4本柱の強力な投手陣が、なんと楽天新人の田中将大投手に次々に勝ち星を献上。2桁勝利で新人賞までとらせたのである。ルビコンがコントロールしたのは、ホークスだけではない。2007年は巨人にも魔の手がのびた。レギュラーシーズンで優勝させておいて、クライマックスシリーズで4連敗を叩きつけた。更に勝った中日を53年ぶりの日本一にさせ、その図式はパターン化された。

野球以外でも検証してみよう。HPの中で2004年3月に五輪候補からはずされた高橋尚子選手のことを書いたが、対する野口みずき選手はアテネで金メダルに輝いた。今年の東京国際女子マラソンでも、35km付近からの驚異的なスパートで優勝し、すでに北京五輪出場をほぼ確定させている。次にフィギアスケートの安藤美姫選手を見てみよう。2005年末、トリノ五輪出場決定時にエールを送ったことがルビコンを刺激した。ミキティは15位に終わり失意のうちに帰国。一方、これに対抗させたのが荒川静香選手である。イナバウアーで日本選手唯一の金メダルを獲得し、日本全国荒川選手一色に染まった。その後もこのパターンはずっと続く。まず昨季の世界選手権でミキティを女王にしておいて、今月のNHK杯では第4位でファイナル出場まで奪った。しかも、目の前でGPデビューの18歳武田が3位で表彰台に上がったのだ。更に、出場を逃したGPファイナルでは、浅田真央選手が前日の最下位から、フリーで1位になりミラクルの銀に輝いた。新聞記事がそのすべてを物語る。「世界女王安藤、まさかの大乱調」、「真央猛追、ジャンプ成功11連発」。今年、安藤美姫選手は、
右肩の状態が悪化したのも不調の原因だったが、松井秀樹選手の右ひざ故障による不振もまた同じである。さらにホークス松中選手は右ふくらはぎを痛めて一時2軍落ちし、斉藤投手は右肩の筋疲労により戦線離脱、復帰後も不調。川崎選手は右手中指を骨折し2ヶ月離脱した。これはもはや偶然ではないことをご理解いただけるだろう。(追伸:マラソンの高橋尚子選手も2007年夏「右ひざ半月板」の約半分を取り除く手術をしたそうだ)

ルビコンのターゲットは、私の応援するチームやスポーツ選手のみならず、いまや俳優、政治家などあらゆるジャンルになってきている。ここに書いたものはごく一部にしかすぎない。その心地よさに酔いしれ、どんどんエスカレートしている。三次元の世界では異次元からコントロールされた結果とも知らず、メディアは感動的な文章や映像を一斉に流す。コメンテーターは、もっともらしい解説をする。しかも、説明のつかないことになると「運命のいたずら」とか「奇跡」などという便利な言葉で片付ける。問題のテレビ番組は逃げるようにチャンネルを回すが、回しても回してもそのシーンが流れている。こうして私に強烈な精神的ダメージを与えているのである。今後の対応策としては、それぞれに対して私の心を全くフラットな状態、つまり「無」にすることだが、俗物の私に、そんな高僧みたいなことが出来ようはずもない。今のところ有効な解決策は見当たらないのである。そこで、広く世間が目撃者、証言者になれば、あるいは攻撃を止めるかもしれないといういちるの望みからこの事実を公にした。公にされたルビコンは、今頃“怒り心頭”だろう。さて、どれだけの反撃が待っているのだろうか。もうすぐ2008年がやってくる。どんな1年であろうと、あえて“ルビコン川を渡った”私としては、ただ静かに待つだけである。


注)「ルビコン」・・・イタリアにある川。「ルビコン川を渡る」とは、意を決して事にあたるということ。(「現代用語の基礎知識」より)




この頁の最初に戻る 随筆のページへ トップページへ
映画「デジャヴ」と“異次元の世界” 異次元からの制御 4 異次元からの制御 3
異次元からの制御 2 異次元からの制御 ゼロバランス理論
検証
パターン(1)・・ 対象者を直接攻撃し、物理的ダメージを与える
パターン(2)・・ 相手に輝かしい栄光を与え、精神的ダメージを与える
パターン(3)・・ もう少しのところで、栄光をつかめず、くやしい思いをさせる
パターン(4)・・ 天国と地獄的な格差をつけて、対象者に心身ともにダメージを与える。
パターン(5)・・ 対象者自身か又は周囲の不祥事などで、対象者を窮地に落としいれるか、失脚させる。
年・月・日 ジャンル ターゲット 相手 内容
パターン(3) フィギュア 安藤美姫 浅田真央 フィギュアスケート全日本選手権
2007・12・28

浅田真央が2連覇・安藤フリーは1位も及ばず
フィギュアスケートの世界選手権代表選考会を兼ねた全日本選手権最終日。注目の女子は浅田真央が合計
205.33点で2連覇した。フリー1位の安藤美姫が204.18点で2位。浅田真央はフリーは2位だったが、SPからのトップを守った。

パターン(1) プロ野球 斉藤和巳      右肩手術へ
2008・01・07 斉藤・右肩手術へ・開幕絶望
福岡ソフトバンクホークス斉藤和巳投手は、米ロサンゼルスで「右肩腱板(けんぱん)」の修復手術を受ける。公式戦開幕には間に合わないことが確実となり、王監督も長期離脱を覚悟している模様。
パターン(1) フィギュア 安藤美姫        右肩手術へ
2008・01・12 安藤・右肩手術へ・ボルト3、4本埋め込む予定
フィギア安藤美姫が3月の世界選手権後、右肩の手術をすることを発表した。現在、テーピングで押さえているが、睡眠中に外れるなど状態はよくないという。復帰まで3ヶ月ほどの予定。
パターン(4) 卓球 福原愛 樋浦令子 全日本卓球選手権
2008・01・21 福原・5連続失点で逆転負け
女子シングルス6回戦で、樋浦令子にフルゲームで敗れ、ベスト16に終わった。
7連勝中だった樋浦との6回戦。最終ゲームで9−6とリードしながら、5連続失点で敗れた。
パターン(3)(4) フィギュア 安藤美姫 浅田真央 四大陸フィギュア
2008・02・17 [ショートプログラム]浅田真央60.94、安藤美姫60.67・・・美姫0.87点差2位発進
  安藤美姫は、ジャンプの回転不足と判定され、
自己最高を8点近くも下回る60.07点
[フリー終了]浅田真央合計193.25点、安藤美姫は、4回転ジャンプに挑んだものの失敗し、合計177.66点の3位だった。最初の連続ジャンプで乱れ、考えすぎたという4回転も不発に終わった。安藤は逆転優勝はおろか3位に終わった。
パターン(5) 国防 防衛省         イージス艦・漁船と衝突
2008・02・20 高性能レーダーでミサイルなどの情報を瞬時に処理し、迎撃する能力を持つイージス艦が、漁船との衝突を回避できなかった。犠牲者が出たことにより、ミサイル防衛の中枢(「あたご」)の強制捜査をうけざるをえない状況になった。さらに、防衛相への緊急速報も1時間半を要し、危機対応の不手際をさらけだした。米兵の沖縄での不祥事など、日本の防衛に対する揺さぶりはエスカレートしている。
パターン(1)(4) 女子マラソン 高橋尚子 中村友梨香 名古屋国際女子マラソン
2008・03・09 高橋尚子選手、9キロ付近でまさかの脱落
北京への最終選考レースとなるこのレースを制したのは初マラソンの中村友梨香選手だった。沿道で応援する人も「誰?」というほど知られていない新人選手の優勝となった。記録も初マラソンで2時間25分台というすばらしいもの。しかもそうそうたる出場者の中にあって、1位、2位ともに初マラソンの選手だった。一方、後退していった高橋選手は27位でフィニッシュ。テレビ放映さえも入らなかった。高橋選手は、レース後のインタビューで、昨年8月右ひざ半月板」の約半分を取り除く手術を行っていたいたこと明らかにした。 



年・月・日 ジャンル ターゲット 相手 内容
パターン(4) フィギュア 安藤美姫 浅田真央中野友加里 フィギュア世界選手権
2008・03・20 [ショートプログラム]浅田真央が自己最高の64.10点、中野友加里もまた自己ベストの61・10を出した。安藤美姫は冒頭の連続ジャンプを3回転−2回転するなどで59.21点で出遅れた
パターン(1)(4) フィギュア 安藤美姫 浅田真央 フィギュア世界選手権
2008・03・22 [フリー]浅田真央が、高難度のジャンプを次々に成功させ初優勝した。その一方で安藤美姫は、当日朝の練習で左ふくらはぎの肉離れを起こし、薬や注射で痛みを抑えたが、筋肉は動かず、演技の途中で棄権した。安藤の目からこぼれる涙が痛々しい。

この頁の最初に戻る 随筆のページへ トップページへ
2008年度:野球関連
試合日 @ A
2008・03・29 ・ホークス自滅、ミス連発:守乱・押し出し・捕逸・けん制死 ・ヤクルト・開幕連勝・意地の巨人叩き
・楽天・田中:今期初白星・打たせてとる凡打の山
2008・03・30 ・ホークス・大場:悪夢1イニング3被弾:快投一転・初の黒星
・巨人・中継ぎ総崩れ開幕3連敗
・楽天4連勝
2008・04・01 ・巨人開幕4連敗は球団タイ記録
・打てないソフトバンク3連敗
・阪神6年ぶりの開幕4連勝
・楽天
球団タイ5連勝、単独2位に
米大リーグ・福留:9回裏同点3ラン。3打数3安打3打点デビュー日本人選手の1年目開幕戦本塁打は3人目
いよいよ今年もルビコンの支配が始まった。大リーグの方では、福留をサポートの予感
2008・04・02 ・巨人・球団初開幕5連敗16イニング連続無得点 ・阪神・6年ぶり開幕5連勝
・楽天・
球団初6連勝
2008・04・03 ・ホークス不発・首位陥落・追加点奪えず ・楽天・球団初の単独首位・球団新7連勝
開幕一週間で「球団初」「球団新」「球団タイ」「6年ぶり」「連勝・連敗」という記録が続々と出てくる。見えない力が働いていることが分かっていただけるだろう。ひょっとすると、今年の日本シリーズは「阪神」×「楽天」か????まさか!
2008・04・04 ・米大リーグ・黒田:“普段通りの投球”で7回を3安打4奪三振と華々しいデビュー
2008・04・06 ・ホークス:継投また裏目、1点差守れず。9回ニコースキー自滅。4日の逆転負けと同じパターン。。 ・西武が5連勝で首位浮上
2008・04・08 ・ホークス:投壊・鎮痛、新垣暴投・リリーフ陣は被弾、王監督「取られ方が悪い」 西武:劇的な逆転サヨナラ勝ちで6連勝
2008・04・09 ・ホークス:沈む借金生活、大隣が四回自滅、打線も振るわず。10日の結果次第では最下位の可能性 
2008・04・11 ・ホークス・借金生活逆戻り:杉内乱調・自己最悪8失点、被安打10も自己ワーストタイ記録 ・楽天今期初のサヨナラ勝ち:8日1軍に昇格したばかりの9年目の代打・山下。9年目で初のサヨナラ


この頁の最初に戻る 随筆のページへ トップページへ