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雑 感 (2020年11月) | 雑感(目次)へ 随筆のページへ トップページへ |
島倉千代子さんとゼロバランス | Pentel・ENERGEL・Clena |
マルセル・デュシャン | 生物色彩 |
島倉千代子さんとゼロバランス | |||||||||||||
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マルセル・デュシャン | ||
先月(2020/10)糸島市図書館でブックリサイクルがあり、数冊の本を頂いてきた。その一週間後にも開かれ、この時手に入れたのが「世界の巨匠・デュシャン」である。BOXの中には他にも巨匠が並んでいたが、20世紀におけるデュシャンの影響力は大きく、この画集を持ち帰った。彼の美術に対する哲学ともいえる深い思想は、美術の概念を大きく変えた。解説にはこう書かれている。『ダダ運動の若い芸術家たちも、デュシャンに接すると、催眠術にかかったように彼を称賛した。・・・・いわば未来の果てしない展望を開いた人物に思えた』。デュシャンの精神活動があらわした芸術は、反芸術だと厳しい批評を受けながらも、その後の若い芸術家たちの土台となっていく。 解説によれば『彼が最も重きを置いたのは、芸術ではなく生活そのものであり、傑作をつくることではなく、知性を自由に働かせることであった』。ただここに至るまでにデュシャンの画歴は興味深い。画集の最初に掲載されている初期の作品「グランブルの風景」(1902)は印象派を感じさせ、「デュシャンの父親の坐像」(1910)はセザンヌ風である。ところが1910年の「チェスプレーヤ」と1911年の「チェスプレーヤーの肖像」は、わずか一年の間にキュビスム風へと激変する。この後発表する「階段を下りる裸体No.2」(1911)では、キュビスムではありながらも運動と時間を表現している。そして翌年1912年デュシャンはキュビスムと完全に決別する。絵画の世界から離れ、芸術の概念を覆す。 この画集の外箱を飾っているオブジェ「自転車の車輪」(1912)こそデュシャンが新しい世界を切り拓く転機となった作品である。次の作品「壜掛け」(1914)は、どこでも買えるような家庭用品に署名をしただけで芸術作品とした。この時のデュシャンはこう言っている。『人間によってあるいは人間の機械によって作られたものは、どんなものであれ芸術であり、芸術家は単に物に署名する人間に過ぎぬ』。さて次がいよいよ美術界を騒がせた「泉」(1917)の登場である。デュシャンは、レディメイド芸術という新しい概念を作り出し、美術作品のそれまでの価値観を覆した。 |
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Pentel・ENERGEL・Clena | |
Pentelのボールペンで、今使っている「ブラウン色」の残りが少なくなったので、リフィルを補充しておこうと出かけた。恐らくこの色のリフィルなら取り寄せということになるだろうと思いながら探した。ところが、リフィルどころか、ブラウン色のボディの「Clena」を見つけた。これはいいのが見つかった。落ち着いたデザインもいい。 この8年ほどでノートしたのを平均してみると、1年に約5冊(APICA CDノート)ほどだった。ということで、リフィルが途切れないようLRN4、LRN5、LR7、LR10合わせて20数本ストックしている。 |
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生物色彩 | ||
カワセミ |
ヤイロチョウ |
ケツアール |
浅間茂著 中央公論社新社 2019/4/25発行 |
鳥類は「4色型色覚」を持っているという。我々ヒトは、赤、青、緑を認識する「3色型色覚」である。鳥はこれに加えて、紫外線を見ることが出来る。つまり、我々が見ている可視光線より短い波長(300〜380nm)も見ている。カラフルな色を認識する鳥たちは、赤い色が好みらしく、鳥媒花(鳥による受粉)の80%が赤い色だという。その中でも我々の目を楽しませてくれる美しい鳥がいる。清流の宝石“カワセミ”、森の宝石“ヤイロチョウ”あるいは世界一美しい鳥ともいわれる“ケツアール”。ケツアールは光に当たると一層輝きを増す。尾羽をたなびかせながら飛ぶ姿は実に美しい。この美しさは、鳥にとってどんな意味を持つのだろうか。“カワセミ”は捕食者が上空から青い背中を見たとき、水面と重なって目立たないのだという。“ヤイロチョウ”も森の中では、この色が木々に溶け込み天敵から身を守っている。美しい色には、生き延びるための重要な意味がある。 鳥の美しい色は、物理的な構造色によるものだ。それは体の微細な構造によって生じる色で、CDやDVDの表面に見られるようなものらしい。光の波長やそれ以下の微細な構造による光の干渉、屈折、散乱などにより発色する。構造色による発色は鳥だけではない。モルフォチョウやタマムシにもみられる。モルフォチョウは、麟粉に反射した光が干渉し、金属光沢の青色を発色する。ところがこの構造色はカラフルなものだけではない。カンザシフウチョウのオスは、地球上で最も黒い鳥と言われる。光の反射が極端に低く、光の99%を吸収する。それは入り組んだ羽根の間を繰り返し反射していくうちに、ほとんどが吸収されて外に出て来ない。これもまた羽毛の構造によるものである。 カラフルと言えば、花の色こそ最もカラフルである。この花々を虫や鳥が飛び回り、植物の受粉を助けている。だが虫は視力が極端に弱いのだという。例えば、ミツバチはヒトの視力の100分の1。つまり、ヒトの視力を1.0とするとミツバチの視力は0.01ということになる。では花たちはどうやって虫たちを誘うのか。虫たちは紫外色を見ることができる。花びらは紫外線を反射して花の存在を認識させ、虫が好む密は、紫外線を吸収してその場所を示すという。それぞれの花は、特定の虫が来やすく、また蜜を吸いやすい形状に進化していく。それが子孫を残せるかどうかの鍵になる。植物たちも最終目的は種(しゅ)を保存にある。 |
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