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雑 感 (2018年03月) | 雑感(目次)へ 随筆のページへ トップページへ |
日本庭園と磐座信仰 | 日本の美意識 |
二科展(福岡県立美術館) | OHTO・FUDE BALL 1.5 |
電撃的米朝首脳会談 | いよいよ森友問題、最終局面か? |
ホーキング博士 | 金印・鈕の形が歴史を語る |
立て続けに発生するルビコンによる事象 | アピカ ノートカバー |
我々が生きる理由 | LPレコードにみる多彩な音楽 |
日本庭園と磐座信仰 | ||||||
枯山水 (福岡市大濠公園・日本庭園) |
茶 室 (福岡市平尾・松風園) |
池泉回遊式庭園 (福岡市住吉・楽水園) |
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県立高校の入試に出題された宮本健次氏の「日本の美意識」の後半には次のようなことが書かれている。
磐座信仰とは、巨石を神の依る磐として祀る信仰である。鏡をご神体とする神宮系に対し、磐座祭祀は、古来より出雲系の信仰形態とされる。出雲の神様といえば大国主神。大国主神は、出雲から北陸や大和までの広範囲にわたる国土を形成した国作りの神様である。民に慕われ尊敬された大国主神は、今も大和の三輪山に奉祭されている。 出雲は大量の銅鐸が出土した「加茂岩倉遺跡」が有名であるが、この「岩倉」はまさに「磐座」を想起させる。この傍には出雲風土記にみえる「神名火山」がある。「神名火山」は、即ち「神奈備山」である。神奈備(かむなび)とは、神霊が宿る依代の領域をいう。「神奈備山」を挟んだ反対側には荒神谷遺跡がある。これも大量の銅剣が出土した遺跡である。この荒神谷遺跡は「神庭西谷」にある。「神庭」という地名にも意味がありそうだ。 豊かな自然に生きる日本人は、山や太陽、自然界のあらゆるものに精霊や神が宿ると信じてきた。自然の恵みに感謝し、あるいは圧倒的な自然の力の下にひれ伏し、精霊や神々とともに生きてきた。自然への畏敬と畏怖の祈りは、アニミズムの原点である。それと同時に、めぐる四季が見せる美しい景色は、日本人の美の原点でもある。庭園の起こりが磐座であることも、自然美を写す日本庭園とそこに神の住処である神仙島が存在するのも、あるいは日本人として必然だったのかもしれない。 |
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日本の美意識 | ||||||||||
桂離宮(日本建築文化の粋・数寄屋造り) |
友泉亭(福岡藩主・黒田家別邸) |
「薄図屏風」(左隻・一部分) |
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先日、新聞に今年の福岡県立公立高校の入試問題が掲載された。国語では、宮本健次氏の「日本の美意識」の中から出題されていた。これには日本と欧米の住居の違いが実に分かりやすく書かれている。問題文の中の日本に関する部分を抜き出してみると概ね次のように書かれている。
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二科展(福岡県立美術館) | |
福岡県立美術館で「二科展」が開催されている。パンフレットには二科会が目指すところの趣旨が書いてある。『時代を認識する徹底性において、視野を一方向に限定せず、新しい表現価値の創造に向かって不断の追求を期することが信条である』。絵画の歴史をみるに、19世紀ヨーロッパで力のあったサロンに対し、印象派が新しい表現を起こしたように、二科会も当時の文展に対し、自由な表現価値の創造を目指した団体である。
作品の中でまず目についたのが塙珠世さんの「時空の女神」だった。内閣総理大臣賞を受賞しているすばらしい作品だが、同時にこの絵のコンセプトに魅かれた。あたかもホーキング博士の「無境界仮説」を思わせる表現である。時間と空間が絡み合い、現在の宇宙から宇宙誕生の瞬間へと遡る。行き着くのは特異点ではなく、境界を持たない閉じた表面を現しているかのようだ。女神は、我々の知能を産み出したこの宇宙の物理法則の象徴のようにも思える。 岡村宏保さんの「悠 シンラバンショウ」は、海洋プレートが日本列島に沈み込んでいるかのようだ。沈み込みはマントル対流によって起きるわけだが、日本は今後30年間にかなり高い確率でM8クラスの南海トラフ地震が起きる可能性が指摘されている。そもそも日本列島そのものがプレート境界の造山運動でできたものである。絵には日本列島の地下にマグマが溜まり、人間や家屋などが呑みこまれているかのように描かれている。迫力のある絵だった。 デザイン部門では、「持続可能な観光国際年」をアピールするポスターが掲示されていた。今後、日本だけでなく世界的にも旅行者が劇的に増えて行くと予測されている。解説にはUNWTOが『観光が活発化するにつれて発生する課題等への解決に向けた取り組みを働きかけている』と書かれている。作品の中では「愛(かな)しき彼(か)の四季廻る国」と題したポスターに魅かれた。様々な観光スポットのある日本列島の上に巨大な水車が回っている。清らかな水に覆われた日本列島と、真っ白な余白が印象的だった。 |
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OHTO・FUDE BALL 1.5 | ||
福岡県立美術館で「二科展」が今日(3/20)から開催されたので、久しぶりに天神に出た。天神に出たら文房具店巡りは欠かせない。OHTO(オート)の筆ボールを使いきっていたので、INCUBEで買ってきた。これはボールペンなのだが、筆字の感じが出る。すらすらと手軽に書けるので愛用している。5年ほど前だが、文房具総選挙で「筆記用具部門」でランキング入りしたぺんである。 | ||
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電撃的米朝首脳会談 |
北朝鮮の核・ミサイル保有について、米朝首脳会談が5月に行われる見通しである。誰も予想し得なかった急激な展開である。トランプ大統領ならではの外交交渉術と言える。水面下での接触は、昨秋から数回あったようだ。だが通常は実務者レベルの話し合いで基本的な合意点を探り、その上で首脳会談という運びである。国際社会も驚いたが、その後北朝鮮の動きが見えないことからして、一番あわてているのは北朝鮮自身ではなかろうか。 トランプ大統領のあまりにも性急な首脳会談受け入れを懸念する声も聞かれる。相手はこれまで何度も約束を破り、国際社会を裏切ってきた北朝鮮である。だがトランプ大統領は、秋には中間選挙を控えている。何としても今ポイントを稼いでおきたいところである。もし半島の非核化に成功すれば、間違いなく支持率は上がる。願っても無いチャンスとはいえ、功をあせるあまり、米国本土に届くICBMの開発中止だけで妥協する可能性も否定できない。 そもそも、したたかな北朝鮮の外交に、トランプ大統領がこれまで培ってきたビジネスの交渉術が通用するかが疑問視されている。しかも、ここにきてティラーソン国務長官の更迭、北朝鮮担当の不在など大統領を支えるスタッフもいない。そんな中にあっても圧倒的な軍事力と自身の才能だけでいけると踏んだのだろうか。しかし、国家間の合意のどこかに落とし穴がないか、微に入り細にわたる高度なチェック機能が果たしてあるのか疑問である。 一方、北朝鮮は、中国との貿易は激減し、厳しい経済制裁と相まって、秘密警察にすら配給が滞るほどひっ迫しているという。加えてアメリカによる軍事オプションの準備も進んでいる。だが北としては、米国に届く核・ミサイルが完成間近という自信もある。交渉するなら今ということで、"仲良くしましょうよ"とヘラヘラしている韓国の大統領を利用したのだ。うまくいけば日米韓の同盟に亀裂を入れることができ、かつ秘密裏に核・ミサイルを完成させようとの思惑だろう。 「国家核戦略の完成」を高らかに宣言した北朝鮮が、今更国是である「核」を手放はずがない。「非核化」の確認がどこまでできるかも、はなはだ疑問である。聞くところによると、北朝鮮は森林に覆われ、トンネルも無数にあるという。IAEAの核査察など簡単に逃れることができる。また蓄積した技術さえあれば、いつでも核はつくれる。一部にはプルトニウムの生産を再開しているのではないかという情報さえある。前にも書いたように、北朝鮮の「核」問題の平和的解決はない。 今回の首脳会談が決裂する可能性は大きい。北に「非核化」を約束させても、その実態は分からない。その代償として在韓米軍の撤退を北が要求しても、アメリカとしてもそれは呑めるはずもない。米軍撤退は半島だけの問題ではなく、東アジアの軍事バランスに影響する。北朝鮮としても、国務長官にポンペオCIA長官を起用することからして、アメリカの軍事力行使の本気度は充分理解しているだろう。だから今、北朝鮮は思案投げ首で反応が無いのだろう。 |
2018/03/24 トランプ大統領の本気度 米・国家安全保障担当のマクマスター大統領補佐官が更迭された。後任にはボルトン国連大使が就任する。ボルトン氏は、北朝鮮への強硬姿勢で知られる人物だという。トランプ大統領の、北朝鮮に対する軍事力行使の本気度を示したと言える。 |
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いよいよ森友問題、最終局面か? | |
私は一年前、下記のような記事を書いた。この問題、いよいよ最終局面かもしれない。今回の直接の原因になったのは先月24日に書いた次の一文と思われる。『現行憲法の中で、いかに国民を守るかに腐心する政権を“極悪非道”呼ばわりである。お前らバカか』。もし一年前に危惧したことが事実になったら、ルビコンの存在を信用してもらいたい。 | |
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これぞ!ルビコン!! 貴乃花親方の部屋で、暴力事件があった。これぞ典型的なルビコンの仕業。ルビコンって、まぁ、その程度のやつだ。SMAPの解散もそうだった。しかも、中居と他の三人との分裂というおまけ付きだった。このやり方からすれば、貴乃花親方の、相撲協会からの決別もあり得るかも? |
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ホーキング博士 | |||
ホーキング博士が亡くなった。現代における最高の理論物理学者と言われている。一昨年には「人類が種として存続したいと願うならば、自分たちの外に、生命体のある場所をみつけなくてはならない」と、太陽系が終わりを迎えることを見据えた壮大な計画を立ち上げたばかりだった。私は博士の本を読み、映画も観にいった。過去、博士について次のように書いた。 | |||
さて宇宙の時間を十分に過去に遡り、初期の宇宙に辿りつくと、そこはもはや時間が存在せず、宇宙誕生より前の瞬間には行くことができない。特異点が無い宇宙創生理論、つまり無境界仮説という理論をホーキング博士は提唱している。宇宙は時間が無い特別な瞬間に、量子的に生まれた多くの宇宙が、多くの異なった物理法則に従って存在するのである。
ホーキング博士いわく『物理学者として、人間の"心"は、宇宙が生んだ最高の産物だと考えている。我々は脳の中に「宇宙」をもっている。その膨大な脳の細胞は、宇宙全体の銀河に匹敵する巨大なネットワークを構成し、我々の"心"は宇宙を支配する力"電磁気力の理論"に支配されている』。つまり我々は宇宙を支配している力・電磁気力によってつくりだされた"心"によって、宇宙を解明しようとしている。 |
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金印・鈕の形が歴史を語る | ||||||
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立て続けに発生する、ルビコンによる事象 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アピカ ノートカバー | ||
APICA C.D.NOTEBOOK WEAR B5のCDノートカバー。なんとなく手に取ってみたが、手ざわりが実にいい。イタリア製のフェイクレザーだそうだが、やわらかな手ざわりに魅かれて、つい買ってしまった。表紙は愛用しているCDノートと同じデザインで、ネイビー色は、落ち着いて格調高い。 |
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我々が生きる理由 |
過日、テレビで「我々が存在する理由は何か?」という番組が放映された。科学者にはそれぞれ自説があり、科学的な根拠に基づく考えが述べられていた。例えばこんな考えもあった。『生物の目的は、世界がどのように機能しているかを突き止めることなのかもしれない。ある意味、宇宙は生物を通じて自分自身を理解しようとしているのかもしれない』。う〜ん、なるほど!
この番組の最後に、こんなことを言っていた。『人間が多くの苦労に耐えるのは、必ずしも目的地に着くためではない。必要なのは目的地に向かうことそのもの。目的を持つことで、自分自身や世界の捉え方が無意識のうちに変わる。将来の目的を持つことで、人間は目の前の苦しみからいくらか解放される。生きる理由を見つけることこそ、私たちの究極の目的かもしれない』。 T・イーグルトン著「人生の意味とは何か」ではこう言っている。『人生の意味は、ある問題に対する回答ではなく、ある生き方で人生を生きるという問題である。それは形而学的なものではなく、倫理的なものだ。人生の意味は、人生と別個の何かではなく、人生を生きるに値するようにせしむるものだ。言い換えれば、人生のある特質、奥行き、激しさなのである。この意味からすると人生の意味は、特定の見かたで見られた人生そのものである』。 生きる目的は、人それそれ違う。私の生きる目的は「しっかり死ぬこと」である。「しっかり死ぬ」こととは、つまり「しっかり生きること」である。しっかり生きることによって、しっかりした死を迎えることができる。言ってみれば走り幅跳びみたいなものだ。力強い助走(人生)があってこそ、力強い踏み切り(死)ができる。心身(心=魂、身=素粒子)が高く空(宇宙)を舞い、(魂は次の生命へ)着地する。つまり、来世に着地する生命のしっかりした選択も視野に入れてのことだ。 しっかり生きるために、その精神は常に前向きでなければならない。体の状態もまたしかり。異次元のデータを書き換えるだけのエネルギーを持つためにも、自分の状態を正常に保つ必要がある。だから病気をしたら病院に行く。だが、延命治療だけは御免こうむる。自分で生きる力がなければ、生きている意味が無い。自分の体と精神を自分で制御してこその「しっかりした死」である。 |
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LPレコードにみる多彩な音楽 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
今、テレビの連続ドラマで「越路吹雪物語」が放映中である。この中で越路吹雪さんの夫となるのが内藤法美さんという方なのだが、内藤さんは「東京キューバン・ボーイズ」のピアニストだったという。「東京キューバン・ボーイズ」、なつかしいバンドである。ということで、昔聞いていたLPレコードを引っ張り出してみた。今はプレーヤーを持っていないので、聞くことはできないが、ジャケットと解説だけでも楽しめる。
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この他にジャズでは、アート・ブレーキー、クリフォード・ブラウン、ルイ・アームストロング、バンドではベニー・グッドマン、カウント・ベーシーなど、ジャズの黄金時代を築いた巨人たちが活躍した時代でもあった。我々の若かった頃には、実に多彩な音楽があった。何とも幸せな時代だったと改めて思う。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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