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雑 感 (2017年08月) | 雑感(目次)へ 随筆のページへ トップページへ |
韓国・徴用工問題 | |
最近の鉄道 | 日米2プラス2 |
福岡空港2017/08 | 食糧自給率38% |
ラスコー展(九州国立博物館) | JR九州 |
韓国・徴用工問題 |
韓国・文大統領は今月17日、元徴用工補償に関し「元徴用工の個人請求権は残っている。韓国政府はそのような立場で過去の歴史問題に臨んでいる」と、これまでの歴代政権が踏襲してきた見解を覆す発言をした。それも北朝鮮の核・ミサイルの問題で、日米韓が連携して対応をすべき時の発言である。この大統領は、全体を把握し、適切な判断を下すような能力は無いとみえる。
徴用工の問題は、1965年の「日韓請求権・経済協力協定」で『日韓両国と国民の財産、権利及び利益、並びに請求に関する問題が完全かつ最終的に解決された』と明記している。このとき日本は5億ドル(当時・総額1800億円)を拠出した。しかも協定時に、日本側から徴用工へ個別に支払うと申し出たが、韓国政府の責任で対応するとしたため包括的な合意となった経緯がある。 韓国政府は、日本からの経済協力資金の運用に関する法律を制定し、徴用工死亡者に30万ウォンを支給している。この後歴代政権は、請求権問題を解決済みとしてきた。更に2005年、ノ・ムヒョン政権時代、請求権協定の検証をしている。この時も、元徴用工については韓国国内で立法措置がとられていることを理由に解決済みと判断した。韓国政府も裁判所もこの立場を踏襲してきていた。 2012年、韓国最高裁が「請求権協定で解決済みとした原判決を破棄し、高等裁判所に差し戻した」ことが、文大統領の発言の根拠だというが、8月14日に、元徴用工らが、韓国政府に対し、未払い金について「韓国政府は日本から3億ドルもらったのだから受け取るべき正当な補償を出せ」という訴訟を起こしている。自分の尻に火がついたことが、今回の発言に少なからず影響を及ぼした可能性がないだろうか。 今回の発言にとどまらず、文大統領の政策はめちゃくちゃである。後先考えず思いつきで政策を打ち出す。最低賃金を上げる、健康保険の適用範囲を大幅に拡大といった具合である。これに対し法人税の引き揚げなどで財源を確保するようだが、とても足りるような状態ではないらしい。この無能な大統領は、長い目で韓国をいい方向に導こうなどと思っていない。自分の任期まで何とかしのげればいいと思っているように見える。 大統領発言をきっかけに、韓国の市民団体の動きが更に活発になっている。ソウル市内の広場に徴用工の像が設置され、日本大使館前の少女像の横にも設置の動きがあるという。慰安婦問題に加えて徴用工問題を、大統領自身が市民をあおって反日を加速させている。そうしておいて「国民が納得していないので」などとぬかす。そのうち政策に行き詰ったら、竹島上陸が落ちだろう。 韓国の傍若無人の態度に、日本はこれまで大人の対応をしてきた。しかし事ここに至っては、もう我慢も限界である。もし日本企業に敗訴の判決が出れば、国際司法裁判所に提訴も辞さない構えだと聞く。竹島の問題も、韓国が応じようが応じまいが、毎年必ず提訴すべきである。経済関係においても、日本の協力なくしては、韓国経済は成り立たないということを、身にしみて分からせる強い制裁が必要である。無能な大統領は、そうでもしなければ理解できない。 トップへ戻る |
最近の鉄道 | |||
JR九州・783系 特急「ハウステンボス」が、デザインを一新して今年3月から運行している。デザインは水戸岡鋭治氏で、オレンジ色の外観にはハウステンボスのエンブレムが描かれている。車内は、18種類のデザインの座席、天井や棚、床に木を多く使用し、豊かな時間と空間を表現したという。これまでと同じく「みどり」との併結で運行される。今回のリニューアルは5編成のうち1編成のみだが、私は運よく撮影できた。 |
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JR九州・811系 JR九州がデザイン、水戸岡鋭治氏監修によって、近郊型電車811系が今年4月にリニューアルされた。811系は導入から30年が経ち、維持管理コストの問題で、今回の更新となった。これから2024年までに全27編成を順次更新していく。デザインコンセプトは「Old is New 〜伝統と革新の電車〜」。走行のための機器などが一新されている。ブレーキをかけたときのエネルギーを回収する新型モーターの導入で消費電力は3割減るという。 |
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西鉄・3000形 西鉄の太宰府観光列車「旅人」が、8000形から3000形電車に変わる。8000形が製造から29年が経ち、老朽化による変更である。2年ほど前から走っている柳川観光列車「水都」も、3000形に変更された。「旅人」の外装デザインは、大宰府の名所・四季を絵巻風に表し、内装も和文様で装飾するという。3000形新「旅人」は、来月(9月)16日から運行される。これで8000形はすべて引退する。 |
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日米2プラス2 |
日米の外務・防衛担当の4閣僚による2プラス2が開かれた。発表された共同文書は、北朝鮮の核・ミサイルへの脅威、中国の尖閣諸島進出への懸念などに、日米が強い結束をもって対処することを示した。小野寺防衛相は「あらゆる事態への対応を万全にするため、自衛隊と米軍の協力をさらに推進させる」と述べた。日米同盟の強化は、中国、北朝鮮の軍事行動を抑止する。
小野寺防衛相は、北朝鮮の弾道ミサイルについて「新たな段階の脅威」とした。BMDの強化は喫緊の課題である。地上配備型のイージスシステム「イージス・アショア」の導入、海上配備型迎撃ミサイル「SM3」の追加配備、米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD」の導入などが考えられる。特に「イージス・アショア」は、大気圏外で弾道ミサイルを迎撃する新装備で、命中精度も高く、自衛隊員の負担も軽減するという。 ミサイル防衛で最も効果的なのが「敵基地反撃」である。先制攻撃ではない。敵が撃ったあと反撃するのだ。安倍首相は『ほかに手段がないものに限り敵の基地を叩くことも自衛の範囲に含まれる」との考えだ。小野寺氏もかつて『専守防衛という考えの中で、相手の領土にある日本を攻撃する基地を叩いて防がなければ日本を守れない』との見解を示した。巡航ミサイル「トマホーク」の導入は、能力面とコスト面からも早急に検討すべきである。 共同文書では『東シナ海における安全保障環境に関し、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを再確認』した。中国海警局の艦艇が尖閣諸島への領海侵入をエスカレートさせる中、米空軍のB1戦略爆撃機と航空自衛隊のF15戦闘機が尖閣諸島周辺の上空で初めての共同訓練を実施した。中国への強い意思表示になったはずだ。だが中国海軍艦艇と爆撃機が日本海で訓練を実施。日本海でも活動が活発化する可能性があるという。 共同文書には『米国の核戦力を含むあらゆる種類の能力を通じた、日本の安全に対する同盟のコミットメント(責任履行)を再確認』とある。とは言え、あくまでも日本を防衛する基本的な責任は日本にある。米は日本の防衛に寄与するというのが安保条約の基本概念である。現在、日本は単独で自国を守れない。自衛隊の役割を拡大し、防衛力の強化を積極的に進めなければならない。 トップへ戻る |
福岡空港 2017/08 | |||||
福岡空港の2016年度の旅客数は、2231万人で5年連続増加を記録した。国際線は、LCCの参入や入国ビザ緩和により5年間で倍増している。そんな状況から国際線の入国審査待ち時間を短縮するため「バイオカート」なるものも登場している。一方、北九州空港は、新たなLCCの誘致やスターフライヤーの国際線開設の可能性などを見据え、空港ビルを増築が検討されている。とはいえ当初の予測をはるかに下回っているのが現状である。
国交省は福岡空港民営化について8月10日、1次審査書類の提出を締め切った。応募したのは、西鉄や九電など地場企業で構成する「福岡エアポートホールディングス」をはじめ、伊藤忠商事、オリックス、住友商事を核とする企業グループなど全部で5つのグループが応募した。9月には3グループに絞り込まれ、来年5月頃には優先交渉権者が決定される。落札した企業グループは、30年間福岡空港の運営を任される。 審査の評価は、いくつかの項目ごとに配点が決められている。特徴的なのは1次審査、2次審査とも、入札価格の配点が3割と高いことだ。これは国交省が、2本目の滑走路の費用と民有地の借地料の支払いに充てるためである。運営権を取りにいこうとすれば必然的に、高額の応札になる。いくら混雑空港とはいえ、北九州空港との一体運営や、離島路線の維持といった公共性を求められれば、厳しい運営になりそうだ。 2本目の滑走路が完成すると、発着容量は3割ほど増える。しかし発着枠は1.1〜1.3倍程度だという。北九州空港を受け皿に、路線拡充をどう克服していくかが問われる。福岡エアポートHDの強みは、地域の連携力である。審査項目に「地域との共生」が挙げられている。まちづくり策や地域理解などである。アジアの玄関口の地元として、福岡県だけでなく九州全体の活性化に一番力を発揮するのは「福岡エアポートHD」ではないだろうか。 |
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食糧自給率38% | |||||||
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ラスコー展(九州国立博物館) | ||||
九州国立博物館で先月から「ラスコー展」が開催されている。フランス南西部にある2万年前のラスコー洞窟に600頭にも及ぶ動物画が残されていた。現在は閉鎖されているこの洞窟壁画が、3次元レーザースキャンによって精巧に再現された。壁画や彫刻などのクオリティの高さは観る者を圧倒する。
この壁画を描いたのは、我々と同じホモ・サピエンスであるクロマニョン人である。色彩豊かな迫力の動物壁画、装飾としての精巧な彫刻、あるいは機能美あふれる多彩な道具など、その完成度の高さからクロマニョン人の豊かな創造性がうかがわれる。まさに現在に通じる芸術はここに始まったことを思わせる。 機能美あふれる衣服をまとい、貝殻や動物の骨で作ったビーズやペンダントで身を飾り、日常の道具にリアルな彫刻の飾りつけ楽しんだラスコーの人たち。人間が美しいと感じる脳は、ヒトが生きるための脳の機能と同じである。芸術はホモ・サピエンスの創造力によるものであり、それは食物連鎖の頂点を極めた生命力の源泉ともいえる。 現世人類はアフリカで生まれ世界へ拡散していったわけだが、すでにアフリカにいる時から「絵」を描いていた痕跡があるという。巨大な脳を得たことによって、芸術的な才能、あるいは高い精神性を獲得していった。その知能を極めたのがラスコー洞窟を精神的な拠り所とした人たちである。 ビーズの飾りをつけ埋葬された女性が展示してあった。墓にアクセサリーや副葬品を持ちこんだのはホモ・サピエンスが最初だという。「死」を認識しかつその死を悼み、他者の死によって自身の死を認識する。意識や感情などが複雑に絡み合い「心」が生まれた。そんなラスコーの人たちの生きる力を感じさせる展覧会だった。 トップへ戻る |
JR九州 |
JR九州が、全路線の利用状況を発表した。これは「輸送密度」(1日1km当たりの輸送人数)という指標で表される。幹線のほとんどが伸びているのに反し、地方路線のほとんどが低迷する現状は、少子高齢化が進む地方の現状を如実に表している。
1987年度と2016年度の比較において、比較可能な55区間のうち35区間で減少しているという。特に肥薩線や吉都線はほぼ3分の1に激減している。久大線は10数%の落ち込みではあるが、先頃の集中豪雨は"泣きっ面に蜂"である。 今回、JR九州が経営指標である「輸送密度」発表した背景には、株式上場があるようだ。JR九州としては、在来線のほとんどが赤字という現状を公開することで、路線沿線の住民や自治体が危機感をもって認識することを期待している。 現在かなり深刻な状態に追い込まれているのがJR北海道である。北海道の路線の半分が見直し対象になっている。赤字路線の年間赤字額は185億円にものぼるという。見直し対象路線の住民と自治体は真剣に将来像を模索している。 しかし、もはや小手先の改善や利用促進策の段階ではないようだ。たとえば見直しやむなしの意見で一番多かったのが「今のままではJR北海道が破たんしてしまう」という危機的意見である。鉄道の廃止は、即その地域の衰退を意味する。 だが、赤字路線を劇的に復活させる活性化策はかなり厳しい。JR九州の株式上場は、公共交通としての責任と、株主への責任との板挟みである。「現状の交通ネットワークは維持するように努力する」とはいうものの、経営努力には限界がある。 トップへ戻る |
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