高倉健さんが、文化勲章を受章する。半世紀にわたって主役を演じ続け、国民のみんなから愛されてきた証である。圧倒的な存在感がありながら、多くのファンが尊敬と親しみを込めて"健さん"と呼ぶ。プライベートは謎に包まれているが、健さんを知る人たちから聞こえてくるのは、その人柄の良さである。最高の栄誉をもって讃えるにふさわしい俳優であると言える。今回の受賞にあたってのコメントは次の通り。
「映画俳優として58年、205本の映画に出演させていただきました。
大学卒業後、生きるために出会った職業でしたが、俳優養成所では『他の人の邪魔になるから見学していてください』と言われる落ちこぼれでした。それでも『辛抱ばい』という母からの言葉を胸に、国内外の多くの監督から刺激を受け、それぞれの役の人物の生きざまを通して社会を知り世界を見ました。
映画は国境を越え言葉を越えて、"生きる悲しみ"を希望や勇気に変えることができる力を秘めていることを知りました。今後も、この国に生まれて良かったと思える人物像を演じられるよう、人生を愛する心、感動する心を養い続けたいと思います」 |
今後も健さんの一挙手一投足が感動を呼ぶ、そんな映画を撮り続けてもらいたいと思う。 |