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雑 感 (2022年03月) | 雑感(目次)へ 随筆のページへ トップページへ |
初めての「電力需給ひっ迫警報」 | 生命について考える |
懐かしい「セドリック」を見かけた! | 韓国に保守系大統領 |
日本の城 | ぺんてる・シャープペンシル「SMASH」 |
初めての「電力需給ひっ迫警報」 |
先日、東日本に初めて「電力需給ひっ迫警報」が出された。これは16日福島県沖で起きた地震の影響で、複数の火力発電所が止まったのに加え、気温が下がり暖房需要が増えたことが原因だった。蓄えができない電力は、常に需要と供給をバランスさせておかなければならない。「電力需給ひっ迫警報」は電力需要に対する供給の余力(予備率)が3%を下回ると出すという。発電所では、揚水発電の活用や他の地域の電力会社からの融通も受けた。揚水発電とは、電力需要が減る夜間に、余った電力で下にある池から上の池へ水を上げておき、電気の使用量が増える昼間に対応する仕組みである。それと同時に市民への節電要請、自家発電設備のある工場等への供給依頼などにより、何とか大規模停電は回避された。 今回、西日本から電力の融通を受けたのは、わずか60万kwだったという。問題は電力周波数が東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で異なるためである。今後更に融通能力を増強する計画のようだが、増強するには巨額の費用がかかり、その負担をどうするかが問題となっている。巨額の費用はそれだけではない。洋上風力発電などで将来、大量の再生可能エネルギーが発電されたとしても、それを北海道や九州から大量に消費する関東圏、関西圏へ送電するための送電網の整備が必要になる。専門機関の試算では海底ケーブルの敷設などで4兆8千億円が必要だという。それが電力料金へ上乗せされれば、我々は高額の負担を負うことになる。私のような年金生活者でも電気は使う。中小企業にとっては死活問題である。脱炭素は我々の暮らしの負担にもつながることである。 需給ひっ迫で産業界からは、「既設の原発が速やかに稼働しないと大変なことになる」との声が上がっている。高市政調会長は、以前こう言っていた『安定的な電力供給体制を構築しておかなければ、絶対に産業がダメになる。家庭の電力であれば低圧の再生可能エネルギーでいい。しかし、モノづくりなどには高圧の安定した電力が必要』。そのとき言っていたのが「SMR(小型モジュール炉)」だった。2050年のカーボンニュートラルをクリアするには、既存の原発の再稼働はもちろんだが、新しい技術の導入が必須である。SMRの安全性については「パッシブセーフティ」という万一の事故のとき、事故を自ら納めてしまう機能を搭載しているという。工場でほとんど100%建設したものを現地で組み立てるだけで、シンプルなメカニズムと品質の確保が出来るというから期待したい次世代技術である。 |
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生命について考える |
先月テレビで「生命の起源」(BSP)という番組を放送していた。原始の地球で、いかにして最初の生命が発生したのか。生命の発生に欠かせないものは何だったか。まずは隕石衝突によるエネルギーで“アミノ酸”ができることを実験で証明していた。アミノ酸はタンパク質を構成する材料である。次はタンパク質をつくる設計図“RNA”である。実験では、原始地球にあった4種類の物質を混ぜ合わせた水溶液からRNAを構成する4種類の物質が出来ることを証明した。次にRNAからタンパク質を生みだす装置“リボソーム”である。“リボソーム”は、細胞の中でRNAの情報を読み取り、タンパク質をつくる装置である。番組では『リボソームが誕生したことで、自分自身で様々な生命の部品をつくることができるようになった』としていた。 リボソームによって自己複製という生命特有の現象が成立した。「動的平衡」という考えがある。生命は絶えず「分解」と「合成」を繰り返している。「秩序は守られるために、絶え間なく壊されなければならない」というのが動的平衡である。つまり常にバランスをとりながら、36兆個の細胞は新しい細胞へ入れ替わる。1年経てば全く新しい固体になっている。その固体もまた、自己複製という生命の連鎖のもとに新しい個体へと入れ替わっていく。老化という現象は、次の世代が生きるための仕組みである。「死」というプログラムは、36億年の生命の歴史の中で、エントロピーの増大という宇宙の大原則を克服するために、細胞が導き出した最も合理的な答えといえる。命は生殖細胞によって受け継がれていくが、体細胞は個々の死によって終わる。 体細胞である我々は、この世に生まれたその時から死に向かって歩み始める。生きているものは必ず死ぬことを運命づけられている。宇宙の大原則を克服するために、細胞が導き出した最も合理的な答えではあるが、我々は死ぬために生まれてきた訳ではない。人生100年の時代、死への向かって歩いて行く中で、よりよく生きていく人生を見つけなければならない。つまり価値ある人生を生きるためにはどう生きるべきか。誰しも生まれ出でたとき、現世における生きる目的が設定されている。ところが本人はその目的を知らないまま人生を歩く。その目的を達成するためには、目の前のことに全力でぶつかっていかなければならない。そうすることで人生の終末期に、歩いてきた道を振り返れば、自分が背負ってきた目的が分かるはずである。そこに自分が現世に存在した意義がみえてくる。 |
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懐かしい「セドリック」を見かけた! | |
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韓国に保守系大統領 |
韓国の次期大統領に、ユン・ソクヨル氏が当選した。とはいえ相手候補との得票率の差は、1%未満という大接戦だった。今回の選挙は「非好感度を争う戦い」と言われた。選挙戦では政策論議はそっちのけ、お互い相手候補の中傷合戦に終始した。「国民としてはずかしい」という声が聞かれたほどだった。ユン氏は、1年前まで検事総長を務めていた検事一筋の人物で、政治経験が全くない。それでもユン氏に投票したのは、ひとえにムン・ジェイン政権の無能さにある。理念に固執し、どんなに悪化しようがほったらかし。ユン氏の得票は、無為無策のムン・ジェイン政権に対する批判票だったといえる。今回、革新系から保守系大統領に変わるとはいうものの、世論は真っ二つ。しかも韓国国会は、革新系が6割を占める“ねじれ国会”である。間違いなく前途多難な船出である。 韓国内政をみるとかなり深刻である。韓国はこれまで財閥企業で経済を回復させてきた。その弊害として、学歴至上主義が過熱、大学受験に必死になっている様子は、我々も目にしてきた。財閥企業に就職しても、内部の不公平さや仕事の在り方などから、半数は退職していくという。中傷企業は育たず、非正規雇用は増え、賃金格差が広がっている。ある女性のこんな言葉が印象的である。『今の韓国社会は、子どもに経験させたいと思えるような社会ではない』。不動産の高騰や高い教育費など、家計を圧迫する。「合計特殊出生率」が2021年は“0.81”で6年連続前年割れだという。OECD加盟国の平均が“1.61”というから韓国の少子化は深刻である。今回の選挙公約でも、一応、対策を掲げていたが、根本的な解決にはならない目先のものだった。 さて2月に政府は「佐渡島の金山」を世界文化遺産に推薦した。早速、韓国はこれに反応し、無理やり戦時中の強制労働に結び付けた。だが高市政調会長はこう発言している。『佐渡島の金山は、江戸時代独自に発展した産業遺産であり、戦時中とは全く関係ない』。確かに江戸時代、世界最大の金の産出を誇り、その時代においては技術力も高く、歴史的にみて世界遺産に相応しいものである。韓国の言う強制労働だが、テレビでこんな説明をしていた。『ILO条約においては、日韓併合下において、時の日本政府は、日本(朝鮮を含む)全部に対して徴用令を発布。それによって集められた労働者は、強制労働という定義に当てはまらない。日本人も韓国人も同じように徴用された』。日本はしっかり、この世界遺産登録にまい進してもらいたい。 |
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日本の城 | ||
先日、NHK総合テレビの番組「ブラタモリ」で、香川県高松市を訪れていた。いつものように、今日に至った地形の成り立ちなどを、図を交えて分かりやすく解説していた。そんな中、特に興味深かったのが「高松城」である。この城は、天下統一を目指す豊臣秀吉が、毛利や島津を見張るために高松市に築いた城だという。当時「月見櫓(着見櫓)」から瀬戸内海を行き来する船を見張らせていた。堀の水は鯛が泳ぐ海水という「海城(うみじろ)」ならではの風景が見られた。海へ出るための専用の門「水手御門」(国の重要文化財)もある。参勤交代の折り、この門から城主は出立したという。高松城の特徴は守りにある。天主閣を守る堀は、天守側から、内堀、中堀、外堀と三重の堀が厳重に取り囲む。東西1km、その広さは東京ドーム約14個分だったという。 三重の堀と言えば、あの難攻不落の「小田原城」がある。三重の堀の更に外側には全長9kmに及ぶ堀や土塁が築かれた「総構え」であった。小田原城を攻め落とすには、これを突破しなければならない。当時徳川、真田、前田、上杉といったそうそうたる武将たちが攻めあぐねた城である。小田原城の強さは、総構えにあるが、立地条件にもあった。城の周りは箱根山、相模湾、酒勾川に囲まれ万全の位置にあった。これらをクリアしたとても、総構えの防衛ラインを突破するのは容易ではなかった。「馬出門」「内冠木門」「銅門」「常盤木門」を突破しなければならない。その経路にはいくつもの「枡形」から十字砲火の攻撃を受け、「狭間」「石落し」なども待ち構える。この鉄壁の守りで武将たちは攻めきれなかったのである。しかしこの鉄壁の守りも、秀吉の「一夜城」によって開城に至った。 堅固な城と言えば世界遺産の「姫路城」がある。この城には難攻不落、最強の防御体制が敷かれていた。城入口の「菱の門」から、天主の入り口「水三門」に至るまで300m、全部で10余りの門を破らなければ到達できなかった。それぞれが高い石垣と土塀に囲まれ侵攻を許さない。この城の「狭間」は4850もあったという。鉄壁の守りはそれだけではない。「ろノ門」ではヘアピンカーブで、その先は狭くなっている。「にノ門」では間口が狭く高さも低く、天井が開いて上からヤリで突き刺す。「埋門」は、門を崩して通行不能とした。「ほノ門」は天主の真下だが、ここを進むと逆に天主から遠ざかっていく。「水一門」からはUターンや下り坂といった、錯覚を起こさせる心理的な仕掛けも講じられていた。この城の特徴は「ほノ門」「水一門」などに仕掛けられた人間の行動や心理を読んだ防御システムにあるように思う。 |
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この頁のトップへ(注)画像は「高松城」:2022年2月26日NHK総合テレビ「ブラタモリ」からのものです |
ぺんてる・シャープペンシル「SMASH」 | |||||
スマッシュ |
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プロ仕様を感じさせる精悍な印象のシャープペンシル。グリップ部分がラバーで握りやすく、「芯硬度表示窓」のアイデアがいい。早速いつも使っている替芯「B」を入れて、表示窓も変えた。インフリーといい、今回のSMASHといい、ぺんてるはデザインも優れている。 | |||||
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