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航空業界事情 日本国民は現実を直視せよ!!

[2021/09/18]
航空業界事情

上の画像は昨年(2020)8月、福岡空港国内線のリニューアルオープンを伝えるテレビ番組の模様である。是非行きたいと思ってはいるが、不特定多数が行き交う場所であり自制している。コロナ禍は「福岡国際空港」(FIAC)にも大きな影響を与えている。旅客数は71減少、それに伴う着陸料・施設使用料・免税店の売り上げの減少と容赦ない。資金繰りは悪化、経費節減だけではどうにもならない。20213月期連結決算は「債務超過」に陥った。民営化後2期連続の赤字である。国内線で建設予定だった複合商業施設の建設は大幅にずれ込むが、将来を見据えた投資は進めていくようだ。福岡空港としては、223月期は5割増の営業収益を目指し、旅客数は、コロナ禍前の6割の水準までの回復を見込んでいるという。コロナ禍が終息し、私も心おきなく福岡空港を楽しめる日が早く来ることを願うばかりである。

 

コロナ禍で航空関連は、どこも同じ状態だが、ANAホールディングスもまた巨額の赤字に陥っている。旅客数が激減し、飛行機は飛ばせないが整備費など巨額の固定費はかかる。赤字縮小のためANAは、保有する飛行機33機削減する。ところがコロナ禍、世界中の航空会社が、売却しようとしている。買い手と言えば部品会社くらいである。B777が買い叩かれ、解体され部品になる。断腸の思いだろうが、背に腹は代えられない。コロナ禍前、各航空会社は、中・小型機を指向していた。ところがANAは東京五輪もあり、A380の導入など、国際線拡大へ打って出たのである。その直後状況は一変し、市場は壊滅的な状況に陥った。しかし、嘆いてはいられない。アメリカの大手航空会社は、すでに回復基調である。とにかく構造改革を急ぎ、223月期は、黒字化を目指さなければならない。


これまでほとんど旅客機を飛ばすことだけに頼っていた航空会社にとって、構造改革は容易なことではない。ANAは国内線にシフトし、大型機を5割減らし、小型機を割増やして、運航費用を削減する。一方、このところ話題になっているのが「機内食」のネット通販である。すでに100万食を売り上げたという。ただ、この収益も限定的だろう。コロナ禍で好調なのが航空貨物である。航空貨物の輸出量は、前年同月比で64%増えたという。報道によるとANAは『海外の消費者や企業を相手にした日本企業のインターネット通販に参入。商品がメーカーから海外の注文客に届くまで配送をまとめて受け負う』。将来的には配送から販促まで一括して請け負うビジネスを世界各国で展開していくようだ。是非とも旅客と航空貨物、二本柱で223月期黒字化へ向ってほしい。


コロナ禍で血のにじむような経営を強いられている航空業界に、さらに追い打ちをかける問題がある。「脱炭素」である。これをおろそかにすれば、航空業界から排除されかねない深刻な問題である。ヨーロッパに「飛び恥」という言葉がある。CO2排出の元凶として、航空機を非難する言葉である。旅客機の輸送当たりのCO2排出量は、鉄道の約6倍だという。ANAは脱炭素に向け、2050年までに次世代の航空機燃料へ切り替え、CO2排出量実質ゼロを目標に掲げた。だが日本は今、持続可能な航空燃料(SAF)は開発中にあり、海外から調達するしかない。ところが今のジェット燃料の2〜4倍高いのだという。日本の次世代燃料の強みといえば「水素」である。CO2を排出しない燃料として期待されている。水素燃料は、航空業界を守るためにも、官民挙げて半導体と同様の取り組みが必要である。
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[2021/09/05]
日本国民は現実を直視せよ!!

中国共産党創建100周年にあたって、習近平国家主席は「世界一流の軍隊を実現し、国家主権と安全を守る」と演説。更に「国防と軍隊の現代化を加速刺しなければならない。強い国は軍が強くなければならず、軍が強ければ国も安定する」と、2049年に向けた「強国」建設を目標に掲げた。2025年には戦闘機の数などでアメリカを圧倒し、経済規模ではこの10年以内に米国を抜くとの予測もある。習近平“独裁政治”に向け、来年3期目の続投、更に毛沢東に並ぶ終身支配へと体制を固めている。台湾について演説では「台湾統一は党の歴史的任務。いかなる台湾独立のたくらみも粉砕する」と宣言。中国国内のアメリカ強硬論の盛り上がりに後へは引けない事情もあり、習主席としては、突き進むしかない状態にある。

 

91日、中国は海上交通安全法を改正し、海事局の権限を強化した。これまでは「港の安全の脅威」となる船舶が対象だったが、中国が領有権を主張する尖閣諸島周辺海域も対象となった。しかも装備の強化も進められているという。今年2月の海警法改正で武器使用が認められた第2の海軍・海警局との連携で、脅威は一段と増す。台湾侵攻を想定した強襲揚陸艦も3隻就役する。これまでは敵の防衛する海岸に強硬上陸していたが、この強襲揚陸艇は、海岸から見えない水平線の向こうから、ヘリで一気に敵の背後に部隊を送り込むという。全通甲板には6機が発着艦でき、格納庫にはヘリ30機が搭載できる。しかもF35Bの運用も想定される。習主席の掲げる「海洋強国」に向けた動きが活発である。

 

アメリカは8月末、予定通りアフガンを撤退した。ところが、これまで支援してきたアフガン政府軍はあっという間に崩壊した。アメリカはこれまで1兆ドル(110兆円)以上をアフガンに投じ、数千人の米兵が命を落としたという。「米国軍があと1年、5年、20年長く駐留したところで何も変わらない」と言ったのもうなずける。日本の「外交青書」に“国際社会のパワーバランスが大きく変化している”と書かれているように、アメリカの本音は、中国の台頭にある。中国軍は中距離弾道ミサイルを1000基配備し、ミサイル施設・発射装置を備えた地下格納庫・119か所も建設されているという。大陸間弾道ミサイルには核弾頭複数搭載可能で、米国本土も射程内である。ところが、アメリカは単独では対中圧力はかけられない状況にあり、バイデン大統領は同盟国を重視している。

 

さてその同盟国・日本であるが、相変わらず「憲法9条」「専守防衛」で、手足を縛られている。我々国民が犠牲になって初めて反撃できる。しかも、反撃だけである。つまり、敵基地攻撃などもっての外、敵は攻撃し放題、これでは始めから日本に勝ち目は無い。F15に搭載する対艦ミサイルは、価格の問題で見送りになりそうだ。射程距離900kmのミサイル導入は、自衛官の命を守り、南西諸島防衛の柱となるはずだった。現在はF-2に搭載の射程距離200kmのミサイルしか持っていない。これでは自衛隊員はかつての特攻隊員と同じである。そんな状況に置かれた自衛官だが、女性自衛官がこう言っていた。「何かあった時に自分の命をかけても日本を守る、その覚悟はしています」「最悪の事態を想定して、まだ子どもも小さいけれど、家族を置いてでも行かないといけないという覚悟はあります」。365日命をかけて日本を守る、自衛官や海上保安官に頭が下がる。日本国民は現実を直視せよ!!

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