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井上陽水「海へ来なさい」深読み Pentel 替芯・ブラウンLRN5-E
カメラ散歩 日米安全保障条約60年

[2020/01/24]
井上陽水「海へ来なさい」深読み
井上陽水さんがデビュー50周年を迎えた。そんな節目の年を迎えた昨年末、陽水さんの歌の歌詞を深読みし、その魅力に迫ろうというテレビ番組が放映された。深読みしたのは、文学や美術、音楽など、それぞれのジャンルを代表する人たちだった。彼らが歌詞に込められた深層心理を読み解くのである。そのなかの一つ『リバーサイドホテル』の深読みを紹介しよう。この歌は”二人が心中している歌ではないか””リバーサイドホテルは生と死の中間の場所で、傍を流れる川は三途の川である””死と性の中間まで行って世界を眺めている”というような解釈だった。なるほどそういう観点から改めて歌詞を読むと確かに納得がいく。

陽水さんの作品に「海へ来なさい」(1979年)という歌がある。この曲は陽水さんに息子さんが誕生したときつくった歌だという。つまり新しい命が誕生し、その命に父親としての願いを込めた歌である。この歌の歌詞は以前から、何となくではあるが、私なりの深読みがあった。いい機会であるからこの歌の歌詞に出てくるワードから深読みしてみたい。そのワードは「太陽」「」「」「」「」「」「」「星屑」「」「」「幸福」などである。これらのワードには、宇宙が誕生し、太陽や地球ができ、生物が誕生し進化し、命が受け継がれてきた壮大な歴史が表現されている。

我々の体は「星屑」で出来ている。ビッグバンで宇宙が誕生し、宇宙空間に漂うチリやガスが集まって、やがて原始惑星ができる。そんな星の中心では水素が核融合反応を起こし、次々と原子が作られていく。我々の体を構成するのは、大気や海や岩などに由来する原子である。炭素、水素、酸素、窒素を主体とした20種類ほどの原子が集まり、この奇跡的な高等動物を生み出したのだ。つまり、人間を始め地球上の生物は、まぎれもなく「星屑」で出来ている。

約38億年前、地球に最初の生命バクテリアの一種が「」で誕生する。25億年前には核はないものの、膜で覆われた原核生物が生まれる。生命の条件の一つは、内部と外部を区別する機能である。つまり「膜」による外界との区別、体表面をつくる組織「」である。その後、細胞の中に核をもった真核生物が誕生する。そしてエディアカラ生物群を経て、5億4千万年前にカンブリア大爆発を迎える。背骨を持つ生き物を始め、さまざまな生物が躍動を始める。

年代は前後するが、「太陽」のエネルギーを受け、光合成ができるシアノバクテリアが酸素を放出する。これが地球環境を激変させる。それまで生物に有害な強い放射線が降り注いでいた地球にオゾン層ができ、生き物にやさしい地球になる。海で爆発的に発生した生き物たちの一部は、両生類として陸へ進出した。「」のヒレは、「手()」と「」へと進化し、光を感知する光合成の遺伝子は「目()」へと進化し生存競争を生き抜いていく。そしてついに2億年前に哺乳類の登場である。

400万年前、いよいよ人類が登場する。二足歩行へと進化し、巨大な脳を手に入れた人類は、歩行から解放された「手()」で道具を作り、火を扱うようになる。集団をつくり協力し合う社会が形成され、言語によってコミュニケーションを取るようになる。高い視力は、相手の微妙な表情を読み取る繊細な能力を身につける。人類に芽生えた繊細な「」は、死者を悼み「」を流したことであろう。さらに巨大な脳は、想像力を生み、イメージを形にする芸術や文化を発展させ、現代社会を登場させた。

こうして陽水さんの「海へ来なさい」の歌詞で、宇宙誕生から現代までを辿った。我々の体はまぎれもなく「星屑」で作られ、「」でその命が育まれてきた。その歴史を「海へ来なさい」の歌詞にみることができる。生命のもう一つの条件である「自己複製」により、陽水さんが得た新しい命は、この壮大な歴史を受け継いできた。すべての親が等しく願うのは新しい命の「幸福」である。
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[2020/01/23]
Pentel 替芯・ブラウンLRN5-E
Pentel 替芯・ブラウンLRN5-E

文房具店を覗いたら、ぺんてる・エナージェルのブラウン色を見つけた。これまで持っていなかった色なので買ってみた。試し書きをしてみると、なかなかいい感じである。そこでTradio軸に入れてみると、これが実にぴったりの感じ。ちょっと楽しみながら書けそうだ。

ぺんてるといえば、去年コクヨからの敵対的買収で話題になった。コクヨは海外の売上比率が1割に対し、ぺんてるは6割と海外に強い。そこでコクヨは海外事業強化のためぺんてるとの提携に動いた。ところがコクヨがぺんてるの子会社化を発表して様相は一変する。

ぺんてる側としては、経営の独立性に危機感を持ったのである。業界1のコクヨに呑みこまれる。そこに援軍が現れる。業界2のPLUSである。ぺんてるとPLUSは、コクヨの株式の50%超えを阻止すべく共同戦線を張る。コクヨはこれに対し、買い付け価格を引き揚げ、株主の懐柔で対抗しようとした。

ところがぺんてるは、非上場会社で株式市場での買い付けができない。コクヨとしては、株主個々に交渉することになるが、株主名簿を持っていない。ぺんてるの株主の多くは、ぺんてるのOBや取引先、創業家だという。つまり株主たちは、これまで育ててくれた会社、利益を受けた会社という思い入れがあったに違いない。

結局、去年12月半ば、ぺんてるとPLUSの株式が50%を超えたと発表。ぺんてるは、コクヨとの協議を打ち切った。ぺんてるの株主たちは、単純に価格の高いコクヨに売れば儲かったが、しかしである“少しばかりのカネで魂は売らない”という心境だったに違いない。武士道精神といえるのかもしれない。今後、ぺんてるは、PLUSと株主たちのこの心意気に応えるべくまい進しなければならない。
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[2020/01/20]
カメラ散歩
天気の良い暖かい日、カメラを持って、ぽってりぽってり。
健康のためのカメラ散歩。こんなのが撮れました。
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[2020/01/19]
日米安全保障条約60年
日米安全保障条約が結ばれて60年になる。日米共同声明では「日米同盟はかつてないほど強固で幅広く不可欠なものとなっている」とし、「今後も日米同盟を強化するとのゆるぎないコミットメントを改めて表明する」との方針が示された。日米同盟は日本の外交・安保の基軸であり、またアジア・太平洋地域における平和と安定に不可欠な同盟である。日米同盟は、あの悪夢のような民主党政権時代、何の根拠もなく「トラスト・ミー」などと言ってアメリカの不信を招き、揺らいだことがあったが、安倍政権によって、今、かつてないほど良好な同盟関係が築かれている。軍事・経済両面で台頭する中国、弾道ミサイルの開発を続ける北朝鮮など、緊張状態にある東アジア情勢が、さらに日米同盟は重要な存在となっている。

中国は今や、軍事大国として米国と覇権を争うまでになってきた。報道によれば『自衛隊単独では中国に負けるのは確実。在日米軍が加わっても困難。米本土からの援軍で形成逆転』というのが関係者の見方だという。中国は勝手に尖閣諸島は中国の領土だと言っている。中国に国際ルールの意識など無く、自分の領土だと言ったら自分の領土とする傍若無人の国である。北朝鮮は、弾道ミサイルの開発を続け、すでに中・短距離ミサイルに核弾頭を搭載する術を確立しているという。中国も北朝鮮も膨大な量のミサイルをすでに配備している。有事になればこれで飽和攻撃を仕掛けてくる。この攻撃から我々国民の命を守るには、敵基地攻撃で対応するしかないが、左翼は憲法に違反するなどと言って、我々の命を守ろうとしない。

トランプ大統領は、日米安保の片務性に言及している。条約では第5条で米国の日本防衛義務を、第6条で米軍基地の提供を定めている。これまでは日本は、それでバランス取れているとしてきたが、米国には根強い不満がある。つまり「米国の若者の命」と、「基地の提供」ではバランスしないと言っているのだ。自衛隊だけでは守り切れない状況において、何としても日米同盟が米国にとって価値あるものでなければならない。そういうことからも安倍政権において、安全保障関連法を成立させ、「存立危機事態」という限定的な条件下ではあるが、集団的自衛権の行使が可能になったことは一歩前進である。さらにF-35戦闘機など最新鋭兵器の導入によって、有事にあって米国と同じシステムで戦う態勢を構築すれば、第一列島線死守に効果を発揮する。

いまや従来とは全く違う新しい分野の戦いが加わっている。宇宙・サイバー・電磁波といった分野である。ロシアがクリミア半島を侵略したとき、ウクライナ軍は、何が起きたのかわからないまま、あっという間に侵略されてしまった。これが新しい戦争の形であることを我々に強く認識させた。今年度、航空自衛隊は「航空宇宙隊」と改称し、宇宙空間も防衛領域とした。サイバー攻撃に対する能力強化のため、陸海空自衛隊の共同部隊として「サイバー防衛隊」も発足させた。サイバー防衛隊は最終的に2000人規模にするようだ。しかし、中国は約3万人、北朝鮮は約7千人と圧倒的に上回っている。この分野のおいても日米同盟による防衛協力は不可欠である。

以前、宮本雄二氏がこんなことを言っていた。『孫子に「兵とは詭道(きどう)なり」という言葉がある。安全保障の世界では、相手をだますことも許される。だまされる方が悪いのだ。徹底した性悪説の世界であり、軍事力には軍事力で対抗するしかないということになる。すべての国の安全保障の責任者は、ほぼ例外なくこの安全保障の論理を信じて行動している。こちらがいくら善意で臨んでも相手が応じてくれる保証はない。それが現実世界の突きつける要求だ』。日米同盟は、日本の領土はもちろん、アジア太平洋地域の安全と平和を維持に貢献している。だが我々は自衛隊が単独で守れる軍事力ではない状況を踏まえる必要がある。日米安全保障条約60年の節目を迎え、さらなる日米同盟強化に努め、抑止力を高めていかなければならない。
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