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新たな防衛大綱の策定 ルパンの世界
さわやか自然百景〜命をつなぐ 中国が目指す強大な軍事力国家

[2018/07/30]
新たな防衛大綱の策定
18年末に新たな「防衛大綱」が策定される。これは10年先を見越した防衛力の基本方針となる。この防衛大綱に基づき5年ごとに「中期防」も策定される。次の大綱策定に先立ち『次世代に通用する積極的な防衛体制の実現』という基本方針が提言された。陸海空のみならず宇宙、サイバー、電磁等の領域も活用した多次元的な防衛力を整備・統合運用するという。防衛力の整備は、周辺国の脅威とのバランスである。急速に進む中国の軍事力の近代化を見れば、日本の安全保障環境は非常に厳しいと判断せざるを得ない。

日本の領海には、中国の武装した大型艦艇が自由に侵入を繰り返している。警備に当たる海上保安官は、もはや極限状態にある。海自と空自は、地上施設の警備を陸自へ移管し、人員を艦艇や航空機の運用に配備する。そこまで状況はひっ迫している。以前、私は緊迫した尖閣諸島周辺の状況についてこう書いた。 『防衛省は沖縄にある空自の南西航空混成団を「方面隊」に格上、所属するF15戦闘機が約40機に増強された。また与那国島に監視部隊を配備したのに続き、宮古島にもミサイル部隊配備の計画である。水陸機動団発足と合わせ、これが現在の尖閣諸島を取り巻く緊迫した状況である』。これらに加え『地上から艦艇に対処できる「地対艦誘導弾(SSM)」の新たな部隊を沖縄本島に配備』する方針である。

こんな状況にありながら沖縄県知事は、前知事が承認した辺野古沿岸部埋め立て承認の撤回を表明した。その会見の中で「朝鮮半島の非核化と緊張緩和への努力が続けられている」とし、新基地建設は見直すべきだという。しかし朝鮮半島の非核化はいまだ1ミリも動いていない。アメリカは相当いらついている。突然米朝首脳会談が行われたように、ある時一瞬にして軍事オプションの再開があってもおかしくない。そんな半島情勢と、緊迫した尖閣諸島の中で、11月の知事選の道具として、辺野古撤回を打ち出した現沖縄県知事のバカっぷりは如何なものか。辺野古移設は普天間の危険性の回避と東アジアにおける米軍の抑止力の維持が目的である。

バカな沖縄県知事もさることながら、国会における立憲民主党をはじめとする左翼野党の在り方も如何なものか。日本の主権が危機にさらされているというのに、この2年ただただ政権の足を引っ張ることに専念し、政権のイメージを貶めることに全力を注いでいた。何かと言えば不信任案を出す。あるいは審議拒否をして国会をマヒさせる。こんなやり方で左翼野党へのイメージが上がるとでも思っているのか。国民から信頼されるとでも思っているのか。国民もバカにされたものだ。こんな議員どもに、私の年金から引かれた税金が使われているかと思うと、はらわたが煮えくりかえる。
追伸:2018/08/03 北朝鮮・ICBM開発継続か
ワシントンポスト紙が伝えたところによると、北朝鮮が液体燃料のICBMの開発を続けている形跡があるという。その中には全米を射程に入れる「火星15」が含まれている。ポンペオ国務長官は「北朝鮮が核物質生産を継続している」と指摘、秘密のウラン濃縮施設もあるようだ。先日、ミサイル発射場を解体したが、これは古い施設の解体で、新しい燃料貯蔵施設は手つかずだという。朝鮮戦争終結宣言は、在韓米軍を追いだそうとする前ふりである。
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[2018/07/21]
ルパンの世界
ジャック・ドゥルワール著「ルパンの世界」(大友徳明訳・水声社)では、ルパン・シリーズ全般を、様々なアイテムやシチュエーションにわたって詳細に分析・解説している。その解説にはルパンのみならず、作者であるモーリス・ルブラン、あるいは時代背景なども書かれており、文字通り"ルパンの世界"を浮き彫りにする。巻末には「ルパンの足跡」として、ルパンの年齢を追った出来事、「ルパン譚二百字レジュメ」として、各小説のあらすじが書かれている。

ルパンといえばシルクハットのイメージがある。ルパンの時代では、帽子を被らずに上流社会の男性や女性に会うことなど考えられなかったという。なかでもシルクハットはこの時代断然もてはやされた。「水晶の栓」のルパンは、医者のヴェルヌに変身するときシルクハットを被っている。一方作者のルブランは、つば広の帽子を愛用していた。「怪盗紳士ルパン」の初版に載っていた写真は、ルブランが被っているのと同じだったという。

ルパンの生き方についても書かれている。ルパンは「813」の中で言う。「人生が単調だなんて言い張るやつは、どこのどいつだ?」。その並はずれたルパンの生き方はこうだ。「八点鐘」の中でルパンがオルタンスに言う。「人生は冒険のときしか生きるに値しない」。ルパンにとっての冒険は"人生の最高の瞬間、生活にもっぱら価値と値打ちを与えてくれる瞬間"なのである。ルブランは、ルパンが目の前の危険を歓迎していると書いている。

ルブランは自転車を愛好していたが、自動車も熱烈なファンだったようだ。車で最初にドライブした時の歓喜をこう書いている。
『樹木も草原も畑も家々も道路もなく、あるのはただ上と下の空間。一方の脇も無限に続く空間だけだ。突然わたしの感覚がすべて混ざり合い、ただ一つになる。壮大で複雑な感覚が私の心の中に流れ込み・・・・すべてが光り輝き・・・すべてが快い響きをもつ世界の完全な美・・・・』
なんとも素晴らしい。その時のルブランにとって、恐らくワームホールを抜け、時空を超えるほどの体験だったに違いない。私もそんな感動をもって車に乗りたいものだ。

ルブランは、ルパン・シリーズの大成功で印税を恵まれた人生を歩いた。そもそも幼少の時代からルブランの家は豊かだったようだ。「ルパンの世界」の中で「ベル・エポック」という言葉がよく出てくる。これは19世紀末から第一次世界大戦勃発(1914年)までを「良き時代」と表現したものらしい。コナン・ドイルのシャーロック・ホームズもまた同じ時代である。絵画界でいえばモネやルノワールの印象派の時代からブラックやピカソのキュビスムの時代である。確かにヨーロッパの文化が大いに花開いた時代である。まさに「ベル・エポックの申し子ルパン」である。
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[2018/07/15]
さわやか自然百景〜命をつなぐ
NHKの自然をテーマにした「さわやか日本百景」というテレビ番組がある。15分の短い番組だが、いつも11〜12%くらいの高視聴率をとっている。先日「兵庫県〜猫崎の海」と「尾瀬ヶ原」が放映された。見慣れた景色や、美しい景色の中で、植物や小動物たちの戦いが繰り広げられている。食物連鎖を生き抜き、種(しゅ)を次の世代へ繋(つな)ぐ為の知恵と力の戦いである。

「ワタスゲ」は花が終わった後、タネを付けた白い穂をつける。これはタネを風で飛ばす戦略だが、より遠くに飛ばすために、他の植物より高い位置に穂を出すという。「ニッコウキスゲ」は一つの株にいくつものつぼみを付ける。一つの花が朝咲いて夕方閉じ、次の朝は次のつぼみが咲く。確実に受粉させる戦略である。一方、海では「アマモ」が白く小さな花から細い糸状の花粉を出している。潮の流れに乗せて他のアマモに受粉させる戦略だ。

「サクラダンゴウオ」は、体長が1センチにも満たない小さな魚である。同じ赤い色の海藻の上に吸盤で貼りついて肉食魚から身を守っている。「オクヨウジ」という魚もまた群生する「アマモ」の葉っぱにそっくりの擬態で身を守っている。以前私は、細胞レベルで見れば、人間と小動物や植物に優劣は無いと書いた。擬態は恐らく分子レベルの技である。彼らの細胞は確かに、取り巻く環境を五感をもって把握し、生き残りの戦略を立てている。

「ヘイケボタル」は成虫になって1週間ほどしか生きられないという。その短い間に必死に次世代へ命を繋ぐのである。文化を持った人間は、自分の視点で物事を判断しようとするが、生命の基本が種を保存することであれば、より強い子孫に後世を託し、死んでいくのが自然の摂理である。人間は食物連鎖の頂点に立ったが故に、「種」の保存から「個」の保存になり、子孫を残す相手に、"強さ"より"優しさ"を求めるようになった。

猫崎の海も尾瀬ケ原も、ほんの数キロ四方の限られた地であるが、その中で見事に生態系が維持されている。生命を育む条件が整い、あるいはその環境に適応しえた生物たちが集う豊かな世界である。生物たちは生き抜くための知恵を駆使し、戦い、自分の世代の役割を全うしようと必死に生きている。美しい景色、見慣れた景色の中でこんなにもすばらしい世界が広がっている。「さわやか自然百景」は、そんな感動を与えてくれる。
この頁のトップへ 画像は7/7、7/14の番組より

[2018/07/08]
中国が目指す強大な軍事力国家
先日、中国軍の内部教材が明らかになった。これは「習近平強軍思想」を軍内で徹底させるため中央軍事委員会が作ったものである。この中にこんな記述がある。「戦争を抑止し、戦争に勝ち、国家利益拡張を全方位で守る・・・」。「孫子の兵法」には「敵の10倍の兵力があれば話し合いで決着がつく。敵を圧倒する兵力があれば戦争しなくても相手は屈服する」とある。強固な習体制と強大な軍事力を後ろ盾として、戦争をせず相手を屈服させる。まさに今の中国が目指すところである。

南シナ海をみれば、尖閣諸島の危機は必ず現実のものとなる。国際仲裁裁判所の裁定など紙切れと言った中国である。岩礁を埋め立て、ミサイルを配備し、軍艦が入港できる港湾を造り、戦略爆撃機などの軍用機が離発着できる3000mの滑走路を造るなど着々と軍事拠点化を進めている。それを見ながらASEAN諸国は報復が怖くて手も足もでない。一方、尖閣諸島には、機構改革により軍と一体化した海警が、武装した大型艦艇で尖閣諸島の日本の領海をわがもの顔に侵入を繰り返している。Xデーは近いかもしれない。

今回明らかになった中国軍内部の教材によれば、これまでの国土防衛型から外向型へ転換し、外に向かって拡張する方針である。その目標は、第2列島線内とインド洋の覇権を握ることだ。そのためにも南シナ海の軍事拠点化と、尖閣諸島の東シナ海の侵略による第1列島線の確保は必須条件なのである。最終的には軍事力で米国を追い抜くことを目標にしている。国際的な法の秩序など無視し、俺がルールだと言わんばかりの傍若無人の中国が、経済力と軍事力をバックに人権無視で支配する世界は、考えただけでも恐ろしい。憲法9条さえあれば平和などと言っている日本国民の危機意識の無さはどうしたものか。
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