はやぶさ2
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小惑星に到着
平成26年12月3日 13時22分04秒、「はやぶさ2」が、6年、52億キロの旅に出た。打ち上げのライブ中継を見たが、轟音とともに一直線に宇宙に飛び立つ姿は、いつもながら感動する。当初11月30日に予定されていた打ち上げが、天候状態が悪く何度も延期され、気をもんだ。打ち上げ後も、大丈夫とは思いながらも、「はやぶさ2・正常に分離」の発表まではどきどきする。今回の打ち上げ期間は、11/30〜12/09までと非常に限られた範囲で、しかも延期されるごとに秒単位の設定がされていた。これはスイングバイという高度な技術で、地球の軌道から1999JU3の軌道に乗せるタイミングの関係である。初代「はやぶさ」によって確立された日本が世界に誇る技術のひとつである。1999JU3の軌道に乗った「はやぶさ2」は、1999JU3を追いかけ、2018年に追い付く。そこで1年半かけて、課せられたミッションを遂行し、2020年の東京オリンピックが終わった頃に帰ってくる。何事もなくミッションを遂行し、大きな成果を携え、何事もなく帰還することを祈りたい。

我々に大きな感動を与えてくれた初代「はやぶさ」は記憶に新しい。その後継機が今回の「はやぶさ2」である。初代「はやぶさ」は、多くの困難に見舞われたが、それをチームが見事に克服したことで感動を呼んだ。その貴重な経験を踏まえ、今回様々な技術的改善が行われている。一例をあげれば、まずアンテナである。パラボラアンテナ1基だった初代「はやぶさ」は、一時通信が途絶え行方不明になった。今回はどの方向からでも受信できる平面型アンテナ2基を搭載している。そのうちの1基は通信速度が4倍にレベルアップし、通信量も増えているという。初代「はやぶさ」は、世界ではじめてイオンエンジンをメインエンジンにして航行した。「はやぶさ2」も、推進力を25%増強した改良型のイオンエンジンを搭載している。すなわち「はやぶさ2」は、初代「はやぶさ」の完成形なのである。この技術は将来に向け、日本だけでなく世界の探査技術の基盤となる。
表面物質を採取


弾丸発射・機は退避
我が国を取り巻く安全保障環境は急変している。特に中国の台頭は目覚ましい。人工衛星を破壊させる技術をもつなど、中国にとって宇宙開発は軍事利用そのものである。「制宙権」を宇宙空間に設定しようなどと言い始めている。宇宙を含む安全保障環境の変化に応じた政策の推進は急務である。こういった周辺国の状況を見据え、政府は宇宙基本計画の見直しに着手している。そこで予算を一元管理する「宇宙庁」の創設が検討されている。「安全保障」や「科学技術開発」はもちろん「産業振興」まで含め、効率的な運用を目指す。しかし、その予算は限られている。中でも国際宇宙ステーション(ISS)に使われている予算400億円は大きい。ISSの活動も一応の目的は達成したと思われる今、予算の使い方も考えなおす時期に来ている。中国は無人探査機の月面着陸を成功させ、アメリカは次世代宇宙船「オリオン」で火星をめざす。欧州は世界初の彗星着陸を成功させている。世界の宇宙開発はすでに地球重力圏外である。

今回「はやぶさ2」の最大の目的は、水や有機物が含まれていると思われるサンプルを持ち帰ることにある。1999JU3はC型(Carbon)小惑星で炭素でできている。地球に存在する生命体に炭素は不可欠である。人体にも炭素を含んだ物質が35%もあるという。1999JU3には、太陽系が形成されたころの宇宙空間に存在した有機物や水が、変質することなく存在していると考えられている。地球の生命はどうやって誕生したのか。諸説あるが、その中でも有力な説のひとつが、原始地球に有機物を含んだ小惑星などが降り注いだとする説である。地球が誕生してわずか数億年で生命体が発生したとは考えにくいというのがその根拠である。もし1999JU3の有機物が分析できれば、その根拠の裏付けとなり、生命誕生の謎を解き明かせるかもしれない。映画「インターステラー」でマーフが「未知を認めるのも科学よ」と言う。科学の前には常に新しい未知が立ちふさがる。未知を認識し、その一つひとつを徐々に解き明かしていく。そこにはわくわくするような夢があり、初代「はやぶさ」がくれたような感動がある。
クレーターの物質を採取

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2015/12/10 「はやぶさ2」と「あかつき」・・・軌道投入に成功
探査機「はやぶさ2」は、12月3日地球スイングバイを実施。小惑星「Ryugu」へ向かう軌道に入った。 データでは機能は正常に働いているという。ただ「太陽フレア」など、機器への影響も懸念され今後も緊張は続く。

金星探査機「あかつき」は、12月7日金星軌道投入のために減速し、金星軌道投入に成功した。主エンジンが使えないため、姿勢制御用のエンジンを使い逆噴射。 これで日本初の惑星探査が実現する。

2015/11/25 「はやぶさ2」と「あかつき」
小惑星「Ryugu」へ向かっている探査機「はやぶさ2」は、2015年12月3日地球スイングバイを実施する。これで加速されると同時に、小惑星「Ryugu」の軌道の傾きになる。

金星探査機「あかつき」は2010年、金星軌道投入のための減速時、メインエンジンが破損し投入に失敗した。その後、再投入に向け軌道修正、太陽の高熱を浴びながらも、再投入のタイミングを待っていた。今年7月には、軌道修正も無事終わり、いよいよ2015年12月7日再投入される。

「はやぶさ2」の地球スイングバイ、「あかつき」の金星軌道再投入の成功を祈っている。

2015/10/06 はやぶさ2が目指す小惑星は「Ryugu(竜宮)」
JAXAは「はやぶさ2」が目指す小惑星1999JU3の正式名称を「Ryugu(竜宮)」に決定した。はやぶさ2が小惑星から持ち帰るサンプルの入ったカプセルを、竜宮城から持ち帰った玉手箱のイメージに重ねたという。

(注)画像はJAXAのHPより


NASAの小惑星探査機「オシリス・レックス」に名前を登録していると、定期的にメールが送られてくる。
[*****(name)] your name is going to space!
The Planetary Society [connect@planetary.org]
Thanks for signing up to send your name to asteroid Bennu. NASA's OSIRIS-REx mission will be the first U.S. mission to return samples from an asteroid to Earth, and you'll be there! Well, not you per se, but your name.
Traveling is better with company, so tell your friends! Tell your family! All they need to do is visit planetary.org/bennu and fill in their information.
If that doesn't convince you, perhaps this will help:
Hurry, while supplies last! Don't let your friends and family miss this opportunity to travel in space!
The Planetary Society
(一部抜粋)

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