天神アートマップ 随筆のページへ

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File No.140105

天神界隈に64点もの芸術作品があるという。「天神アートマップ〜街は美術館」は、西鉄天神駅から歩いて15分圏内にある芸術作品を紹介したものである。「ギャラリー風」(新天町北通り)が2013年11月に作成したものである。これを片手に一日ゆっくり歩き廻った。疲れたら喫茶店でコーヒーを飲みながら、次のコースを検討する。「えッ、こんなところに!」と、新しい発見は実にうれしいものである。すでに知っていた作品も、作品のタイトルや、作家名が分かると、これまでとはまた違った鑑賞ができる。

(←「Star Gate」菊竹清文)
(「情報彫刻」菊竹清文→)
NASAが1977年に打ち上げた無人探査機ボイジャーが、ついに太陽圏を離れた。人類が作ったものが、永遠に宇宙空間を飛び続けることになる。ボイジャーには、人類の存在を示す情報が積まれている。いつの日か知的生命体が、この情報で我々の存在を知る日が来るかもしれない。もう一つボイジャーは太陽圏を離れる前に、地球の姿を写して送ってきた。「太陽系家族写真」と呼ばれるものである。この写真を見ると、改めてわが地球も「星の数ほど・・・」と表現されるその小さな星のひとつであることを自覚させられる。

(←「恋人たち」オシップ・ザッキン)
(「大きな一歩」松永真→)
生命は発生した当初から、過酷な環境に適応しながら永々と維持されてきた。その強い生命力を維持してきた根本は「恋人たち」に象徴されよう。
人類は数百万年前、安住の地であった森の木の上を離れ、つたない二足歩行で、あえて危険の待ち受けるサバンナに「大きな一歩」を踏み出した。それは何故か?人類の祖先はきっと目の前に広がる草原の向こうに「希望」を感じたからに違いない。

(←「エレベーション」ジョルジュ・シャンパンティエ)
(「春を奏でる」中村晋也→)
植物の葉一枚にしても、それは生き抜くための合理的なデザインである。人間もまた、美しいデザインを勝ち取った。人間はその姿を芸術にまで昇華したのである。芸術は、人間の主観が生み出す美的感覚である。天神には、こんなにも多くのアートがあふれている。アートや音楽やバレー、それを楽しむことは、人間であることの証でもある。街を歩きながら改めて感じたことは、街を構成する全てがデザインであり、作品であるということだった。




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