日米首脳会談 随筆のページへ

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File No.130223

安倍首相は、今朝(2月23日未明)オバマ大統領と会談し、会談終了後、記者会見に臨んだ。首相は訪米前「日米同盟の絆が戻ったと、この首脳会談で強く内外に示す」と言ってアメリカへ発った。会見内容はまさにその通りの成果であったと思われる。会見での内容はこうだった。「大統領とは、同盟強化の方向性について、率直に議論し、意見の一致をみました。この3年間で著しく損なわれた、日米の絆と信頼を取り戻し、緊密な日米同盟が完全に復活した。自身をもって宣言したいと思います」。今回の首脳会談の目的は、TPPや緊迫を増す周辺諸国との関係など種々あった。しかし、最大の目的はやはり安倍首相とオバマ大統領の信頼関係を築くことである。それが日米同盟を強くする基礎となり、ひいては東アジア安定につながることになるからだ。会見で安倍首相は「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを踏まえ、日本は米国と共に責任を果たしていく決意」と述べた。

安全保障については「集団的自衛権」「防衛費の増額」「防衛大綱の見直し」など、同盟強化に向けた取り組みをオバマ大統領に説明し、日米間で幅広い防衛協力を進めていくことで一致した。同盟強化において「集団的自衛権」は必須である。先日、安倍首相は、集団的自衛権行使に向け、有識者会議を開いた。以前、集団的自衛権行使の4類型が検討されたが、今回は新しい脅威なども踏まえた検討のようである。4類型の中でも「公海における米艦の保護」「米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃」などは、同盟強化の点から特に重要である。中でも弾道ミサイル迎撃については、北朝鮮が射程1万キロのミサイル開発と核の小型化に成功したと思われる今、その重要性は飛躍的に高まったと言える。現在、日米共同で次世代型の弾道ミサイル迎撃用の"SM−3ブロック2A"が開発途上にあり、米軍の高性能レーダー"AN/TPY2"も二つ目の配備が検討されている。着々と進められる防衛力強化にしっかりとした根拠を与えなければならない。

「日米同盟を基礎に、アジア・太平洋地域が、力ではなく、法の支配に基づいたものになるよう、日米が協力していくことで大統領と意見の一致をいたしました」。これは北朝鮮も意識しているが、軍事力を背景に、海洋進出をする中国をけん制したものと思われる。尖閣諸島への領海侵犯は頻繁に行われ、最近では領空侵犯へとエスカレートしてきている。南沙、西沙での横暴も目に余る。先月末発生した中国海軍による、レーダー照射事件は、まかり間違えば大変なことになる許し難い挑発行為である。これを日本が発表すると最初は「われわれも報道で初めて知った」と言い、後に「日本のねつ造だ」と言っていた。中国はもはやコントロールが利かず軍部の暴走も懸念される状態ではないのか。安倍首相は就任後、海外への初の訪問先に、東南アジアを選んだ。それは中国との対話の扉を開け、冷静に話し合う用意と同時に、東アジア全体の協力関係を構築し、中国包囲網を固めるためである。

先日の衆院代表質問で、維新の会の中田議員が、憲法96条改正について質問した。その時安倍首相はこう答えた。「国会議員の3分の1ちょっと超える国会議員が反対すれば、指一本触れられないのはおかしい。まず憲法96条から変えていくべきというのは私の考え方」。中田議員はその後のテレビ出演で「従来、変わらないことを前提とした議論だった。しかし、変わるかもしれないという中で、日本の今日的な理念を書き込むのが憲法・・・」と言っていた。具体的には参議院選挙後になると思うが、憲法改正に向け、確かな足取りが感じられる。当面の課題として、集団的自衛権など4類型の基本法ということもあろうが、早急な「憲法改正」こそが望まれる。自衛隊を「国防軍」と位置づけ、日本が自分で自分を守る普通の国になる。それこそがが、"日米同盟強化"の最終着地点であり、真に“米国とともに責任を果たしていく”ことにもなる。


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2013/02/26 日米首脳会談要旨(日米同盟関係)
大統領: 日米同盟はアジア太平洋地域の安全保障に中心的な礎だ。
首相: 日米同盟の信頼、強い絆は完全に復活したと自信を持って宣言したい。
両首脳: 同盟強化で一致。
大統領: あなたの在任中、米国には(自分という)力強いパートナーがついている。
首相: 集団的自衛権行使容認に向けた議論を進めていると説明。
オバマ大統領の早期訪日要請。
日米両政府は、米軍の高性能レーダー"AN/TPY2"を、京都府京丹後市の航空自衛隊経ケ岬分屯基地に配備する方針。経ケ岬分屯基地は、日本海に面する丹後半島の北端にあり、北朝鮮までの間に障害物がほとんどないという。年内配備の方向で地元調整に着手する。