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衆院解散で来月16日の総選挙に向かって世の中慌ただしい。そんな中昨日(11/21)、自民党が政権公約を発表した。「強い日本をつくる」という安倍総裁らしさを強く印象付ける内容になっている。特に安全保障分野における政策は満足できる。その要旨は次の通り。
1、 日米同盟を強化し、国益を守る、主張する外交を展開
2、 外交安全保障の司令塔機能強化のため、首相官邸に「国家安全保障会議」を設置する
3、 集団的自衛権行使を可能とする「国家安全保障基本法」を制定
4、 自衛隊の人員、装備、予算を拡充する
憲法改正により自衛隊を国防軍と位置付ける
5、 米国の新防衛戦略と連動して自衛隊の役割を強化
6、 国際貢献を進めるため「国際平和協力一般法」を制定する
7、 領土・領海を守るため海上保安庁の人員、装備、予算を拡充する
8、 沖縄県・尖閣諸島の実効支配を強化
この公約の目指すところは、公約の中に謳う「歴史と伝統、美しい国土、素晴らしい国民性を再認識し、国民の力を総結集した国づくり」である。

一方、アメリカはすでに2期目のオバマ政権がスタートしている。ところが、いまアメリカ国内は「財政の崖」という大きな問題が立ちはだかっている。大型減税の期限が今年いっぱいで切れる。さらに、来年1月からは強制的な予算の削減が始まる。しかも、下院では共和党が多数派で、日本同様"ねじれ"状態にある。「増税」と「予算削減」という厳しい状況の中にあって、国防予算もまた例外ではない。オバマ大統領も頭が痛い。こんな状況から、アメリカの外交の基本は“国際協調路線”である。イラクやアフガニスタンが一段落し、アメリカは明確にアジア太平洋重視に舵を切っている。先日のASEANではオバマ大統領が「日米同盟は地域の繁栄と安全の基礎」だと言った。それは日本だけではなく、他の同盟国との関係も強化することで、軍事力を背景に台頭する中国の包囲網を築こうとしている。当然、安倍総裁の掲げる日米同盟の強化は東アジアの安定にも貢献する。

問題の中国であるが、先日新しく習近平体制がスタートした。テレビ番組の「ウェークアッププラス」では、習近平氏を、共産党史上"最の指導者"説もあると言っていた。強いリーダーシップや政治信念が見られないという。そんな"最の指導者"が激しい権力闘争に打ち勝って、なぜトップの座に座れたのか、我々素人には分からない。しかしそれはさて置き、弱い指導者が求心力を保つため、日本など諸外国に"強硬姿勢"に出るとの見方があるという。韓国の李明博大統領は、政権末期で何とか求心力を保とうと、無駄にナショナリズムをあおった。そんなことが就任早々の中国で懸念されるのだからたまらない。習総書記は「国の海洋権益は断固守る(強奪する?)」と鼻息が荒い。もともと中国は、国際的な常識など通用しない異常な国である。安倍総裁は、尖閣諸島に公務員を常駐させるとの考えを示している。我が国の主権はもちろん、重要なシーレーンである南シナ海を守るためにも万全を期さなければならない。

日本維新の会と太陽の党が合流した。石原氏が国会で、橋下氏が大阪で、大いに活躍できる。橋下氏は「政治とは政策を語ることではない。組織を動かして実行できるかどうかだ」と訴えている。石原氏も橋下氏も、組織にメスを入れ、財政赤字を黒字化した実績がある。「組織をぶっ壊す」には最強のコンビである。その日本維新の会が憲法改正を掲げている。今回の自民党の公約の中でも、最も期待しているのが「憲法改正」である。新しい憲法草案には(1)天皇は元首(2)国旗は日章旗、国歌は君が代(3)国防軍の保持(4)緊急事態条項を新設(5)憲法改正発議要件の緩和などが明記された。その中でもまず、(5)の憲法96条の改正である。自民党も単独過半数は無理だろうから、維新の会と連携してでも、とにかくこの改正からやってもらいたい。


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