長崎・浜の町 随筆のページへ

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File No.121001

先日、北川景子主演のテレビドラマ「みをつくし料理帖」が放映されていた。主人公・澪がつくる“とろとろ茶碗蒸し”が江戸で人気になる。このドラマは設定が文化9年ということだったから、明治維新の約半世紀前の話である。長崎に明治維新前夜の1866年に創業し、一子相伝で味を守り続けている老舗の店がある。「吉宗(よっそう)」である。150年近く守り続けているここの“茶碗蒸し”と“蒸し寿司”のセットが時たま食べたくなる。高速を走れば3時間足らずで行ける。本店は外観からして歴史を感じさせる。入ると下足札をパンッと景気よく叩いて迎えてくれる。以前は博多にも支店があったから、時々食べに行っていた。東京には新橋あたりに「銀座吉宗」があるらしい。
この日は休日だったので、通りでは色々なイベントが催されていた。その中の一つに長崎大学の学生さんの「蛇踊り」の演技があった。重さ40キロの蛇が、玉を追ってうねるように躍動する。「もってこ〜い、もってこ〜い」の掛け声で、何度もアンコールに応えて見せてくれた。手を伸ばせば届く近さで見る蛇踊り、間に見物の子供たちの体験蛇踊りも入り、楽しい時間だった。10月の8,9日には、お諏訪さんの迫力の蛇踊りがある。
休日のイベントで、ジャズの演奏もやっていた。キーボードの女性の演奏は、上原ひろみを彷彿とさせた。思わず「イエッ!」と声を掛けたくなるいい演奏だった。ということで、最近上原ひろみが新しいアルバム「MOVE」を出したのを思い出した。そこでアーケード街でCDショップを探したら、TUTAYAのBFに販売コーナーがあった。代金を払ったら、なんと立派なノートを頂いた。これには「さだまさし・40th・anniversary・since1973」と書かれている。さすがに長崎である。これはいい記念になった。大事に使いたい。
さてアルバム「MOVE」だが、全曲上原ひろみのオリジナルである。演奏はアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスとのトリオだ。9月5日発売になったばかりで、CDには別冊のブックレットが付いていた。朝起きて、夜休むまでの一日を表現している。朝目覚める“ココンッ、ココンッ”という印象的な演奏から始まる。これから上原ひろみの指が鍵盤で踊り、コントラバス・ギターとドラムスが心地よいリズムを刻む。一曲目の[MOVE]はもちろんいいが、5〜7曲目も気に入っている。押し寄せる波が、部屋中に広がったかと思うと、その波がスーッと引く静かな曲になる。そしてアルバムのなかでも一番気に入った「IN BETWEEN」が始まる。上原ひろみは、ライブ映像を見ると、完全に異次元で浮遊し陶酔している感がある。そんな映像をイメージしながら、音符の洪水に浸っている。
アーケード街には、大きな文具店「石丸文行堂」がある。長崎に来た時は必ず寄る。6Fイベントホールでは「ダイアリー展」をしていた。もうそんな時期である。去年買ったRaymayのリフィルを捜したがなかった。逆にknoxbrain(ノックスブレイン)のリフィルがあったのでこれを買った。買ったのは、いつものようにミニ6の見開き2週間である。「薄さと書き心地を追及したオリジナルペーパー」という紙質こだわったリフィルである。
こんな風に食・パフォーマンス・買い物を日見子と楽しんだ一日だった。
   
    
    
     
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