生命の在り方 | 随筆のページへ トップページへ File No.120401 |
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2012/04/03 セイタカアワダチソウ |
外来植物であるセイタカアワダチソウは、その繁殖力の強さと、周囲の植物を駆逐してしまうことから、要注意外来生物に指定されている。この強烈な生命力はまぎれもなく、種の保存のために獲得した能力である。地下では強力に根を張り、地上では膨大な量の種子をまき散らす。それに加えて、周囲の植物を成長させない化学物質を分泌し、その場所を制覇する。まさに“鬼に金棒”である。これで一気に生態系が壊されてしまう。 ところが最近、この最強のセイタカアワダチソウを駆除する方法が見つかったという。農業環境技術研究所(つくば市)で開発した方法は、塩化アルミニウムの粉末を撒いて土を酸性化するというもの。さしものセイタカアワダチソウも、酸性の土壌には勝てないらしい。逆にその土地では在来植物75種の生育が確認できたというからすばらしい。まだ実験段階で、ミミズや土壌微生物などへの影響も調べていくという。 新しく開発された駆除方法とは別に、セイタカアワダチソウが分泌した化学物質で、アワダチソウ自身が発芽できないという現象も起こっているらしい。他を排除する能力が強力であるが故に、自分の首も絞めているのである。言ってみれば、セイタカアワダチソウは、植物界におけるホモサピエンスである。 |