新幹線引退とLCC就航 随筆のページへ

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File No.120324

引退記念入場証

営業運転を終わり
車両基地への
回送列車として
入ってきた100系

100系最後の姿

3月16日、JRの春のダイヤ改正で新幹線の「100系」と「300系」が引退した。この日、ラストランの列車到着に先立ち、午前10時「引退記念入場証」が配布された。早朝、福岡空港で写真撮影をした後、配布時間に合わせて博多駅に行き、無事手に入れた。午後1時25分に300系が、午後2時15分に100系が到着する。ホームに入ってくるときの博多駅の発車標の表示は「回送」である。博多駅は終着駅であるから、本当の意味でのラストランだ。鉄道ファンでごった返したホームはすごかった。翌日の新聞を見ると、600人が集まったそうだ。どうせ写真を撮るなら、新幹線と一緒にこの状況も入れる方が雰囲気が出ていい。ちょっと早めに行ったので、いいポジションの確保は可能だったが、あえて後方からの写真を狙った。ある程度の写真が撮れたところで、本当に見納めのシーンを撮るべく最後尾に移動した。


博多駅3/16入場券

最後の300系

さようなら鉄仮面

春のダイヤ改正で引退する列車は多い。列車は、それぞれの人のある時期、あるいは節目に、その人の人生に寄り添うように登場する。新幹線に限らず、引退列車を見にきた人へのインタビューを聞くと、大抵人生のなつかしいシーンに、重ね合わせて感慨深げに話をする。それはその時去来していた思いが、列車の持つ心地よいリズムと時間に、心の奥深くまで沈殿していったのかもしれない。ラストランを見送った人それぞれが、遠ざかって行く後姿にそれぞれの思い出を重ねたことだろう。「N700系」の登場で、「100系」も「300系」も引退やむなしである。しかし、それぞれの時代に、それぞれが最新鋭として華々しく活躍した。「100系」は、2階建て車両に食堂車が設けられ、列車を楽しませてくれた。「300系」は、初代「のぞみ」として最高速度270kmというスピードを提供した。すべてが時代の要求に応えて登場し、時代の移り変わりとともに去っていく。



ANAモヒカンジェット(B767-300)
ダヴィンチのヘリマーク
全日空のロゴ が懐かしい


久しぶりに福岡空港へ写真撮影に行った。目当ては3月から就航しているLCC「peach」である。離着陸する飛行機を見ていると飽くことがない。そうするうちに遥か彼方に、かすかに見える機に気づいた。ひょっとしてあれは「モヒカンジェット」ではないか。単眼鏡で確認してみると、間違いなくそうである。私のデジカメの倍率では、いかんともしがたい距離である。Peachを撮ったら、展望室を出て、近くまで行くことにした。やがてpeachの撮影も終わり、ではモヒカンへと思ったら、KIXステッカーのスターフライヤーがpeachの隣に入ってくるではないか。これはラッキーとばかりにカメラに納め、ではモヒカンへと下に降りて行った。丁度ANAのスタッフらしき人がいたので聞いてみると、「丁度今、こっちに運んできているかもしれない」との話に再び展望室に駆け上がった。「来た、来た、来たっー」ということでスリーショットの写真が撮れた。



LCC・peach 3号機 (A320-200) KIX・スターフライヤー (A320-200)

今年は「LCC元年」と言われる。3月から就航している「ピーチ・アビエーション」に加え、この夏には「ジェットスター・ジャパン」「エアアジア・ジャパン」が就航する。オープンスカイ政策が、いよいよ身近になってきた。この国内線LCC参入で、競争を余儀なくされるのは、新幹線である。2011年度のJR九州は、全線開通、博多シティ開業効果もあって、震災の影響をカバーし、まずまずの実績を残した。2年目の2012年度も初年度並みの成績を維持できるとしている。しかし、運賃をみればLCCが強烈なライバルであることは自明である。Peachについて言えば、関空−福岡が最安値で3,780円である。とは言うものの、テレビのコメンテーターがうまいことを言っていた。「LCCは素うどんみたなもの。トッピングを増やすごとに料金が増えていく」。旅は料金だけではない。2年目に向け九州全体で知恵をしぼり、いかに豊かな旅を提供するか。新幹線とLCCの競合は、選択肢が増える九州としてはむしろ活性化につながる。

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BEST SHOT

ANA・モヒカンジェット (JA602A)
KIX・スターフライヤー (JA05MC)
LCC・peach (JA803P)


一枚の写真に3機種が入った
私のベストショット。