2012年がやってくる 随筆のページへ

トップページへ

File No.111230

私は以前「もはや地球を蘇らせるのは、人類の絶滅しかないのだろうか。人類は、縄文時代中期くらいで進化を止めておけばよかった」と書いたことがある。"縄文時代中期くらいで"と書いたのは、三内丸山遺跡のように、それまでの常識を覆す遺跡が発見されたからである。文明というのはことごとく、滅びていく運命にあるようだ。世界の四大文明も、数千年で滅びていった。しかし、三内丸山は例外としても、縄文時代は約1万年以上続いた。それは縄文人が"自然に寄り添って生きた"からである。生きていくために、必要なものを必要なだけいただく。それこそが、それぞれの生命を安定して存続させる為の掟である。それは即ち、大自然に対して、畏敬の念を持って生きるということでもある。人間には、そういう高度な心の動きが備わっている。それは人間が生き抜くための武器として勝ち取った能力の中のひとつであったはずだ。武器としての"知恵"を、生かすも殺すも、人間自身である。

先日、タモリさんが「笑っていいとも・増刊号」のCM中のトークでこんな話をしていた。〜真冬の京都の鴨川で、素足のまま何時間も染物を洗っている人がいた。京都大学の医学部の人が聞いてみると「慣れていますから」とその人は答えた。それを不思議に思い研究してみると、新しい毛細血管ができていて、寒さに慣れるように足が順応していた〜。すべての生物と同様、人間も種の保存のため、環境に適応しながら生存競争を勝ち抜いてきた。水泳で、選手をしているような人には、水かきができると聞いたことがある。進化とは、そういうことを言うのである。ホモサピエンスがアフリカを出発して以来、生き抜いてきた能力が、現代の我々にも脈々と受け継がれている。ところが近代の人類は、幸か不幸か地球を征服してしまった。それまで、環境に適応してきた人類が、逆に環境を人類に適応させようとして、"自然の摂理"を超えてしまったのである。

"自然の摂理"を超え、居心地がよくなった人類は、2ヶ月ほど前、世界の人口が70億人を超えた。このままでいくと2100年には100億人を超えるという。出生率の低い日本はすでに人口減少に向かっているが、開発途上国の増加が全体を押し上げている。世界人口が急激に増加し始めたのは、わずかこの200年ほどのことである。世界人口の推移をグラフで見ると、まさに爆発的と言える増加の状況がよく分かる。200年ほど前と言えば、産業革命で資本主義が発達し、科学的思想も発達していった時代である。人口増加の原因は、乳幼児の死亡率低下と、平均寿命が伸びたためだろう。インドは、あと10年もすれば14億人を超え、中国を抜くという。そういう人口急増の中、食糧の供給が追い付いていない。世界で9億の人が飢餓に直面しているという。日本の食糧自給率は39%である。食糧の大半を世界から輸入している。異常気象に襲われ、収穫が出来なければ、その国からの輸入は即ストップとなる。資源や食糧は武器にもなる。中国のレアアース輸出停止で、日本はおろか欧米諸国にも緊張感が走ったことを思い出すといい。日本はそういう危険な状況にある。

先日テレビで、外食産業の人気メニュー上位10位までを当てないと帰れない、というバラエティ番組を放映していた。とにかく当たるまで食べ続けるのである。タレントは、苦しみながらも、とにかく胃の中に詰め込んでいく。出演しているタレントに責任はないが、問題は視聴率が取れれば、何でもありのテレビ局側である。食糧の安全保障を真剣に考えるべきときに、涙目になりながら食いつづけるような番組は不適切だろう。こんな人間の“おごり”を見ていると本当にマヤが予言した「2012年」が真実味を帯びてくる。果たしてマヤの予言は、どういう事実を指しているのだろうか。人間が破壊した自然が、牙をむき襲いかかってくるのか。人口急増で食糧と水が不足し、飢餓に襲われた人類が滅亡の道をたどるのか。いづれにせよ2012年はやってくる。できれば「1999年7の月」のように「大山鳴動ネズミ一匹も出ず」で終わってくれることを願うばかりである。



随筆のページへ トップページへ


2012/05/11 マヤ暦・2012年は通過点だった
米ボストン大学などの研究チームが、グアテマラのマヤ遺跡から、マヤ文明最古の「天文カレンダー」を発見した。遺跡の壁画に記されていた、数を表す多数の象形文字を分析した結果、これまでの中で最も古い、約1200年前に作られた「天文カレンダー」であることが判明した。このカレンダーでは、これまで終わりとされていた2012年より先の、2013年以降の暦も定められていた。チームは、2012年はマヤ文明にとって世界最後の年ではなく、通過点だったと話している。


2012/01/25 明日にでも「氷河期」が来るかもしれない
去年暮れ内閣府は、東海・東南海・南海地震が起きる震源域を、それまでの約2倍に拡大し、地震の規模もマグニチュード9.0に引き上げた。このM9.0は、従来想定されていたM8.7と比較すると、エネルギーの大きさは約3倍に相当するという。 一方、首都圏直下型地震についても、東京大学地震研究所が新しい発生確率を発表した。その試算によると、従来の30年以内70%から、4年以内70%に引き上げられた。しかも30年以内の確率は98%だという。3.11によって、むしろ地震が起きやすくなったと警鐘を鳴らす。それは日本だけに留まらない。ロシアの非常事態相は、2012年自然現象の予測で「カムチャツカ、サハリン、千島列島など極東で地震活動が活発化するとの深刻な予測がある」と発表。それによると5〜8mの津波を伴う、M7.5を上回る地震が発生する危険性が高まったという。

地震の可能性も深刻だが、今日の「笑っていいとも」では、70億人が10億人まで減ってしまうだろうという地球的規模の深刻な予測をしていた。それによると10万年毎に訪れる氷河期が、明日来ておかしくない時期に来ているという。太陽の黒点の観測からもそれが言える。黒点は11年周期で増減を繰り返すが、示されたグラフを見ると、確かに2008年以降、それまでの周期リズムが崩れている。もし氷河期が来れば、地球の平均気温は7度下がり、地球の半分が凍ってしまうという。食物や水、エネルギーが不足し、人口は70億人から10億人まで減る。いま牛や豚の食糧にしているものを人間が食べることになる。もっとも魚には、期待が持てるというから、古代に帰って魚が主食になるかもしれない。いづれにしても、地震、氷河期のどちらがきてもおかしくない状況であり、あるいはダブルパンチに見舞われるかもしれない。本当に2012年に、地球はリセットされるかもしれない。