民主党内・大連立内閣 随筆のページへ

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File No.110907

新内閣の顔ぶれが決まり、世間の評価は、菅政権の反動もあってか支持率が高い。しかし、あの無茶苦茶な菅・鳩山政権ですらスタートの支持率は高かったのだから、あまり当てにはならない。今回の組閣は「党内融和」を最優先にしている。まず幹事長に輿石を据えたのを皮切りに、幹事長代理をはじめ、要職の多くに小沢Gr.を登用している。小沢Gr.から不満が聞こえてこないのは、自分たちの意見が通りやすいと見たからだろうか。しかし、そうなると「反小沢」でまとまった民主党代表選は一体何だったのか。民主党という政党は、元々政権を取るためだけに、寄り集まった集団であるから、考え方はバラバラで党の綱領すらない。「家庭内別居」状態の党を、「八方美人」の組閣で乗り切ろうとした訳だが、問題はこれからである。「八方美人」は得てして、「八方ふさがり」になる。野田新総理が、どれだけ党内を強力なリーダーシップでまとめ上げ、自らの信念で決断するかである。前原政調会長に責任を押し付けるようでは、一気に信用は地に落ちる。さらに「前門の虎、後門の狼」、小沢Gr.に拒否反応の野党がいる。

安全保障は、国の根幹にかかわる重要な問題である。ところが、今回の一川防衛大臣は「私は素人だが、これが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」と言った。怒りを通り越して、笑うよね。周辺諸国は、ほくそ笑んでいることだろう。事は日本の防衛問題であるから、こんな大臣はどうせお飾りだから、放っといてと言う訳にもいかない。小宮山大臣の「たばこ一箱700円」発言もあった。あの発言で、誰もが700円に値上げする方向だと思っただろう。ところが、官房長官や財務大臣が不快感を表すと、小宮山大臣は「私は700円に上げると決める省庁ではない」と前言を翻し、「誤りの無いように報道をお願いしたい。・・・正しい報道をぜひお願いします」と全面的にメディアを悪者扱いである。元報道にいたという経歴ながら、自分の発言がどう報道されるかも理解できていないらしい。菅前総理の発言で、みんなが辞めるとばかり思った後で、辞めるとは一言も言ってないと居座った時を思い出す。これは、民主党の体質なのか。

野田新首相は、まず「増税」ありきで、何が何でも増税をやるつもりである。ところが、増税にはその前提として「歳出削減」が絶対条件である。過去、世界を見回しても、歳出削減をしないまま増税した国は、100%財政再建に失敗しているという。ザルにいくら水を入れても何の効果も無い。今回の"幹事長"に輿石、"行政刷新、公務員改革"大臣に蓮舫という起用は、はっきり"公務員改革"などやる気は全く無いと言ってるようなものである。そしてまた懲りもせず"事業仕訳"という猿芝居をするのだろう。事業仕訳で廃止・凍結と判定したものが、どんどん復活している。はっきり言うが、私は蓮舫議員を評価したことなど、ただの一度もない。小宮山大臣もまた同じようなものだろう。間違っても、圧力団体と戦って、診療報酬引き下げに切り込む能力など無さそうだ。大変なエネルギーを使う、天下り根絶、公務員改革、議員定数削減など、やる気がない(やる能力もない)のに、ただうわ言のように"やるやる"と言いつづけながら、新総理以下、全閣僚一丸(?)となって、増税へ突き進みそうだ。

新聞に民主党を評して「泳げない子供を、水泳大会に出したようなもの」と書いてあった。過去の首相でワーストを挙げよと言われれば、鳩山・菅と即答できる。いづれ劣らぬ同率一位である。ところがほんの数カ月前、日本が迷走を始めた元凶である鳩山元首相が「国民の命を守るために、政治はどうあるべきかを考えなければならない」と話していた。よくも言えたもんだ。去年、新聞の連載コラムで九工大の佐藤教授がこんなことを書いていた。『「政治家に信念」は「猫に小判」または「馬の耳に念仏」のようなものである。日本の政治家は、信念がコロコロ変わっても、その理由を説明する必要もないし、政治的責任を取る必要もない』。さて民主党・三代目の新首相はどうだろうか。スムースな国会運営のためにも、「民主党内・大連立内閣」は、党内のバラバラな主義主張をどこかで信念を持って、折り合をつけさせなければならない。静かに見守るとしよう。


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2011/09/30 総事業費105億の公務員宿舎、建設再開のでたらめ
平成21年11月に行われた事業仕訳で凍結された公務員宿舎の建設が復活していた。当時「公務員に宿舎を提供しなければならない合理性はない」と格好よく切り捨てた案件である。ところがその1年後、我々国民が知らない間に、民主党の野田佳彦財務相(当時)をはじめ蓮舫行政刷新相も了承のもと復活させていた。今、国民からは「すぐストップして、復興資金に回すべきだ」と批判が噴出している。しかし、今回の衆議院予算委員会の質疑応答で、野田首相ははっきり「特段変更するつもりはございません」と見直しをしない方針を述べた。工事の始まった公務員宿舎は、鉄筋コンクリート13階建て2棟、総事業費105億円である。こんな状況だから今度の内閣は、公務員改革をする気などないと思われる。しかも、また事業仕訳第4段を検討しているというから、図々しいにも程がある。
追伸:2011/10/03 今日、野田首相は公務員宿舎現場を、約15分視察した後、記者団に凍結する考えを表明した。たった15分という視察は必要あったのか。自分が1年前復活させた手前、現場を訪問するというジェスチャーを見せたのだろう。その視察の結果、やはりまた「凍結」である。野田首相は、財務省の言いなりだから、我々が知らない間に、また復活させるだろう。一度裏切られた信用の回復は難しい。「正心誠意」という言葉をよ〜く噛み締めることだ。
2011/09/13 復興増税は必要なのか
「たかじんのそこまで言って委員会」で辛坊さんから、復興構想会議について問題点の指摘があった。『復興構想会議の議論のメインはどうやってまかなうか。会議のメンバーの中に消費税だけは絶対いやという人が二人くらい反対して、出してきたのが「法人税」と「所得税」。そうなると中小企業の7割は税金を払っていない。真面目に税金を払っている3割と、真面目に税金を払っている所得の一定以上の人たちだけが復興を支えて、かなりの人は関係がなく、1円も出さない。この法人税と所得税だけで復興費用をまかなうということでいいのか』

これに対して三宅先生はこう言う。『復興財源を法人税と所得税だけでまかなうのは無理がある。日本の法人税は世界で一番高い40%以上。台湾とかシンガポールは17%だから、台湾、シンガポールに出ていくという企業を私は、何社も知っている。背に腹は代えられないと言っている。だから40%以上を時限的であっても、法人税を上げるということは、海外脱出を促進することはあっても、日本の経済にとって決してプラスにならない。所得税も2000万円以上の所得のある人は、納税者人口の2%くらい。そのほんのわずかな人に重課税をかけたって全体をまかなえない』

今朝の新聞に「復興増税は必要なのか」という記事がある。復興増税に反対の立場から竹中平蔵先生はこう言う。『復興費用というのは基本は一時的な支出であり、財源の手当ても一時的な措置でやればいい。国債整理基金の資金を使ったり、日本郵政の株式を売却したりすれば相当の額を調達できる。それらを何もやらず、増税ありきというのはおかしい。・・・「増税やむなし」と主張するが、精査すれば、そもそも増税が必要な金額ではない。・・・復興で増税するというのでは、目標は財政を再建することではなく、増税すること自体が目標になっていると言わざるを得ない』
2011/09/10 新内閣の素人は一川防衛相だけではなかった
鉢呂経産相が辞任した。これは原発周辺自治体の視察から帰って来て、記者会見で「死のまち」と発言したり、防災服を記者にこすりつけるしぐさをして「ほら、放射能」と発言したことの責任をとったものである。
また、民主党の平野国対委員長は、臨時国会で、予算委員会を開かない理由について「不完全な内閣で、十分な答弁ができない」と言った。これに対し自民党の石破政調会長は「勉強してない人が多いので、長く国会をやることはできませんって言ったっていうんだからね。なんでそんな人を大臣にしたんだ。素人だからとか、そんな話が許されるはずはない」と批判した。
民主党を「泳げない子供を、水泳大会に出したようなもの」と表現したのは言い得て妙である。




2011/09/10 松井秀喜選手、12号(505号)2ラン
9日のレンジャース戦に「3番・左翼」で出場。4打席目に12号2ランを放った。この日3打数2安打2打点だった。これで日米通算505号本塁打となり、本塁打数は、単独歴代7位となった。
順位 本塁打数 選手名
1位 868本 王 貞治
2位 657本 野村克也
3位 567本 門田博光
4位 536本 山本浩二
5位 525本 清原和博
6位 510本 落合博満
7位 505本 松井秀喜