九州新幹線 | 随筆のページへ トップページへ File No.110409 |
九州新幹線開業から一か月。JR西日本の直通運転は、同社の乗車率と比べ23%も高かったという。JR博多シティの来客も当初の予想を大きく上回り700万人が訪れた。震災の中にあっても、開業効果は顕著で、今後に期待が高まる。私も「さくら」「つばめ」に乗車し、その上質な列車を体験してきた。走行中写真を撮るのに歩き回ったが、ほとんど揺れも感じなかった。 | 新鳥栖駅にある N700系のモデルと 博多への切符 |
九州に来たら、ぜひ九州内のみ運用のハイレベルな「800系」を体験してほしい。800系はもともとJR西日本の700系がベースだが、九州で独自の進化を遂げた。乗車すると、暗めの照明に、アートが飾ってあり、一瞬美術館のような雰囲気を受ける。かと思うと本物の金箔で装飾した豪華な演出もある。上質で心地よいシート、イ草ののれん、木製(山桜)のブラインドや、車両ごとの違った味わいにも驚かされる。すべてにわたって、列車の旅もここまで上質になったと感じさせる。 因みに800系と新800系を、私は次のように見分けている。一番いいのは編成番号だが、新800系は、先頭車両サイドのつばめのラインがウェーブし、ヘッドライトが少し盛り上がっている。 |
開業した新駅ビルについては、前に写真を掲載したので、ここでは完成までの経緯を写真で追ってみた。 |
@2006/11/22 工事開始から半年 |
A2007/03/31 井筒屋が閉店セール |
B2007/03/31 「44年の感謝をこめて」 食堂街・一番街も閉店 |
C2008/02/21 夜を徹して地下の工事 |
D2008/03/11 旧駅ビル解体も進む |
E2008/10/08 旧駅ビルは完全に姿を消す |
F2009/05/28 新駅ビル建設に 林立するクレーン |
G2009/12/06 進む新駅ビルの工事 |
H2010/06/08 JR博多シティが全容を現した |
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九州新幹線全線開通・写真集 | ||
N700系 |
JR西日本・JR九州 相互乗り入れ |
JR博多シティ外観 |
記念入場券(H23・03・12博多駅) |
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800系 |
800系のマーク |
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大時計裏からの眺め |
ついに九州初上陸 東急ハンズ |
屋上「つばめの杜ひろば」から 右が新幹線 左が883系ソニック |
九州新幹線各駅の4月の1日平均乗降客数 (2011・06・23JR九州発表) | ||||
駅名 | 乗降客数 | JR九州の想定 との比較 |
地元自治体の想定 | 昨年4月の実績 |
新鳥栖 | 1450 | ▲14.7% | 4200 | − |
久留米 | 2500 | ▲7.4% | − | − |
筑後船小屋 | 650 | ▲31.5% | 1700 | − |
新大牟田 | 700 | ▲39.1% | 2300 | − |
新玉名 | 900 | ±0% | 3900 | − |
熊本 | 12550 | ▲4.1% | − | − |
新八代 | 1950 | ±0% | − | 1550 |
新水俣 | 1000 | ±0% | − | 750 |
出水 | 2050 | 2.5% | − | 1700 |
川内 | 2650 | 3.9% | − | 2350 |
鹿児島中央 | 13100 | 12.4% | − | 8350 |
新駅が苦戦している。特に気になっていたのが「筑後船小屋駅」である。当初から疑問視されていた新駅だが、案の定という実績が出ている。地元自治体の想定1700人に対して650人は達成率38%である。以前、筑後船小屋駅で客待ちをしているタクシーが「列車ごとに3〜4人の客を見込んでいたが、1〜2人の利用しかない」と言っていた。大体予想と実績のギャップ通りである。38%という実績は、想定が甘いというより、ほとんど予測という体をなしていない。所詮、公共工事の予測数字など、こんなものである。無理やりつくった新駅だから、対外的に少ない数字が出せなかったか、列車の停車本数を確保するため水増ししたかである。利用客数の実績は、今後停車本数増減の尺度となる。ところが、自治体の要望は逆で、「停車本数をもっと増やしてくれ」と言っている。本末転倒である。乗降客を増やす努力をして、実績をつくるのが先である。1000円高速が無くなって、公共交通機関は、快適な旅を提供して、巻き返しを図りたいところだ。重要なのは、スピードに対して対価を払う客を大事にすることだ。 |