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File No.100905

民主党の代表選で、菅VS小沢の全面戦争になっている。だが世間の多くは、小沢前幹事長の出馬は如何なものかと思っている。ほんの3か月前、責任をとって辞任したばかりだが、よほど記憶力が悪いとみえる。だが、まだらに記憶があるらしく「少し静かにしていただいた方が・・・」という部分は、強烈に記憶に残っているようだ。気位が高いから、馬鹿にされると逆上する。気位が高いから、勝てない選挙には出ない。今回出馬したということは、よほど自身があったのだろう。「準備万端怠りなし」こういうこともあろうかと、金の力で子分を増やしておいた。「気合だ、気合だ、気合だ!」と言っていた議員の大半は、政策で寄り集まったのではなく、金に群がったのではないかと私は思っている。だから私は「そんな議員たちなら、議員の数は、半分でもまだ多い」と書いた。代表選が終わったら「ノー・サイド」などと言っているが、それはきれいごと。どっちが勝つにしろ、負けるにしろ、民主党は真っ二つになる。

代表選の公開討論で小沢前幹事長は「金がないからできません。そんな馬鹿なことがあるか」と言ったそうな。「予算の組み替え」と「無駄の削減」でいくらでも金は出てくるらしい。「事業仕訳」で、薄皮を切って見せたのは猿芝居で、肝心の骨と肉は手をつけなかったと自白しているのか。11年度予算の概算要求額は96兆円と、財政規律など吹き飛び留まるところを知らずである。「一律1割削減」について、小沢前幹事長は「自民党政権と同じ」と言ったようだが、自分自身が金権政治にまみれた「古い自民党体質」の見本みたいなものである。自分で自分の事は見えないものらしい。小沢前幹事長は、鳩山政権時代 幹事長だった。簡単に金が捻出できるなら、何故その時やらなかったのか。参院選で消費税を持ち出すまでもなかったのではないか。あ〜そうか、そうなると自分の出番が無くなるからだったのか。鳩山首相の支持率が20%を割り込むのを横目で見ながら、子分を増やすのに一生懸命だった訳だ。

普天間移設問題で、小沢前幹事長は「もう一度、沖縄も米国も納得できるような知恵を出すため話し合う」と言ったそうな。この期に及んで何を言い出すのやら。どんな知恵か問うと「特に案を持っているわけではない」らしい。なんの考えもないのに、いかにもあるような発言は、つい数か月前何度も聞いたような気がする。自民党時代、十数年かけて作り上げてきた案を、ぐちゃぐちゃにしておいて、結局何の妙案もなく元に戻った。V字、I字併記での日米合意が精いっぱいである。もともと小沢前幹事長は、米軍は第七艦隊だけでいいと言っていた人である。日本の防衛はどうなるのだろうか。中国海軍のヘリが、海自の護衛艦に異常接近したとき、4日も遅れて対応した。遅れた理由は、間に土日が入ったからだそうだ。民主党の軍事対応は、土日は休みらしい。この中国の軍事的な示威行為を前に、米軍の海兵隊などいらないという。加えて事業仕訳で、自衛隊の予算は、どんどん減らしている。やっぱ、民主党の政権下で、日本は消滅だな。

小沢前幹事長は、マニフェストで約束したことは、誠実に実行するらしい。まず、子供手当は満額支給をするという。高校は無償化し、戸別所得補償制度は対象範囲を広げる勢いである。そうなると、高速道路無料化も全面的に実施するのか。高速道路に全く関係ない人の税金を使って、高速道路が「低速道路」になる。トラックの運転手は、生活を脅かされ、鉄道やバス、フェリーといった運輸業界は、それまでの生態系が壊される。企業である以上、利益を追及しなければならない。結果、バス路線が廃止されたりする。そのバスを生活の足にしていた人は、自分の納めた税金で、自分の足が奪われる。だが待てよ、地方の建設業者に、税金の横流しするのに、高速道路料金は、ちゃんと徴収しますなどと言いだすかもしれない。「ごうわん」というのは普通"剛腕"あるいは"豪腕"と書くが、民主党では"傲腕"と書くと思われる。"傲"は"傲慢(ごうまん)"の傲である。どこかの県知事が今回の代表選を「ダメな人とダメそうな人の戦い」と言ったそうだ。もちろん"ダメな人"が小沢前幹事長である。


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2010・09・06 
昨日のテレビ番組で小沢前幹事長が、政治とカネの問題で「首相になれば、いくらでも説明する」と言ったそうだ。国民は出馬自体に疑問をもっているのに、何という鈍感さだ。立会演説会では、召集をかけた“さくら”たちに「小沢コール」をさせ、周りからひんしゅくをかった。さらに、小沢陣営が、サポーターから白紙の投票用紙を回収したという、重大な疑惑が出ている。これが日本の首相になろうとする候補者かと思うと“ためいき”が出る。選挙になると突然“ヘラヘラ、ヘラヘラ”しだすのも気持ちが悪い。

2010・09・08 
 ニューヨーク・タイムズ紙が「指導者の頻繁な交代に目まい」という社説を掲載した。「まるでメリーゴーラウンドのような・・・」と表現した。さらに、小沢前幹事長の普天間移設問題での発言については「非現実的な立場を考え直す必要がある」との見解である。以前、国会で佐藤正久議員が「あなたがたの政策は観念的で言葉だけが踊り、具体的な中身は一向に見えません」と言ったのを思いだす。今回の小沢前幹事長の主張する政策は、普天間問題以外についても現実に即しない、まさに観念的で稚拙である。やはり、静かにしていただいた方が日本の国益に合うのではないか。