「九州鉄道検定」の旅
(北九州一周・列車の旅)
随筆のページへ

トップページへ

File No.100516
JR九州が「九州鉄道検定」というのを実施している。これは去年(2009年)九州鉄道120周年を記念して始められたものである。そこで、このテキストをもとに、北九州を巡る列車の旅をした。
左の地図は、今回巡ったコースのポイントの駅を示している。(1)筑前前原駅→(2)博多駅→(3)筑前山手駅→(4)直方駅→(5)行橋駅→(6)小倉駅→(7)門司港駅
朝6時すぎ、快晴の天気に恵まれ、ちょっとひんやりした空気が気持ちいい。福岡市営地下鉄1000系で筑肥線からスタート。
[公式テキストブックQ&A・問28]大正3年3月に創立された北九州鉄道。昭和12年に全区間国鉄に売却したが、その線路名は?
答えは「筑肥線」。

博多駅前は、掘り返され、積み上げられた土砂ですごいことになっていた。
今回、もちろんSUGOCAを使用したが、どうしても「切符」がほしかったので、カードで切符を購入することにした。まずは、第一目的駅、福北ゆたか線「筑前山手」(篠栗線)までの切符を購入。
[公式テキストブックQ&A・問63]博多駅が現在の場所に移転したのはいつ?
答えは「昭和38年」。現在の博多駅は昭和38年12月1日、民衆駅として開業した。
8時ころ787系・特急「かいおう」3号が、博多駅に到着した。
大相撲の魁皇関が頑張っている。史上初の幕内在位100場所到達で、先日「総理大臣顕彰」が贈られた。さらに、今場所は1000勝達成に向け突き進んでいる。今場所2日目の雅山との取組はすごかった。あの軽快な身のこなしに、みんなが大拍手を送った。


車両は「813系」。今回、筑前山手〜直方だけ「817系」だったが、後のJRはすべて「813系」の乗り継ぎだった。それほどJR九州の近郊型では主流の電車だ。この福北ゆたか線の車両は銀色に塗装されている。まず目指すは「筑前山手駅」。
[公式テキストブックQ&A・問74]きっぷ売り場からホームまでの階段数が九州一多い筑前山手駅。階段は何段あるか?
答えは「96段」で、線路は地上から14.5mあるという。
[写真中]の右手にある塔がその階段。[写真右]はホームから見下ろした景色で、実に眺めがいい。次の列車が来るまでの10分ほどの間に、下まで下りて写真を撮って急いで、この階段を駆け上がったら、もうヘロヘロ。急いだので、改札はSUGOCAでサッと通り抜けた。こう言うときICカードは実に有難い。
[公式テキストブック]の68頁「駅うんちく(その1)」に難読駅名が書かれている。日豊本線では「朽網(くさみ)」「苅田(かんだ)」などが載っている。さらに128頁には「大分。平素呼び慣れているから何の違和感もないが、「おおいた」も難読駅の一つに違いない。」とある。
そこで、この福北ゆたか線の「筑前大分」だが、「おおいた」が有名なので、そう読みそうになる。しかし、これは「だいぶ」と読む。予備知識なしでは、おそらくそうは読まないだろうという駅名をいくつか撮ってみた。ただし、「天道」はよく「おてんとさま」というときの「てんとう」であるから、分かっている人も多いかもしれない。

筑前大分

桂川

天道

直方
[公式テキストブックQ&A・問7]明治24年に開業、九州では九州鉄道についで2番目に古く、明治30年に九州鉄道と合併した鉄道会社は?
答えは「筑豊興業鉄道」。筑豊炭田の石炭を若松港まで搬出するために明治24年8月30日、若松〜直方間で営業を開始した。


平成筑豊鉄道
[公式テキストブックQ&A・問10]明治28年、九州で最初にできたトンネルはどの路線にあったか?
答えは「田川線」。現在は、平成筑豊鉄道 田川線 油須原〜源じいの森間にある。

400型・なのはな号

400型409号・ゆめタウン号

つり革
去年発表した平成筑豊鉄道08年度決算は、5期連続の赤字で累積赤字は約4240万円となっていた。そんな中、いろいろ収益確保に努力しているが、なかでも「つり革オーナー」というのはユニークである。つり革に企業名や個人名が書かれていたが、その中で、ちょっと意味不明なのがあった。「でんしゃ でんしゃ でんしゃしゃしゃー」って何だ????


行橋駅で、JR日豊本線に乗り換える。丁度「白いソニック」が停車していた。(ただし、車両は「白いかもめ」)ホームを挟んで反対側には「なのはな号」が停車している。
813系で行橋から小倉へ向かう。
[公式テキストブックQ&A・問62]九州における踏切の立体交差第1号は?
[答]九州における踏切の立体交差第1号は昭和38年1月5日から使用を開始した日豊本線 小倉〜南小倉間の清水陸橋


小倉駅到着。改札を出ると丁度、コカ・コーラのラッピングモノレールが入ってきた。少しぐらいなら待っても、ぜひ撮りたいと思っていたが、実に運がいい。駅前広場に出て「小倉祇園太鼓」の銅像と、モノレールを入れて、小倉駅らしい写真が撮れた。さて食事を済ませ、813系で門司港へ。
[公式テキストブックQ&A・問96]昭和63年、駅としては全国で初の国の重要文化財に指定された駅は?
[答]門司港駅。門司港駅は明治24年4月1日、門司駅として開業。
駅前では、人力車や袴姿のお嬢さんなどで、レトロな雰囲気を盛り上げていた。袴姿のお嬢さんは、駅舎と一緒に写真の被写体になったり、写真を撮ってあげたりと大活躍だ。一方、バナナのたたき売りだが、面白いのでしばし聞き入った。「門司港名物、バナナのたたき売り。かえるのおなかにゃヘソがない。私のサイフにゃ金がない。そこのきれいなお姉さん、え〜い400円」。あの“ふうてんの寅さん”の調子そのままである。
[公式テキストブックQ&A・問38]九州の準鉄道記念物第1号に指定され、九州鉄道記念館に保存されている機関車は?
[答]C59形1号機関車。(テキストブック23頁に記念館が詳しく紹介されている)

はね橋

九州鉄道記念館

トロッコ列車「潮風号」
 埼玉には鉄道博物館があるようだが「いいもんね〜、九州にはこの九州鉄道記念館があるもんね〜ッ!」
 日本一短く(2.1km)、日本一遅い(最高速度15km)トロッコ列車「潮風号」は、以前島原鉄道で走っていたものだ。山口銀行が出資しているので「やまぎんレトロライン」という愛称が付けられている。
[公式テキストブックQ&A・問57]九州で最初の電化区間はどこか?
[答]九州の電化は昭和36年6月1日、門司港〜久留米間の交流電化から実現した。



813系
さて、門司港〜博多まで、813系で帰途についた。筑前山手駅で、96段を一気に駆け上がったのがこたえて少々疲れた。しかし、気持ちよく居眠りしながら帰れるのもまた列車の旅のいいところだろう。
随筆のページへ トップページへ
「九州鉄道検定」
公式テキストブック


発 行:九州鉄道検定実行委員会
発行日:平成21年11月1日
制作・編集責任 末吉駿一
発 売:(株)マインド


(普通の本屋で買える。私は、博多駅横の「紀伊国屋書店」で購入した)