「シャーロック・ホームズの科学捜査を読む」を読んで (著者:E・J・ワグナー、訳者:日暮雅通、発行:河出書房新社) |
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私がまだ少年のころ、このシャーロック・ホームズをはじめ、ジュール・ベルヌの冒険小説、モーリス・ルブランの「怪盗ルパン」、マーク・トウェインの「トムソーヤの冒険」など、夢中で読んだものだ。当時はもちろんテレビもなければ、テレビゲームもない時代である。トム・ソーヤと一緒に冒険し、地底旅行や漂流記にワクワクし、シャーロック・ホームズやルパンは、格好いいスーパー・ヒーローだった。今回の「シャロック・ホームズの科学捜査を読む」は、新聞の書評欄で知った。一見しただけで読まずにはいられないタイトルだ。あのホームズが魔法のごとく難事件を解明していくそのプロセスを、当時の科学的な裏付けで読み解くのである。早速、図書館から借りてきた。物語が書かれた時代や、法科学がどのように発展してきたのか。コナン・ドイルがどのような時代背景で「シャーロック・ホームズ」というヒーローを生み出したのか。これまでのホームズでは見なかった切り口で、実に新鮮である。 |
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2009/05/19 最近のテレビドラマ |
今、テレビで天海祐希さん主演の「BOSS」というドラマが放映されている。アメリカのFBIで高度な捜査技術を学んで帰国した元キャリアの大澤絵里子が、新しく設置された特別犯罪対策室で凶悪犯罪捜査の指揮をとる。頭脳明晰で美人、深い知識からの適格な判断で、チームのメンバーを手足のように使い事件を解決していく。その分析、判断力はまさにシャーロック・ホームズなみである。第二回だったか、警官を装った殺人犯人が絵里子の部屋へ入り込む。視聴者としては、まさに迫ってくる危機にハラハラする訳だが、絵里子は警官の履いていた靴が古いタイプであることをすでに見抜いていた。輝いているアラフォー、天海祐希さんは常にこうあらねばならない。間違っても、理不尽な仕打ちに、ただただ耐えるような演歌歌手であってはいけない。 |
内野聖陽の「臨場」という検視官のドラマも放映中である。このドラマもなかなか面白く毎週観ている。主役は、警視庁の鑑識課の検視官(警視)・倉石義男(内野聖陽)。「検視官は、刑事訴訟法に基づき変死体の状況捜査を行う司法警察員である」とドラマの冒頭に出る。倉石の検視における判断の鋭さ、正確さは群を抜き、彼の右の出るものはいない。倉石の口癖は「死者のために検視で拾えるものは根こそぎ拾え!」である。「シャーロック・ホームズの科学捜査を読む」でも、22頁に「(医者や解剖学者は)・・・殺人の犠牲になった死者から最後の悲しい秘密をなんとかして聞き出すのだ」。18頁には「・・・ホームズは、死体ばかりでなく犯罪現場のあらゆるものを調べる様子を、ワトスンがなんと生き生きと描いていることか」とある。検視官・倉石とオーバーラップする。 |
木村拓哉の「MR.BRAIN」というドラマがもうすぐ始まる。このドラマの舞台は「警察庁科学警察研究所」である。主役の九十九龍介 (木村拓哉)は脳科学者だが、脳の一部を損傷したため右脳が驚異的に発達し、独自の視点や発想で難事件を解決していくという。科警研の他のメンバーもそれぞれ科学担当(爆発物・化学兵器などの成分分析)、生物学(DNA・指紋・血液など生体認証全般)や、画像解析、音声分析、行動科学などスペシャリストが取り巻く。おそらく現在の最先端の科学捜査を見せてくれることだろう。主役の九十九龍介は、科警研にあって、右脳で事件を解決してくという設定も面白い。どういう風に描かれているのか楽しみである。 |