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File No.081221

2011年7月にはすべてのテレビ放映が完全デジタル化される。昨日の「タモリ倶楽部」では、番組スタッフが「地デジ対応」に失敗した内容の検証をしていた。スタッフ君のテレビは、薄型液晶ながら4:3だった。4:3テレビで、16:9の放送を見ると、上下がデッドスペースになる。その点わが家は、旧態依然と4:3テレビでアナログ放送を見ているので何ら問題はない。その我が家のテレビと言えば、今だ奥行きが40cmもある15型テレビデオである。いまどき博物館行きかもしれない。現在のテレビの薄型化は驚異的である。「壁掛けテレビ」なるものも登場している。薄さがわずか35mmだという。昨日の量販店の折込チラシには、大型の薄型HDテレビやブルーレイレコーダーがずらりと並んでいた。「不況なんて吹っ飛ばせ」というタイトルが、このところのデジタル家電の需要低迷を思わせる。

地デジの認識や普及であるが、今年(H20年)5月の新聞では、九州の地デジ普及率は、38.8%になっていた。総務省が10月発表した全国の普及率は、50%に迫るほどまでになっている。認知度も93%だという。しかし問題なのは2011年7月時点では、何が何でも100%でなければならないということである。認識のない人もまだ7%いるわけだ。経済的弱者はもとより難視聴地域、ビル陰による難視聴にいたるまですべてをケアしなければならない。国は放送衛星(BS)を経由したり、チューナー購入費用を支援したりとあらゆる手立てを考えているようだ。そのなかには「アナログに変換した地デジ放送をケーブルテレビで流す」などというのもあった。いろいろな方策があるものだ。私の住む地域は、何の支障もなく受信できそうだが、問題が予想されるところは、早めに対応を検討する必要がある。

最近の家電業界で大きなニュースだったのは、松下電器がパナソニックに社名変更し、更に三洋電機を子会社化したことだろう。パナソニックは、三洋のリチュウムイオン電池やエネルギー効率の高い太陽電池など、トップクラスの電池技術が狙いだったようだ。これも厳しさを増す業界で生き残りをかけたものだ。パナソニックは09年3月期の純利益予想を9割減と大幅に下方修正し、シャープも純利益41%減の見通しを発表していた。「過去に経験したことのない厳しい状況」という話を裏付けるかのように、修正幅が半端ではない。今後は体力勝負になろうが、期待できるものへの特化と、需要を呼び起こす新しい商品がほしいところだ。今年の家電見本市では、ソニーが0.3ミリという究極の有機ELの薄型テレビを発表したり、パナソニックは3D映像が楽しめるシアターシステムを開発したりと懸命である。

さて、わが家のブラウン管テレビの買い替えであるが、今のところそう急ぐこともなかろうとゆっくり構えている。だが、もし買い換えるとすればどんな機種にするか、イメージだけは持っている。まずディスプレーは「液晶」にしようと思う。液晶だとブラウン管テレビより10インチほど大きくてもいい(注1)という。そうすると26型くらいになるが、結果的に液晶しか選択肢がないことになる。26型だとフルHDにはならない(注2)が、それでも現在の3倍の画素数(注3)でハイビジョンが楽しめる。もちろん倍速機能(注4)、HDMI端子(注5)のついたものにしたい。以前あるテレビ番組で、何時が一番の買い替え時かを予想していたが、それによると、買換え需要が高まる2010年3月が狙い目だと言っていた。昨日の折込チラシを見ると、26型はだいたい7万円台くらいのようだ。ただ世の中の傾向としては32型の需要が多いようで、価格の逆転現象もあるようなので、これからじっくり見定めようと思っている。

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(注1) テレビからの距離は通常、画面の縦の長さの5倍だと言われているが、これが液晶だと3倍でいいと聞く。
(注2) 今のところ“フルHD”は37型以上。
(注3) 解像度 (HD=HighDifinition=高解像度の映像及びこれに対応した機器)
フルHD: 1920×1080 約207万画素
HD: 1366× 768 約105万画素
アナログ: 720× 480  約 35万画素
(注4) 倍速機能 1秒間に60コマだった映像を120コマにすることで、動きの速い映像に対応させたもの。
(注5) HDMI端子 ハイビジョン用に開発されたデジタル接続端子。今後、これが主流になるようだが、最近のテレビには“D端子”とともにだいたい付いている。

        

デジタル放送にはこんなのがある
      地上デジタル BSデジタル 110度CSデジタル
内容 2011年に完全移行する地上波の放送 BSのデジタル放送 東経110度にある衛星を使ったデジタル放送
放送局 NHKや民放 NHKやWOWOWなど(有料) 映画やスポーツなどの専門チャンネル(有料)
アンテナ UHFアンテナ(一部適合外で受信できないケースもある) BS・CSそれぞれ専用アンテナが必要だが、両方に対応しているアンテナがある