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日本は、世界のなかでも治安がいい国であるが、自転車の盗難件数は一向に減少しないそうだ。我が家も、この半年くらいの間に「原付バイク(ホンダ・タクト)」1台と「自転車」3台が盗まれた。その都度警察に届け出てはいるが、今のところ発見されていない。情けない話だが、警察へ届ける要領が実によくなった。下準備をして行くので、手続きがすべて終わるのに30分もかからない。「なれ」とはおそろしいもので、新しく自転車を購入すると、盗難を意識して、必要事項と、デジカメの画像をパソコンに保存しているありさまである。
警察で、いろいろ話をしているうち、強制撤去した自転車の保管場所を教えてもらった。そこは、放置自転車を数ヶ月保管しているところで、行って見ておどろいた。立派な自転車が何百台もおいてある。何百台!!である。半端な台数ではない。中には、住所名前が入っているものもある。なんともったいないことか。このありさまを見る限り、日本は、裕福に慣れきっている。金の使い道がわかってない。ここの自転車のうちの、一部は専門の業者が買っていくそうで、その業者を教えてもらい、そのリサイクルショップで買うことにした。
値段は、大体5000円を中心にプラスマイナス1000円くらいで販売している。新車と比べて見た目は若干見劣りするが、その機能になんら問題はない。売り出しの安い新車に比べても大体半額で購入できる。ちゃんと整備されているので、乗り心地も快適である。自転車は、もう少しリサイクルを積極的に考えるべきではなかろうか。放置されたままの自転車が、交通の障害となり安全面から、社会的な対応が求められている。鉄の原料となる鉄鉱石は100%輸入していると聞く。廃棄処分される大量の自転車を目の当たりにすると、切実にそう思う。
通勤は、自宅から駅まで、約1qある。歩くと約15分かかるが、自転車なら正味5分で着く。自転車は、有酸素運動で健康によいというイメージであるが、私の場合は、健康にいいほどの距離ではない。むしろ歩いたほうが健康によい。しかし、人間段々安易な方に傾くもので、歩いている横をすいすい自転車が走っていくと、その誘惑に負けてしまう。自転車で走るとたしかに気持ちがいい。ただ、通勤であるから天気がいい日ばかりではないし、気候のいい時期ばかりでもない。外に出てはじめて雨に気づいた、なんてこともあるから、出かける時間は、余裕をもちたい。私は、会社の始まる30分前には、机につくようにしているので、時間的支障は全くない。
気候がよくなってきたので、自転車で近隣を散策するのを楽しみにしている。デジタルカメラを持って、宛もなくフラフラと走ってみたい。一戸建ての家の周りには、さまざまな花がありそうだ。学校、幼稚園などには、丹精こめた花壇もあるに違いない。朝早くだと、朝露に濡れた花にもあえる。回りに迷惑のかからないいい場所が見つかれば、クラリネットを持ち出して思いっきり奏いてみたい。いつもは自動車であっという間に過ぎ去ってしまう景色である。スピードと人間の視野は、反比例する。人間の力が動力源の自転車だから、人間らしい視野で新しい広がりを見せてくれるにちがいない。
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