自家用車・傷つけ事件


へこんだ車の天井
(上の柵がゆがんで映っているのが分かる)

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File-No.020602

先日、私の自家用車が、傷つけられた。車の天井に子供が乗って遊んだ結果、へこんでしまったのだ。近所の小学校6年生の生徒が、「鬼ごっこ」で遊んでいるうちにやってしまった。それに気づいた、近所の人の通報で発覚。夕方6時くらいにもかかわらず、先生が二人かけつけてくださったそうだ。更に夜9時すぎ、私が帰宅する頃に、教頭先生からも、丁寧なお詫びの電話を頂戴した。翌日、夜9時すぎには子供たち10人とお母さん方が、直接私宅に来て丁寧にお詫びされた。

10人居たというのは、子供を目の前にしてはじめて知った。ちょっとした集団である。クラスで言えば「三分の一」くらいになる。しかも6年生ということで、子供たちにちょっと話し掛けてみた。
「君たちは、自分のうちの車の上に乗ったことがあるか?」
「自分のうちの車には乗って遊ばないのに、どうしてよその車に乗ったのかな?」
「もし、自分の大切にしているものを他人から傷つけられたら、どんな気持ちになるかな?」
「自分の大切にしているもの以上に、他の人のものは大切にしないといけないんじゃないかな」
概ねこんなことを話した。


今回の事件を考えて見れば、「やって良いことか悪いことか」の判断が出来なかったことにある。改めて「良いことか悪いことか」と問われれば、10人の子供が10人とも「悪いこと」と答えるだけの常識は持っている。しかし現実は、遊びに夢中になった結果、判断するに至らなかった訳である。ただ10人のうち乗って遊んだのは6人である。状況はよく分からないがとにかく4人の子供は乗っていない。

世の中には、大体が当てはまる公式みたいなものがあって、「8:2の原則」というのがある。そのことから勝手に考えれば、今回の集団でも、積極的に引っ張ったのは二人ということになる。更にこの原則から言えば、乗らなかった子供の内の二人は、「それはやってはいけないことだ」と冷静に判断できていたのではなかろうか。世の中は、いろいろな性格の人、個性の人が絶妙に組み合わされて動いている。「猪突猛進」で考えるより先に行動に移る人がいる。冷静で「先ず充分考えて」行動に移す慎重な人がいる。営業に向いている人、事務に向いている人、左脳より右脳を使う方が得意な人。どの人材も必要かつ大切である。

この4月から、小・中学校の学習内容が三割削減され、完全週五日制になった。子供たちの学習にゆとりを持たせ、「自ら学び、考える力」を育てるのが狙いである。地域住民が関与する「学校評議員制度」なるものも出来た。教育は保護者も含め地域社会で運営していくことになる。今回のことを材料に教育指導するとしても、本来の趣旨である「個性を育む教育」という観点からすれば、一概に悪いことだと決め付けないでほしいものである。まず常識的な指導はするにしても、それ以上に重要なのは、突っ走る人に「それは悪いことじゃないか」と冷静かつ勇気をもって言える人材を育てる教育である。それこそ「いじめ」を解決する原点ではなかろうか。


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