映画「ユナイテッド93」を観て
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FileNo.060825

2001911日、アメリカン航空(AA)2機(11便、77便)とユナイテッド航空(UA)2機(175便、93便)がハイジャックされた。AA−11便とUA−175便はワールドトレードセンターへ激突し、AA−77便はペンタゴン本庁舎に突っ込んだ。そしてもう1機、この映画の主役UA−93便は、テロリストの目的を達しないまま、ペンシルバニア州シャンクスヴィルに墜落した。その真実は誰にも分からない。映画化にあたっては、亡くなった人々への敬意を込め、できる限り忠実に制作したという。遺族や9・11委員会、航空管制官、軍関係者などあらゆるところから、墜落に至る経緯のインタビューと情報が集められた。映画は何も足さず、何も引かず、まるでリアルタイムで進行するドキュメンタリーのようだ。連邦航空局ベン・スライニーは「この作品は、普通の人々が何のマニュアルもなしに極限状態に立ち向かえるかを描いている」と語る。登場する俳優にスターなどいない。

管制塔、飛行機の給油、搭乗する人。ニューアーク空港の、いつもと変わりない一日が始まった。そして、いつもと変わりなく「UA93」はラッシュに巻き込まれた。しかし、違っていたのは、この機に4人のテロリストが搭乗していたことだ。そのころ、AA11便に異変が起きていた。“制圧した。静かにしろ”ローム防空指令センター“B-757レーダー追尾。見失うな。追撃班”。UA93便は41分遅れでやっと離陸する。一方ではすでにハイジャックが判明し、対応に追われ、激しいやりとりがされていた。高層ビル群を後に、青空へ上がってゆくUA93。“UA175便はNYへ向かっている”“戦闘機をNYへ回せ”。UA93便では朝食の機内サービスが始まる。ここでUA93のテロリストが動き出す。“はやくはじめよう”一人がトイレに立ち、組み立てた爆弾を、腹に巻いて帰ってくる。ハーンドン連邦管制センター・・・“UA93便で悲鳴が上がったのをクリーブランドが聞いている”。

9・11から5年が経つ今も、中東を見れば、イラン・イラク・レバノン・パレスチナ、「テロの脅威」はますます高まっている。そんな中、先日イギリスで“航空機爆破テロを阻止した”と大きく報道された。黒幕は国際テロ組織アル・カイーダのようだ。計画では英国発アメリカ行きのユナイテッド、アメリカン、コンチネンタルの米3社の航空機7機が標的となっていた。飲み物に偽装した液状爆発物は、想定外だった。もしこのテロが実施されていれば、大変な惨劇になるところだ。今回、日本では「日本への航空機を狙っているとの情報はない」として通常の警戒態勢だった。しかし、1995年マニラで見つかったアル・カイーダの計画書には“成田”という記載もあったという。今回捕まった犯人は、氷山の一角にしかすぎない。温床と化したイギリスの潜在的なテロリストは約1200人に上る。逮捕された容疑者は米国内の各都市にも電話をしていた。文字通り「今、そこにある脅威」である。

パイロット二人は殺され、コクピットを乗っ取られたUA93便。“セルフリッジ基地からF-16 2機が向かっている”“2機のF-16は非武装です”。家族へ連絡をとる乗客たち“愛しているよ”“さようなら”“遺書は金庫に入っている。暗証番号は・・・”。一方では戦おうと立ち上がる乗客たち“これは自爆テロだ。空港に戻る気などない”“武器になるものを集めろ”“体格のいいものを集めろ”。爆弾男を一気につぶし、コクピットへなだれ込む乗客。“急げ、墜落するぞ”“はやく操縦桿を奪え”激しくもみあい乗客たちはついに操縦桿を奪う。この映画の封切りは、812日だった。奇しくもJAL123便が御巣高山に墜落した日だ。必死に機を立て直そうとする乗客たちに、JAL123便のボイスレコーダーの会話を思いだす。 “高度を上げろ”“だめだ、上がらない”“上げろ”“だめだ、上がらない”目の前に迫るペンシルバニアの大地。スクリーンは真っ暗になる。


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STORY
2001年9月11日、ニューアーク空港発サンフランシスコ行き「ユナイテッド93便」は朝のラッシュに巻き込まれ、予定時刻を遅れて出発しようとしていた。機には44名の乗員乗客が搭乗している。その中には4人テロリストがいた。この日、最初の異常はボストン管制センターが気づいた。アメリカン11便から、「操縦室を制圧した。静かにしろ。空港に戻る」という声が聞こえたのである。即時に、緊急体制に入った。テロリストは、飛行機を「プレーンズ」と複数で呼んでいる。11便の機影は、マンハッタンでレーダーから消えた。ワールド・トレード・センターにが激突したのだ。緊急事態の中、今度はユナイテッド175便がレーダーから消えた。ユナイテッド93便の機内では朝食が出され、いつもと変わりない機内の風景である。だが、突然テロリストが動いた。爆弾を持ち、パイロット2人は殺され、機内はテロリストによって制圧された。しかし、絶望的と思える状況の中で、一部の乗客たちは立ち上がった。
小泉首相は終戦記念日の8月15日、内閣総理大臣と記帳し、モーニング姿で靖国神社に昇殿参拝をした。これで自民党総裁選での公約をきっちり果たした訳である。この参拝に当然ではあるが、中国が即反応した。駐日臨時代理大使はこう抗議したという。「国際的正義に対する挑発であり、人類の常識を踏みにじるものだ」。何とおっしゃる中国さん。その言葉、余りにも不適切です。その言葉、そっくりそのままお返し致します。あらためて中国への言葉として読んで頂きたい。「国際的正義に対する挑発であり、人類の常識を踏みにじるものだ」。ほら、実に適切な言葉になったでしょう。言葉というものは、こういう風に適切に使わないといけません。