空飛ぶ円盤 | 随筆のページへ トップページへ FileNo.080314 |
昔、未確認飛行物体は“空飛ぶ円盤”と言っていた。これはアメリカで目撃した人が“フライング・ソーサー”と表現したものの和訳である。いつの頃からUFOと言い出したのだろうか。そのUFOについて、昨年末の国会で質問がなされた。国会での質問はこれが初めてではないが、今回日本政府として初めて公式見解を出した。それは「地球外から飛来してきたと思われる飛行物体について存在を確認していない。研究も飛来した場合の対策も行なっていない」というものだった。しかしその後、石波防衛大臣は「存在しないと断定するだけの根拠を私は持たない」と政府見解とは違う個人的見解を示した。UFOは外国の航空機というカテゴリーには入らないだろうから「領空侵犯」とも言えない。「地球の皆さん仲良くしましょう」と言っているのであれば「国に対する急迫不正の武力攻撃」でもないので「防衛出動」というわけでもない。いづれにせよUFOはいるかもしれないという前提で、いろんな可能性を考えておくべきという。
UFOについては、数多くの目撃情報や写真、さまざまな事件が知られているが、結局科学的に確認できる物的証拠はないようだ。映像や目撃情報のほとんどが「幽霊の正体見たり枯れ尾花」のたぐいだろうし、質の悪い写真に至っては、まるで心霊写真である。飛行物体は昔ながらの“フライング・ソーサー”の域を出ていない。宇宙人も人間をベースに部分々々を誇張したり縮小したり、変形の範囲を出ていないように思う。ましてや、時空を超えて飛来するほどの先進科学をもつ生命体とはとても思えない。とは言っても、その存在を否定しているわけではない。むしろ存在していてほしいと願っている。「ドレイクの式」による知的生命体の存在する可能性は限りなく小さいが“ゼロ”ではない。先月も銀河系の中で、太陽系に似た惑星を発見したというニュースが流れていた。そのチームに参加していた教授は「類似例が見つかったことで、太陽系のような惑星系は珍しくないと言えるかもしれない」とコメントしている。
国際宇宙ステーション(ISS)に取り付ける日本の実験棟「きぼう」が打ち上げられた。シャトルとISSのドッキングも終わり、いよいよ今日夕方には船内保管室が取り付けられる。日本初の有人宇宙施設の誕生である。その昔宇宙開発の初期段階、米ソが競って打ち上げていた地上400km付近の宇宙空間にサッカー場ほどの巨大な施設を建設する。さらに、今後の実験や施設維持のため、日本は次期大型ロケットH2Bによる、補給機HTVを打ち上げる。次期固体ロケットが開発されればもはや、地球の周りに人工衛星を打ち上げることは、日常茶飯事なことになる。むしろ宇宙ステーションの建設は、その先にある“月”や“火星”への足がかりとする時代なのである。これまでに人工衛星は世界中から数千個が打ち上げられ、周回中の衛星は3千個に及ぶと聞く。どの軌道にどんな目的の衛星が廻っているのか、ITUによって管理されている状態だ。その中には各国の偵察衛星も含まれている。日本の偵察衛星でも、地上にある1mの物体を識別する。人間によって、地球の大気圏内は完全に掌握されている。
そういう環境にあって、地球外生命体やUFOの物的証拠がないのは何故なのか。知的生命体が地球を訪れているとすれば、なぜ地球を攻撃したり、カメラの放列の前で堂々と人類に接触しようとしないのか。どこかに存在していて欲しいと願う私としては、逆に“科学的実証”も“コンタクト”もできない状態なのではないかと考えている。つまり、異次元と我々の次元が接触したときに見える単なる映像で、スクリーンを眺めているような状況なのではないか。あるいは、異星人の空間と我々の空間をねじ曲げ、ワームホールでつないで、お互いがテレビを見ているような状態ではないか。いづれにしても、UFOは存在はするが、地球上では実体のない映像だけのものだと考えている。したがって、膨大なUFOの映像や写真のなかに、ほんの一握りだけ真実があるかもしれない。人類にとって地球外生命体の世界は「遠絶不可得詳」であるが、向うでは地球の歴史を観察しながら、人類もやっと地球外の天体に一歩を踏み出した、と今頃話題にしているかもしれない。
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2009・12・05 「英国防省、UFO班廃止」 |
ネットの報道によれば、英国・国防省は60年の歴史を持つUFO班を廃止した。1950年以来、目撃証言や写真を募ってきた直通電話や電子メールなどを廃止し、専従担当者も異動となったという。これまでに12000件以上のUFO情報が寄せられたというが、「UFO調査に防衛上の利益を見いだせず、防衛予算を使うのは不適切だ。どの情報も英国にUFOの潜在的脅威があるとの証拠とはならなかった」としている。 |