生命保険・一般課程試験 随筆のページへ

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FileNo.050424

生命保険一般課程試験を受けた。資格を持っていない社員全員が対象である。私は、あと半年もせずに定年なので当初辞退したが“どうしても”という事で受けることになった。私は試験を受けること自体そういやとは思っていない。むしろ受けるとなったら、このチャンスに生命保険業界のアウトラインだけでも勉強して、視野を広げてみよう思った。生命保険のセールスという仕事は、相当ハードである。ほとんどの人が門前払いで、取り付く島もないのが普通だ。テキストの最初に“社会的役割について確固たる信念を持つこと”という「心がまえ」を説いている。平成14年の実績では、契約高が約1675兆円、国民所得の約5倍の保障を引き受けているという。「一人は万人のために、万人は一人のために」という相互扶助の精神で、人々の安定した生活に大きく貢献している。そういう“誇り”が仕事の支えになる。確かに万一のとき、大きな保障が得られる生命保険は実に有効である。

生保業界は激動の時代である。バブル期には高金利で集めた契約だが、その後の低金利、株価低迷で運用利回りは予定利率にはるかに及ばない状態だ。相次いで破たんする生保が出たことでも、例外なく苦しんでいる現状がよくわかる。昔、破たんした生保に私も保険契約をしていたので、破たんしたらどうなるのか分っている。保険会社の健全性を示す尺度に「ソルベンシーマージン比率」というのがある。この比率が200%を超えていれば、一応よいという基準になっている。しかし、そこには我々には分らない数字のマジックがあるようだ。この数字はクリアしていても、膨大な債務超過で破たんする生保が出ていることからも分る。生保を悩ませる「逆ざや」解消の切り札として「保険業法」が改正され、予定利率の引き下げが可能になった。だがよく考えてみると、引き下げをすると言った生保に、誰も加入などしないだろうし、加入している人は解約するのではないだろうか。

今回私が資格を取ろうとしている生保会社は、聞けば聞くほど内容がよい。保険業界でははじめてポーター賞を受賞したそうだ。高い収益性を維持していることも要因のようだが、問題のソルベンシーマージン比率は、なんと1000%前後もある。持ち株会社の株価は上場以来だいたい5000円前後のレベルにあり、格付けも「AA−」というから、業界でもトップクラスだろう。そんな会社でも「逆ざや」は100億程度あるようだ。とにかく保険会社に限ったことではないが、業績の為には次から次へとニーズのある新しい商品を開発して、既契約世帯への売り込みと白地世帯の獲得をしなければならない。特に保険という我々の生活に密着した業界であるから、その商品も身近に感じるものばかりだ。生活習慣病に関連したものや医療保険関係、介護保険関係、年金保険関係などなどである。私も厚生年金の支給までのつなぎで「財形年金」に加えて損保ではあるが「年金払積立傷害保険」などにも入っている。

数日前、毎年更新している団体定期保険の配当が32%という知らせが来ていた。ボーナス毎に払っている掛け捨ての生命保険だが、この保険金額を考えれば、掛け金は割安である。万一のとき、残された家族がつつましく生きていくにはまずまずの額だ。生命保険関係では、もう一つ「がん保険」にも入っている。この保険は、入院給付金が目的で入った保険だ。これも、これ位の入院日額なら何とかいけるだろう、というのに入っている。その他に損害保険で定番の「自動車保険」「家財保険」と先ほどの「年金払積立傷害保険」などに入っている。いずれも、一年が終わって何もなければこれ以上のことはない。とは言うものの、何もないと、保険料が“もったいない”なんて気持ちが心のどこかに見え隠れする。それこそ払った保険料は万人のため、そして家族の安心のため、と高所から割り切るしかない。さて、何かあった時、はたして“もれなく、きっちり”請求できるだろうか。


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明治安田生命に2週間の業務停止命令が出された。病気の人だろうが何だろうが、どんどん勧誘し保険料を払わせておいて、いざ保険金を払う時には、ほんのちょっとした義務違反に難くせをつけて払わない。こんな傍若無人のケースが1000件を超えるかもしれないというからひどい。死差益で利益を出そうというのが社長方針なのだから、当然でるべくして出たことだ。
これじゃー、近時の「振り込め詐欺」と何ら変わらない。
たった2週間くらいの業務停止では許さん!!そんな会社はいらん!!
(050708)