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「塩辛のお茶漬け」
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日本人のもっとも手近にある料理にお茶漬けがある。お酒を飲んだ後、締めくくりはお茶漬けと言うのが定番である。この食文化は、もともと平安時代の貴族の食事であった水漬けが、時代とともに変化し現在のお茶漬けになったようだ。中元歳暮の時期には、お茶漬けのギフトセットもでる。贈り物として適当だろうかと疑問もわくが、変なものをもらって処分に困るより有難い。以前テレビのCMで、「日本人ならお茶漬けだろが〜」と叫ぶのがあった。テレビでCMをながすと言うことは、すなわちそれだけ需要があるということである。ご飯とお茶を使った料理であるお茶漬けは、正に食における日本人らしさの原点と言ってもいいだろう。

いろいろあるお茶漬けの中でも、私のお茶漬けは少々変わっている。お茶漬けの材料が「塩辛」なのだ。特別な塩辛ではない。スーパーに売っている「桃屋」のイカの塩辛を使う。このお茶漬けは、昔親父がやっていた方法を、受け継いだものである。当時はもちろん手作りの塩辛であった。親父は、あらかじめ塩辛を鍋でゆでて、それをご飯にかけて食べていた。私はまだ子供だったので、塩辛なんぞなんの興味もなく、食べようと言う気もなかった。しかし、年をとってくると、嗜好も変わってくる。だんだん大人が好む食べ物を好きになり、何時しか「親父の塩辛茶漬け」を好む年になった。直接伝授されたわけではないが、「門前の小僧、習わぬ経をよむ」で記憶をたよりに自分なりの工夫でつくりあげた。

では、そのつくり方を披露しよう。

用意するもの 「塩辛」(好みで適量)
「しそ」(梅干の紅しそを適量)
「かつおぶし」(1パック)
「醤油」(少々)
「のり」(
1/4ほどをちぎっておく)
まず、お茶漬け用の「大き目の茶碗」を用意する。
ごはんの上に適当な量の「塩辛」をのせる。この時ほんの少し、埋めるくらいの感じがよい。
この塩辛の周辺に、「しそ」をこれまた適量置く。この「しそ」が塩辛の臭みをとってくれる。
つぎに、「かつをぶし」の小さなパックを一個分かける。これで「だし」が出て味がぜんぜん違ってくる。
前準備の最後に少量の「醤油」を香り付けに全体にかける。これで準備は終わる。
 いよいよお茶をかけるのだが、お茶ではなく、白湯をかける。正確に言うとお茶漬けではなく、湯漬けと言うべきか。それもがんがんに沸騰した白湯でなければならない。
白湯をかけた後、茶碗よりちょっと大きめの「皿でふたをして一分ほど待つ」
出来上がったら好みで小さくちぎった「のり」をかける。

生臭さが消え、だしのきいた、おいしい塩辛のお茶漬けの出来上がりである。出来上がったお茶漬けを「さらさら」とかき込む。う〜ん、日本人に生まれてよかった。

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