火星 大接近 | 随筆のページへ トップページへ 最新情報へ File No.030825 |
今回の火星大接近は、約6万年ぶりの大接近だそうだ。6万年前といえば「旧人・ネアンデルタール人」もいた時代であるから、今回の接近がいかにすごいかが分かる。次の大接近は284年後というから、人類が見ているかどうか疑問である。知的生命体である我々が、感動を持って見ることが出来るほどの科学を、実にいいタイミングで手に入れたということだ。せっかく宇宙からもらった希少価値を何もしないのではもったいない。ということで8月に入ってから晴れた日は、気持ちのいい夜風に吹かれて空を見上げた。確かに肉眼ではっきり認識できるほどの輝きである。記念にと写真を撮ってみた。私の持っているデジカメは5倍ズームであるから、何の足しにもならないが、精一杯近づいて撮影を試みた。
私の小さい頃には、火星人というキャラクターがあって、頭でっかちで足は細長く、丁度タコが立っているような姿だった。これはイギリスのSF作家が書いた「宇宙戦争」のさし絵からきたものである。昔の人は実際に、火星には火星人がいると思っていたようだ。火星の筋状のものは、極冠から水を引く運河であり、運河が交錯するところには文明が存在すると思われていた。現在の科学からすれば、まるで幼稚で話しにならないが、少なくとも我々よりは、より人間的に空を見上げていたに違いない。このことは、現在の我々にもそっくり当てはまることである。現在の科学で分かる範囲で推理しているわけであるから、100年後には我々が、とんでもない考え違いをしていたということになるかもしれない。
我々は、海・オゾン層・磁気圏・太陽との距離・木星の存在などに守られ、奇跡的と言えるほど恵まれた環境の中にいる。「生命のゆりかご」地球は、多種多様の生命体を育んできた。同じ環境のもとで進化してきた無数の生命体の中で、知的生命体はホモサピエンス一種だけである。つまりそれほど知的生命体が発生する確率は低いということである。確率は低くてもゼロではない。それは、我々の存在が即ち可能性を証明している。その人間が、本格的に地球外知的生命体の探査を開始したのは、1971年NASAの
「SETI(セチ)計画」である。しかし、永遠の時の流れのなかで、知的生命体同士が、遭遇できる可能性は無に等しい。「ナスカの地上絵」が地球外知的生命体の残したものなら、我々はほんの2000年という一瞬の差ですれ違ったことになる。実に残念なことである。
太陽系で現に生命が存在するのは地球だけであるが、生命が存在するのではと思われる天体は、「火星」と「エウロパ(木星の衛星)」などがある。特に火星は、1996年NASAが発表した「火星の隕石に生命の痕跡らしいものを見つけた」というビッグニュースは皆が知るところだ。ところが、数日前の米科学誌サイエンスに「火星には海がなかった可能性が高い」と発表されたそうだ。しかし、今回の発表も多くの意見のうちの一つである。NASAからは「マーズ・グローバル・サーベイヤー」「2001マーズ・オデッセイ」など打ち上げられ現在探査中である。日本からは満身創痍ながら1998年宇宙科学研究所が打ち上げた日本初の惑星探査機「のぞみ」がある。海がなかったとなると、生命の存在の可能性は薄くなるが、火星は唯一人類が移住できる可能性のある星である。夢は捨てずに探査機の成果を待ちたいものだ。
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平成16年01月05日読売新聞より |
火星着地成功 |
米探査車 まず1号機 |
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平成16年02月05日読売新聞より |
火星に丸い石 米航空宇宙局(NASA)は三日、火星の平原に着陸した2機目の探査車オポチュニティが、顕微カメラで撮影した火星地面の拡大画像を公開した。細かい粒の土壌の上に、小石が散在、角がとれて丸みを帯びた石も混じっている。水流によって形成された可能性があるという。 |
平成16年02月08日読売新聞より |
火星探査車 スピリット完全復活 米航空宇宙局(NASA)は六日、火星探査車スピリットがコンピューターの不調から完全復活し、岩石調査を再開したと発表した。復活後の最初の作業として、金属製ブラシを使い、アディロンダック(偉大なる岩石)」と名づけた岩の表面を磨き、粒子の様子を顕微カメラで撮影。今後は岩石の表面を削るなどして、詳しい成分分析を行う。二号機オポチュニティは別の地点で順調に探査を続けており、これで当初の二機体制に戻った。 |
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平成16年3月3日yomiuri online |
火星が水に覆われていた証拠を発見…NASA発表 |