北海道〜レンタカーの旅


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FileNo.000716
富良野のラベンダー畑は、今回の大きな目的のひとつである。時期もラベンダーの季節に合わせた。ラベンダーといえばぜひ訪れたいスポットがあった。それは中富良野町の「ファーム富田」である。あるガイドブックに「昭和40年代後半、ラベンダー栽培をやめていく農家が相次ぐなかで唯一栽培を続け、富良野のラベンダーブームをつくった」とあった。「ラベンダーのふるさとファーム富田」といわれる所以である。富田氏は、プロバンス生まれのラベンダーの子孫を、大切に守りつづけたことが評価され、フランス・オートプロバンスから「ラベンダーナイト」の称号を受けたそうである。富田氏はファームを訪れる人を「はなびと」とよんでいる。私達も多くの「はなびと」の中の一人として、咲き誇るラベンダーを大いに楽しんだ。それはそれは、見事なものであった。「筆舌に尽くしがたい」とはこんなことであろうか。さらに、丘陵を利用した、赤・黄・青、などの花の帯は、カメラにおさめるのに絶好である。丁度私達が行っている時、「写真教室」であろうか、プロらしき人の指導を受けながら多くのカメラマンがこの「花の虹」を激写していた。プロが選んだ被写体である。感動の景色に、富田氏の花にかける思いを見た。
美瑛の丘は、パッチワークの路とネーミングされている。その広大さとパッチワーク風の彩りはすばらしい。「ケンとメリーの木」「セブンスターの木」「マイルドセブンの木」などなどコマーシャルに使用された景色も点在する。


プロが商品生命をかけて選んだ美瑛の風景がそこにある。しかし、感動の景色の裏には厳しい現実が存在する。数ヶ月前、テレビ番組で美瑛の丘を特集していた。何代にもわたって、心血を注いで守ってきた丘には、今も数千万円の負債があるという。この景色の裏にある厳しい現実を、どれだけの人が知っているだろうか。「丘であるが故に感動の景色を呈し」、一方「丘であるが故の厳しさがある」
藻岩山に登る。霧が出てきて、強い風が吹き寒い。暗くなるのを待って屋上へ。霧が強い風で吹き払われたり、またつつまれたりを繰り返す。霧がなくなると札幌市内の灯かりが「フアー」と浮かび上がる。幻想的な世界であった。
おだやかな日差し、すずしいそよ風につつまれ大通り公園でゆっくり北国の夏を楽しむ。「とうもろこし」「じゃがバター」を食べ、足元にはハトが遊ぶ。芝生で本を読む人、グループで談笑する人、日差しに輝く噴水の水。風がさらさらして気持ちいい。なんと幸せなひととき。



TVドラマ「北の国から」
五郎の丸太小屋 倉本聡さんの言葉
「灯りは小さいけれど、いつもあったかい」
夕張には、「幸福の黄色いハンカチ」の思い出広場がある。そこには今も、映画と同じ黄色いハンカチがはためいていた。この映画は、1977年度第一回日本アカデミー賞作品賞などその年の映画賞独占した山田洋次の名作である。「もし今でも一人暮らしで俺を待ってくれているなら、竿のうえに黄色いハンカチを下げておいてくれ…」と手紙を出したことを健さんが若い二人に話す。三人は夕張に向かう。何年も何年も待つづけた賠償千恵子が、今朝送り出した夫を迎えるように健さんのかばんを受け取る。感動のラストシーンである。

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