ひ　げ	随筆のページへ トップページへ file-No.020825

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先日、盆で一週間ほど休みが取れた。長期休暇が取れるとき、私は必ずと言っていいほど「ひげ」を伸ばす。休暇に入る２〜３日前から伸ばしだすと、約１０日間くらいは伸ばすことができる。「ひげ」は、会社の規則で禁止されているので、長期休暇の時位しか「ひげ」を楽しむチャンスはない。禁止されると余計に、ということもあるが、決して６０年代に流行った「体制への反抗」のひげではない。私のような殺風景なおじさんにとって「ひげ」はあくまでも「ファッション」の一つなのである。“ひげ”が似合うかどうかは、その人の顔とのバランスであるから、伸ばせばいいというものでもない。

最近、街を歩くと「ひげ」を蓄えている若い人が多い。若い人の「ひげ」こそファッション以外の何ものでもない。「イチロー」「竹野内豊」など多くの有名人が、「フェイスデザイン」としての「ひげ」で自己主張している。「計算された無精ひげ」だと、何かで表現していた。先日、テレビで「リチャード・ドレイファス」の番組が放映されていた。ステージの上に司会者とドレイファスが椅子に座って、「生い立ち」から「陽の当たる教室」までの人生を語るというものであった。この時のドレイファスもまた「計算された無精ひげ」であった。頬からあご全体が、短い白いひげで覆われていた。ひげを触りながら話す様子はなかなかのものだった。

長く伸ばした「ひげ」の手入れは、結構大変らしい。今のところ日常使っている「カミソリ」で整えている。（整えるってほどでもないが・・）今使っているのカミソリは、二枚刃の「シック･プロテクター」である。このカミソリは「セーフティーワイヤー」が付いており、切れ味に安全性がプラスされ非常に使いやすい。このカミソリにしてから、誤って肌を傷つけることがほとんど無くなった。シェービングフォームは、一時話題になった「買ってはいけない」という本で取り上げられた「資生堂ブラバス・シェービングフォーム」を使っている。肌に化学物質や刺激物はよくないなんて、小さいことを気にしていたら、生活できなくなる。かなり昔から「ブラバス」を使っているが、特に悪いと感じた事も無いので、そう大した事でもあるまい。

私の「ひげ」は、自分でも意外なのだが、８割くらいが白髪である。この感じは結構気に入っている。伸ばしてみようと思ったのも、実はそんな単純な動機からである。伸ばそうと思うのはあくまでも「あごひげ」であり「くちひげ」ではない。明治天皇のあの威厳のある立派なひげは別にして、私のような一小市民のおじさんが「くちひげ」を伸ばすと何か不潔で、飲食の邪魔でもある。私のイメージとしては、映画「フレンチ・コネクション」でおなじみの俳優フェルナンド・レイのあごひげである。今のところ、伸ばしてもわずか１０日くらいなので、及びもつかないが、これもまた定年後の楽しみである。