一筆啓上 中国殿

“食に用心、汚染流すな、土地肥やせ”
随筆のページへ

トップページへ

FileNo.071114

先日、福岡市保健環境研究所主催の「グローバル化時代の環境と健康問題」というテーマの発表会を聞きにいった。そのなかで特に“中国からの越境汚染”関連の問題に興味をひかれた。今年5月8日の光化学スモッグ注意報発令の原因は、中国からの汚染された大気によるものだった。熊本・長崎両県の発令は史上初という。特に注目すべきは、大気汚染など無縁のような壱岐・対馬といった離島でもオキシダントが高濃度になっていたことだ。シュミレーションによれば中国平野部の低空を通って東シナ海を横切ってきたという。黄砂だけでも大迷惑なのに、黄砂に汚染物質をたっぷり含ませてプレゼントされるのだからたまらない。これだけの汚染物質をまき散らしながら、中国は観測データは出さない、越境汚染は認めようとしないと、いつものパターンだ。中国にとって環境問題は国内の問題であって、外国からとやかく言われる筋合いではないということのようだが、それにしては日本の国内問題には随分口をだしてくれた。

今の中国企業はまず金儲けありきで、環境を守ろうという意識など無いに等しい。工場排水は垂れ流し放題。地下水は汚染され、河川は真っ黒で異臭を放つ。オリンピック選手がまともに戦えるかどうか懸念されるほどの大気汚染。法律などあって無きが如し。まさにやりたい放題の世界と言える。その拝金主義の中国企業だが、「排出権取引」だけは、その拝金主義のスイートスポットにぴったりはまったようだ。大規模な工場なら年間5億円くらいの利益になるという。先進国の最先端の技術を手に入れ、しかも金までもらえると言うのだから笑いが止まらない。つまり中国の企業としては“公害をいかにたくさん出しているか”が金儲けのポイントなのである。日本の企業は、必死で環境問題と取り組み、長い時間をかけつくりあげたシステムを、お金を添えて差し上げる。左脳では地球環境という観点から、先進国にも責任があると理解はしているが、もし金が絡まなければ見向きもしないだろうと思うと、私の右脳が首を縦に振らせない。

近時「メイド・イン・チャイナ」の話題には事欠かない。こちらもモラルの低さと金儲け第一のあり方は公害問題と根は同じである。安く安く買い叩いて中国から仕入れてくるバイヤーにも責任の一端はあろうが、今年だけでも、毒入りペットフード、鉛入り玩具、発がん性物質入りうなぎ、などなど続々と出てきた。真偽の程は分らないが「毛髪醤油」「段ボール肉まん」など我々の想像を絶する話題もあった。先ごろ開催されたAPECの声明は、名指しこそしなかったが、中国に対してのメッセージだった。それほど中国の食品や製品が世界に影響を与えているということだ。食品の危険性は、中国の人こそが一番分っている。政府高官は、自分の畑で安全な食べ物をつくり、金持ちは高くて安全な食品しか食わない。オリンピック関係者に食べてもらう豚は極秘で24時間監視のもと育てているという。いくら中国政府が安全を強調しようが、中国自身が中国の食品を非常に危険だと認識している証拠だ。

公害にしろ、危険な食品にしろ、偽ブランド品にしろ中央政府の打つ手などみんな“右から左へ受け流す”である。地方政府は、問題の認識はしていても、企業からの税収と雇用を優先し、賄賂と癒着の前にはどんな問題も存在しない。共産党大会の「科学的発展観」など意気込みはわかるが、機能不全の中国には“絵に描いた餅”だろう。本来なら、企業や市民レベルから湧き上がる力こそが浄化に向わせるのだろうが、共産党幹部にとっては逆にこれが一番危険なことだ。共産党の権力の座ほど居心地のいいものはない。自分の利益のためなら、国民がどうあろうと“そんなの関係な〜い”である。しかし、利権あさりにしても、食品の問題にしても、日本も威張れたものではない。防衛利権問題はどこまで広がるのか。食品偽装は、どれだけ出てくるのか、留まるところを知らずである。ただ、日本が中国と違うところは、司法が機能していることと、一般市民の良識が力を持っていることだ。


随筆のページへ トップページへ
平成20年(2008年)1月16日 西日本新聞
中国 インドを常任理に
「日本より優先」明確
[北京15日共同] 中国訪問中のインドのシン首相と温家宝首相が14日に調印した両国の「21世紀の共同展望」に関する共同文書で、中国がインドの国連安全保障理事会常任理事国入りを支持する内容が盛り込まれていることが15日、分かった。
 昨年12月末の日中首脳会談で、温家宝首相は「(日本の)常任理事国入りの願望に留意する」と述べただけで文書化もされなかった。中国はインド支持を表明したことがあるが、あらためて日本よりインドの常任理事国入りを優先する姿勢を明確にしたことで、日本の常任理事国入りは一層不透明になった。
 15日公表された共同文書は、国連改革に関して「インドは常任理事国入り希望をあらためて表明する」との表明に続いて「中国は発展途上の大国であるインドの国際事務における地位をとても重視し、安保理でより大きな役割を果たす願望を理解し、支持する」と明記した。外務省の姜瑜副報道局長は、15日、記者団に「文面はインドの常任理事国入りの願望を支持した」と認めた。
 文書はまた「発展途上国の安保理での代表性を優先的に高めること」が必要と指摘した。

「中国・上海の日本人学校の教材を差し止め」 平成20年(2008年)02月11日
今朝の新聞によれば、中国の上海・日本人学校で使用する、地理の書籍が、中国税関を通関できないでいるという。中国側は「一部に好ましくないものがあり、時間がかかっている」と回答した。中国が領有権を主張している尖閣諸島を、日本領としていることを問題視してのことらしい。そもそも尖閣諸島は、国際法的にみて、まぎれもなくわが国の領土である。しかるに、諸島付近に石油が埋蔵されていることが分かると、突然中国の領有権を主張し始めたのである。尖閣付近では、日本の巡視船を無視して調査を行い、沖ノ鳥島は“岩”だと言い、東シナ海ガス田では、日本が試掘をするというと「そうなれば軍艦を出す」と脅しをかける始末。とんでもない話である。


「ギョーザ中毒事件・中国側での毒物混入を否定」 平成20年(2008年)02月28日
中国製ギョーザ中毒事件で、中国公安が記者会見を行った。その発表の内容は「中国での混入の可能性は低い」「従業員に疑いのある人物はいない」「封印されたままでも袋内に毒物が浸透する可能性がある」など、誰もが耳を疑うものだった。そればかりか“日本の警察が中国の捜査に協力的でなかった”とまで言っている(当然、警察庁長官は反論した)。これこそ、中国の体質そのものである。中国国内での混入を否定するには、否定するだけの確かな根拠が必要であろうが、納得のいく説明は最後までなかったという。どうやら中国側に真相を究明するつもりなどないようだ。こういうメッセージが中国国内に流されることによって、またスポーツの観戦で日本に対するブーイングの嵐になる。
日本側の主張 中国側の主張
メタミドホスの混入場所 日本での可能性は低い 中国での可能性は低い
袋の外から浸透する可能性 可能性なし 可能性あり
メタミドホスの製造場所 日本以外での製造 断定は時期尚早
「中国の国防費6兆円」 平成20年(2008年)03月05日
中国の2008年度の国防費が、前年比17.6%増え20年連続2桁の伸びとなった。中国報道官によれば、台湾海峡有事に備えてというが、その先には当然米軍が意識されている。前々から言われているように、詳しい内訳を公表していないので、実際には公表された2〜3倍とみられている。当然日本の防衛費をはるかに上回っている。米国防総省によれば、中国は短距離ミサイルの配備を毎年百機以上増強しているという。さらに原子力潜水艦に搭載する射程八千キロの弾道ミサイルが2009−10年に実戦配備段階になるとみている。防衛省は、組織を引き締めて、その全力を国防に向けなければならない。
「日本記者の指名を取り消し・・・中国・温家宝首相記者会見」 平成20年(2008年)03月19日
温家宝首相記者会見で、日本メディアの記者の指名が取り消された。例年、この会見は海外の主要メディアの質問受け付けているが、今回日本ははずされたそうだ。当初、中国外務省は日本の新聞社の記者を指名していた。しかし、「ギョーザ事件」や「東シナ海ガス田問題」などについて質問することを伝えると、指名を取り消したという。会見では、米国、ドイツ、インドなど多くの外国メディアが指名され質問した。日本に来て笑顔を振りまいて、金を稼いでいった温首相の実態を知る思いだ。
随筆のページへ トップページへ



「中国の知的財産権保護・不十分」・・・WTOが指摘 平成20年(2008年)05月11日
世界貿易機関(WTO)が貿易審査報告書の中で、中国の知的財産権保護は不十分で、問題を残していると批判した。数日前、日本も「不公正貿易報告書」で模倣品や海賊版問題などで一層の対策を中国へ求めていた。法整備は進んでも、 海賊版や模倣品の横行が悪化しているという。このニュースからも、中国では法による取締りが機能不全に陥っていることがよくわかる。世界からもっと声をあげるべきだ。

「中国軍事費:世界3位・・・2位イギリスに肉薄」・・・・・平成20年(2008年)6月10日
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所の発表によれば、2007年の世界の軍事費で、中国はフランスを抜いて世界3位になった。中国の軍事費は、過去10年で3倍に増え、07年度は583億ドルで、2位イギリスの597億ドルに肉薄した。ところが、これには兵器の開発費などの国防費が参入されていない。これを含めると、公表額の2〜3倍になるという。英シンクタンク国際戦略研究所の「ミリタリー・バランス2007」によれば、すべてを含む中国の軍事支出は、1040億ドル(05年度)と推定している。これは今回発表の2位イギリスと3位フランスの合計に迫る額になる。一方、世界の兵器輸入では中国は12%でトップになっている。