米、灯台衛星に成功


昭和35年4月

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file-No. 040530

米、灯台衛星に成功

【ケープカナベラル十三日発AP=共同】米国は十三日午前七時三分(日本時間同日午後九時三分)ケープカナベラルから航海用人工衛星の可能性を研究するため設計したトランシット1B衛星をソア・エーブル・スター二段ロケットで打ち上げ、これに成功した。同衛星は高度八百`の円軌道に乗った。

米国は十三日、航海用人工衛星の先駆となるトランシット1B衛星の打ち上げに成功した。同衛星は、航空機、船舶などの位置決定に使う実用衛星で、国防総省が開発担当、昨年一度打ち上げたが、その時は失敗していた。

こんどの成功は人工衛星パイオニア五号、気象衛星タイロスの成功につぐ六〇年の宇宙科学三番目のヒットといえるが、トランシット衛星の目的、性能はだいたい次のとおり。

トランシット計画の主目的は衛星から信号電波を発射し、航行中の船舶、航空機がその電波を受信することによって、天侯に関係なく自己の位置を誤差一・六`以内の高精度で、現在の天測航法より簡単かつ正確に計測できるという。いわば“空飛ぶ灯台”の役割を果たす。

そのほか衛星の信号電波で地球の形状や地球上の遠く離れた二点間の距離を正確に計ることができ、長距離弾道弾の命中率を高めることもできる。このためポラリス潜水艦には最大の協力者となるわけ。

トランシット衛星はこのような目的を達成するためできるだけ正確な円軌道を描き、また安定した電波を送信するよう要求される。こんどの発射では第二段ロケットが上昇中一たん噴射を中止し、五百`の高度に達したとき再び噴射して衛屋を正確な円軌道に乗せるようとくに新ロケット・ソア・エーブル・スターが使用された。

【上の写真の説明】
マーキュリー計画の弾頭部、準備終わる


【AP】米政府当局二日の発表によれば二日、バージニア州ワールロップ島マックド・ネール空軍部隊で初の宇宙衛星弾頭の準備が完了した。
【UPI】米人口衛星マーキュリー計画のカプセルの写真が二日初めて公表された。この日カプセル第一号がバージニア州ワールロップ島の発射実験場の米航空宇宙局(NASA)に引き渡された。

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