夜空のトランペット
ニニ・ロッソ
ニニ・ロッソは現在ヨーロッパを代表するミュージシャンでトランペッター兼シンガーとして活躍、大いに人気を博しています。彼の音楽家としての苦難は18オの時から始まりました。ニースのナイト・クラブで4日間演奏できるという理由で、単独フランス国境を越える決意をしましたが、途中で、警察のパトロールに職務尋問され、旅券を持たなかったことからイタリアに帰されてしまいました.生活に困った彼は、アメリカ軍のキャンプで演奏するチャンスをつかみ、次いでピエモンテのナイト・クラブに出演しました.徐々に人気も上昇、コンボをひきいてイタリアは勿論のこと、ドイツ、オランダ、トルコ、そしてインドにまで楽旅しています。再びイタリアに帰国した彼は、故郷チュリン放送局でラジオ、TVに出演契約を交しました。その後チタナス・レコードの専属になり、当地きってのナイト・クラブ「ラ・カンパニーナ・ディ・フランチェスキ」にレギュラー出演するかたわら、自作のヒット曲を次々と放っていきました。こうして一流のプレイヤーになった彼は、自費を投じてスプリント・レコードを設立、その第1作「夕焼けのトランペット」で華々しいレコーディング・デビューを飾りました。今日まで、彼は「前進か死か」「ショック」「世界の裏の裏」などのイタリア映画の音楽を担当しています。
☆夜空のトランペット ・
原題をIl Silenzioといい、遠くから恋人にお寝みなさいを告げるロマンティックな曲です.65年6月にイタリアのヒット・パレードの第1位にランクされているという大ヒットぶり。作曲はロッソ自身とギリエルモ・プレッツア。ウィリー・プレッツアのオーケストラを従えてのロッソのトランペットが冴えています。
☆さすらいのトランペット
「夕焼けのトランペット」に続いてロツソが放ったヒット曲。
“世界をさまよい歩き 唄をロづさみしは 心の底に 秘密を持ちし
あの恋人もなき さすらいびと 思い出の道にそうて 歩み続け
唄を口ずさみしは あの恋人もなき さすらいびと”
哀愁の中にも何かほのほのとした温かいものが感じられる唄です.
☆さすらいのマーチ
松竹映配提供のイタリア映画「前進か死か」の主題曲イタリアの作家チーム、シモニ、ラヴァグニノ、ロッソの共作で、特にこの映画のために作られたものです。ロッソのペットは心憎いほどの出来で胸底をジーンとしびれさせます。
☆タ焼けのトランペット
ロッソのデビュー・ヒットで、57年春にスマッシュ・ヒットを飾りました。夕ばえに映えるペットの魅力も格別です。この一作でロッソの名は、世界的になりました。