株式投資について

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新聞に「ゼロ金利政策」の解除についての是非が特集されていた。ゼロ金利政策は、確かに企業業績下支えに成果をあげている。しかしその反面低い「預金金利」が我々の家計を圧迫する。100万円定期預金したとして1年でわずか1000円程度の金利にしかならない。「こんなに沢山金利をつけてくれてありがとう」と「いやみ」の一つも言いたくなる。一方、年金制度は、抜本的な再構築の必要性をみんなが認めながらも、具体性に乏しい。今回の年金法改正においてもその財源確保という重要な課題は先送りされた。各政党とも、有権者に耳障りの良いこと並べるが、「そんな事で本当に制度改革を実現できるのか?!」とさらに不安は増すばかりである。老後の必要生活費から考えれば公的年金では、少なくとも月10万円は不足すると思われる。日本版401kといわれる「確定拠出型年金」が導入されれば年金においても、自分の生活は自分で守らなければならない時代になった。そこで、資産運用における選択肢の一つである「株式投資」について考えてみる。

資金手当て

株式に投資する資金は、万一それが全部なくなっても生活に支障をきたさない資金であることが最も大切である。生活に必要な資金を使うと、目先の利益を追って、あせって売り買いすることになり結局大損することになる。ハイリターンの裏には、ハイリスクが存在することを充分理解出来てないと株式投資をする資格はない。

買いのタイミング

株式を購入する場合、私なりのポイントが三つある。@購入時期A業界B会社の三つである。具体的に最近買ったT銀行の例で言うと、@当時、相場全体が低迷し東証株価指数も13000円を割り込んだ状態であった。私にすれば、みんなが株を敬遠しているときこそ「買い」のタイミングである。次にA当時「銀行」の不良債権問題が大きな問題となっていた。国会では「金融再生法」「金融早期健全化法」が成立し何かと注目をあびている業界であった。B各銀行の財務内容を調べてみたが、その中にあってT銀行は比較的良好と判断した。(後に公的資金注入をこの銀行だけ拒否した)この銀行のその時の株価は800円台まで落ちて底を打って上昇に転じたところで、900円台半ばで購入した。大体において、こういうプロセスで買いを決定しているが、株は生き物であるからタイミングを見て個別銘柄の動きで買うことも当然ある。(T銀行株はその後1710円で売却した)

売りのタイミング

売りがその人の投資姿勢を一番よく表す。 上昇場面では「もっと上がりそうな気がする」「もし売った後もっと上がったら悔しい」という思いで売りそびれる。下降場面では、「あー、あの時売っておけばよかった」と悔やんで売りそびれる。要は、はっきりした考えを持たないことが売りの決断を鈍らせる。最近1900円で買ったH社の株式は、若干の上下を繰り返しながら暫時下値を切り上げてついに3000円の高値をつけた。その日、寄り付きで3000円をつけた後、2900円台後半をもみ合う形となった。材料は出尽くした状況での連騰であるから利食い売りが出るタイミングである。3000円を抜けなかった事で、一応黄色信号と判断し後場寄り付きで売却した。この後、翌日と翌々日二日連続で約100円値を下げた。たとえ、この後更に上値を追ったとしても、@しっかりした自分の決断で売却した。A自分の株を買ってくれた人もさらに利益を得ることになる。という投資姿勢ではっきり自分自身に決まりをつけるべきなのである。

購入より下がったら

購入価格より更に下がることも当然ある。半年ほど前、JCOの日本初の臨界事故が発生。原子力発電への不安感から電力各社の株価が一斉に下がった。K電力の株価は、99年1月には2190円の高値をつけていたが、この事故で一気に1400円台まで落ちた。これは千載一遇のチャンスとばかりにK電力株を買った。先行き不透明感はあるものの、基幹産業であるこの会社に対する絶対の信頼があった。しかし、購入後も更に値を下げ、一時1200円台まで落ちた。
ここで 妻 の株式投資に対する持論」を書いておこう
   @「株式というものは、値が下がっても売らなければ損はしない」
   A「下がったら、腰を据えて塩漬けにすればよい」
   B「永いスパンで考えれば株は必ず値上がりする」
   C「その為には、基盤のしっかりした体力のある会社に投資する」
結局これくらいの落ち着いた考えがない人は株式投資をしない方がいい。自由自己責任の時代において求められるのは、自分なりのしっかりした冷静な考えを持つことである。


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