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ダニー・ボーイ

シル・オースティン(テナー・サックス)

 「ダニー・ボーイ」の名演奏で知られるシル・オースティンについては、皆さんが多くのことをご存知のことと思いますが,来日したサム“ザ・マン”テイラーと同じく、彼は、テナー・サックスの神様と呼ばれるコールマン・ホーキンス、ベン・ウェブスター、チュー・べリーの伝統を受けつぐ、もっとも黒人的なテナー・サックス・プレイヤーの一人。 とくに感情豊かに歌い上げるスロー・バラード演奏にかけては定評があり、彼の「ダニー・ボーイ」「サマータイム」は、他の追随を許さない、絶対的な魅力をもっております。

☆ダニー・ボーイ

 この曲は、「ロンドンデリー・エア」という曲名でも知られています。原曲は古いアイルランドの歌曲で、フレデリック・エドワード・ウェザリーという人がこれに新しい歌詞をつけました。シル・オースティンは、その昔、アマチュア・タレント・コンテストに出場したおり、この曲を演奏、優勝したことがあり、彼にとって生涯忘れることの出来ない思い出の曲となっております。「ダニー、ダニー」とやきしく呼びかける女性の声につゞいて、シルのテナーがメロディーをとり、誠に見事に歌い上げます。

☆アイル・ウォーク・アローン

「セイ・ダーリン」「ベルは鳴る」「ジプシー」と、このところヒット・ミュージカルを立続けに出している売れっ子作曲家ジュール・スロインが、今から167年前に書いた映画挿入歌で、サミー・カーンが作詞しました。そしてダイナ・ショア、アーサ・ティルトンの女性歌手によって歌われ、かなり流行しました。ここでの演奏はメディアム・テンポ。シルのテナーは素晴しくスイングします。