映画「ターミネーター・ジェニシス」 映画のページへ

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File No.150721

「ダダンダンダダン」という音楽とともに、アーノルド・シュワルツネッガーが登場する。あの有名なシーンの「ターミネーター1」は、公開されたのが1985年だった。それから30年、いまだにその人気は衰えていない。今作は、特にアーノルド・シュワルツネッガー、12年ぶりの復活ということもあって、公開前からその人気は加熱気味だった。今作は、キャメロン監督の「ターミネーター1,2」をリスペクトし、それを引き継ぎながらも、新しく構築されたものである。つまり「新起動」である。注目すべきは、T-800に年齢的な変化が見られるというところだ。「おじさんT-800は古い型だ。身体の表面は人間と同じで年を取る」「古いがポンコツではない」。T-800はサイボーグながら、時間軸の移動とともに、年齢を重ねていく。その時間の流れが、今回シュワルツネッガーの復活につながったともいえる。「アイルビーバック」。67歳にして、「ターミネーター」はこの人でなければと言わせるシュワルツネッガーのT-800は見逃せない。

2029年。ジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)率いる人類の抵抗軍は、スカイネットの中枢部を攻撃していた。敵中枢部を破壊したかにみえたが、敗北を感知したスカネットは、すでにジョンの母親サラ・コナー(エミリア・クラーク)を抹殺すべく、時間転移装置で1984年にT-800型ターミネーター(アーノルド・シュワルツネッガー)を送り込んでいた。それを知った抵抗軍は、サラを守るためにカイル・リース(ジェイ・コートニー)を同じく1984年に転送する。ところが1984年には、サラを子供のころから、守り育ててきたもう一体のT-800がいた。か弱く自分の身も守れなかったはずのサラが、T-800の訓練で立派な女戦士になっていた。スカイネットが送り込んだT-800を破壊し、カイルはサラに助けられる。過去は書き換えられていたのだ。人類滅亡を阻止すべく、サラとT-800は、「審判の日」の1997年に時間転移しようとしていた。しかし、カイルが転送中に見た子供のころのタブレットは2017年に起動するように設定されていた。「ジェニシスがスカイネット」。「審判の日」が2017年になったことに気づいたカイルとサラは2017年に飛ぶ。

今回サラ・コナー役を演じているのは、エミリア・クラーク。小柄でかわいい女優である。それもそのはず「世界で最も美しい顔100人」のトップ10入り、2012年には見事1位に輝いている。それからすれば本来の時間軸の、普通の女の子で、か弱く自分の身も守れなかったサラが似合っているような気もするが。脚本家のカログリディスは「今回は、サラが子供の時から自分が誰なのか、すべきことは何かを知っていたら?という、根本的に異なる環境で育った場合の彼女なの」と言っている。9才の頃からT-800に育てられ、強い戦士として訓練を受けてきた。サラ・コナー役といえば、やはり初代のリンダ・ハミルトンの印象が強く残るが、今回のサラに似合いそうなのは、「クロニクル」のレナ・ヘディである。彼女は諜報機関のエージェントが似合いそうな雰囲気をもっていた。だがしかし今回、1984年時点で、サラ18才?T-800と父と娘のような信頼関係にあることを考えれば、エミリア・クラークになるのだろう。

今作は、過去が変わっていたり、違う時間軸へ転送したりと、時間の流れが複雑なので、整理しないと混乱する。そこで私なりに時間軸とタイムスリップを表にしてみた。これが正しいかどうか確認できないので、参考程度で見てほしい。まず本来の時間軸とは違う並行時間軸で、サラはT-800から守られ、女戦士として育てられる。2029年からT-800とカイルが1984年に転送されてきたときには、本来の時間軸の過去は、違う並行時間軸の過去に変えられている。そこで闘いがあった後、カイルとサラは、「審判の日」となるジェニシスが起動する2017年のジェニシスの時間軸に転送される。ところがその前に、2029年スカイネットにつかまり、T-3000に作り変えられたジョンが、2014年のジェニシスの時間軸に転送され、ジェニシスをつくる。この時間軸の2017年に起動のカウントダウンを迎える。・・・・!? 本作は三部作の第1弾になる。すでに2弾、3弾の公開予定も決まっているらしい。この新シリーズでは、今回のサラとT-800の関係が設定されているという。


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[並行時間軸の相関イメージ]

 未来を、取り戻せ
 『ターミネーター・ジェニシス』

 2015年7月公開/アメリカ/2時間6分

 監督:アラン・テイラー
 出演:アーノルド・シュワツネッガー、エミリア・クラーク

 「アイルビーバック」 シュワちゃんが帰ってきた。