惑星探査
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File No.150717

アトラスV
アメリカの無人探査機「ニューホライズンズ」が、冥王星の約1万2500キロに接近し、データを送ってきている。この探査機は2006年に打ち上げられ、48万キロを9年半かけ到達したものだ。人類がはじめて到達した惑星という意味でも価値がある。我々の時代は、太陽系の9番目の惑星として教えられたが、観測技術が進む中、新しい天体なども発見され、結局2006年に準惑星に分類された。それでもアメリカの天文学者によって発見されたということで、アメリカでは人気があるという。ディズニーのキャラクター「プルート」は、この「PLUTO(冥王星)」からきているらしい。最接近している探査機だが、時速約5万キロで駆け抜けていく。ただその間に、搭載している7つの機器で大気、地形、内部構造など様々な探査をする。その観測したデータ量は膨大なものなのだろう。すべてが地球に届くには16か月かかるという。だがそれはそれで、次々に届くデータが、どんな新しい発見をもたらしてくれるか楽しみではある。
先月28日、アメリカのケープカナベラル空軍基地から打ち上げられたロケット「ファルコン9」が、打ち上げ2分後に爆発した。このロケットは、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人宇宙船「ドラゴン」を搭載していた。さらに昨年10月、同じくアメリカのオービタル・サイエンシズ社の輸送船「シグナス」も失敗している。「ドラゴン」のスペースX社と、「シグナス」のオービタル社は、NASAのスペースシャトル退役後、ISS補給を委託された民間企業である。将来的には人員の輸送も視野に入っていただろうが、これで計画見直しは必至だろう。悪いことに補給船の失敗はこれだけではない。ロシアの補給船「プログレス」も、今年4月ドッキングに失敗している。なんと3連続失敗で物資補給を断たれたISS危うしである。ISSへの輸送は、アメリカ、ロシア、日本の3か国が担っている。残るは日本の補給機「こうのとり」である。今の予定では8月16日にH2B5号機で、種が島から打ち上げ予定である。間違いはないと思うが、こう続くとなにか呪われているようで不安である。
ニューホライズンズ

冥王星のハート型模様
JAXAは無人探査機で、月着陸を目指している。月着陸といっても、そこには日本らしさがある。普通、月などのへの着陸は、数キロの誤差がある。ところがJAXAは、誘導制御の自動化などの技術で誤差100m以内に着陸する。正確に目標地点に降りる「ピンポイント着陸」である。この技術は、JAXA次の計画である火星の衛星「フォブス」からのサンプルリターン計画に生かされる。JAXAは、こういった月や火星の衛星からの試料、「はやぶさ」「はやぶさ2」からの試料など地球外物質を専門に研究する新しい組織を7月1日に設置する。試料は日本だけではない。NASAが来年打ち上げる探査機「オシリス・レックス」が持ち帰る試料も分析する。JAXAは「世界中の研究者から研究テーマを募集して、試料を渡して結果を集約するハブ機能を担いたい」と話す。余談だがこの「オシリス・レックス」には、希望者の名前が刻まれたマイクロチップが搭載される。私も募集直後に登録をしたので、試料の入ったカプセルを回収後も探査機と共に宇宙を飛び続ける。
ビッグバンから138億年、我々の存在する宇宙は、ガスやチリが離合集散を繰り返しながら、銀河系を形成し、太陽系を作りだした。冥王星に接近した「ニューホライズンズ」は、小さな天体から大きな惑星に育つプロセスを調べ、太陽系の惑星がどのように生まれたかを解明しようとしている。日本が計画している火星の惑星「フォブス」探査は、火星が形成される進化の様子、あるいは衛星の起源にも迫ることが可能だという。「はやぶさ2」は、地球に存在する生命体がどこからきたのか、どうやって誕生したのかを解明しようとしている。それらはすなわち我々が住む地球を知るためであり、我々生命体の存在を解明するためである。あるいは宇宙に向かって我々の生存する領域を求めるためでもある。「人類はどこから来て、どこへ行くのか」という言葉をよく聞く。いづれ地球が宇宙のチリとなって拡散する時が来るかもしれない。人類はそれを克服し、種の保存を可能にする手段を手にするために研究している。
冥王星の表面
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2015/08/28 「こうのとり」(H2B5号機)打ち上げ成功
ISSの必要物資5.5トンを載せた「こうのとり」は、8月19日H2Bロケット5号機によって打ち上げられ、打ち上げは無事成功した。食料や水などの他、NASAから緊急で要請された“水再生装置のフィルターなど210kgも追加搭載された。これは米「ドラゴン」に搭載し届けるはずだった物資である。緊急で搭載する物資は特に、バランスに影響がないよう、微妙な配置を必要とする。その全てをクリアし、軌道への投入を成功させた。「こうのとり」は、8月24日ISSへ到着。油井宇宙飛行士の操作するロボットアームでキャッチされ、無事ISSに固定された。このドッキング作業は、NASA管制室の若田光一さん、筑波宇宙センターが連携し、油井さんをサポートした。油井さんはツイッターにこう書きこんでいる。「応援ありがとうございました。こうのとりは日本が技術大国である象徴です」。
主体 ロケット 補給機 結果
オービタル・サイエンシズ社 アンタレス シグナス 2014/10失敗
ロシア ソユーズ プログレス 2015/04失敗
スペースX社 ファルコン9 ドラゴン 2015/06失敗
JAXA H2B5号機 こうのとり 2015/08成功

2015/07/17 安保法・衆院通過
これで今国会の成立が確実となった。防衛体制の強化こそが、外交のバックボーンであり、平和を守る基本である。理念だけで、やみくもに反対する左翼は、領土・領海・国民の生命を守る手段を持たない。心のうちでは、どうせ強行採決するだろうから、そうなれば政権の足を引っ張る格好の口実が出来る、くらいしか思ってないだろう。
政権与党には、国を守る責任がある。
今日の新聞の社説の見出しは次の通り。
新聞   見出し
産経新聞 安保法衆院通過・日本の守り向上へ前進だ。
読売新聞 安保法案参院へ・日本の平和確保に重要な前進