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File No.150130

国内航空会社3位のスカイマークが、民事再生法の適用を申請した。これを受けて東京証券取引所は、3月1日に上場を廃止する。負債総額は710億円ということだが、エアバス社がA380の違約金830億円の訴訟の準備に入り不透明である。スカイマークは元祖格安航空だが、近年次々と参入してきたLCCに追い上げられてきた。LCCと大手の板挟みで、差別化を図るため、B737より大型のA330の導入したものの、利用率はかえって低下。加えてドル建てリース料の高騰が追い打ちをかけた。地方路線の失敗など、"貧すれば鈍する"とはこのことである。ミニスカ制服ぐらいではどうにもならない。資金繰り悪化で、A380の契約を見直そうとしたら、エアバス社も見限り違約金の請求である。どういう青写真を描いたのか知らないが、そもそも国際線に進出するといっても、一気にA380を6機はないだろう。経営破たんの原因は、円安の進行など外的要因もあろうが、やはり経営姿勢そのもの問題があったように思われる。

ワンマン社長の暴走を止められなかったスカイマークだが、韓国の暴力的暴走はレベルが違う。先月、大韓航空の副社長(社長の長女・40才)が、機内でCAのナッツの出し方怒り、動きだしていた旅客機を引き返させた「ナッツリターン事件」である。「私が飛行機を止めろと言っている」「ひざまずいてマニュアルを確認しろ」「私に盾付くの?」。ところが出し方がマニュアル通りだったと分かると、逆ギレして責任者を降ろしたのだ。さらに虚偽の陳述を強要したことが発覚すると「会社に長く勤められないぞ」と脅迫。まさにやりたい放題、向かうところ敵なしの絶対君主制である。本来儒教は、目上の人や、地位の高い人を敬う教えのはずだが、韓国では地位の高い人が、権力を振り回し横暴の限りを尽くす。セウォル号事件では、あらゆるところが癒着した韓国社会の裏が浮き彫りになったが、今回も国土交通省とのズブズブの関係が明らかになった。韓国で事件が起きると、どこを切り取っても、倫理のカケラもない。

今月14日閣議決定された2015年度予算案で、福岡空港2本目の滑走路増設に事業費4億8000万円が付けられた。初めての予算計上である。15年度予算の内容は、設計や埋蔵文化調査などの費用だという。ようやく増設に向け動き出した。13年度の発着回数は、16万7000回で、滑走路1本の空港では国内最多である。全体でみても羽田、成田に次いで国内第3位になる。増設は現在の2800m滑走路の西側に2500mの滑走路を増設する。増設後の発着回数は18万8000回になり、慢性的な混雑状態から一転、新たな路線の誘致などで、九州全体の経済に、より貢献することになる。新滑走路の経済効果は、国土交通省の試算によれば、運用開始から50年間で、建設費や維持費などのコストの2.7倍にのぼるという。とはいうものの運用開始はこれからおよそ10年後である。現在の発着回数は、すでに定時運航ができる回数を超え、限界に達している。1日も早い完成が望まれる。

国土交通省は、福岡空港を2017年度に民営化する方針である。国管理空港の運営権売却は、仙台空港に続き2例目となる。国土交通省の目論見は、この運営権の売却による収入を、1800億円かかる滑走路増設費用の一部に充てる考えのようだ。運営権売却後は、民間の効率的な経営感覚で、空港本体と空港ビルを一体的に運営する。その結果、現在全国一律の着陸料を大幅に引き下げることができれば、さらなる活性化が期待できる。すでにこの運営権の入札に参加を表明する企業も出ている。福岡空港ビルディングは、安定した高い収益力があり、参入する企業にとって魅力があるという。昨年末には、西鉄が地元企業との連合による応札の方針を発表したが、今日(1/30)JR九州が、単独と共同両面を視野に、入札に参加する方針を明らかにした。ただ民間委託によって、利益が優先され、安全に懸念はないかという意見も聞かれるが、西鉄やJR九州などであれば、安全運行については、プロとしての高いノウハウがあるはずだ。いずれにせよ、JR九州・青柳社長が言うように"九州の企業でやるべき"だ。


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