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File No.141023

第2次安倍内閣で、2閣僚が相次いで辞任した。第2次政権は、発足から同じメンバーで続いた内閣として、戦後最長を記録していた。ところが今回、改造内閣がスタートしてわずか1か月半のことである。過去最多の女性閣僚就任となったのは「女性が輝く社会」の象徴としての起用だった。ところが今回の改造内閣の目玉であった「女性閣僚」の降板である。だが、女性の活躍は、今後の日本再生の重要なカギであることに変わりはない。先日閣議決定された女性活躍推進法案などの成立も待たれるところである。辞任した閣僚はそれぞれ次のように話している。小渕氏は「大臣として政策に停滞をもたらすことは許されない」。松島氏は「国政に遅滞をもたらし、国民に迷惑を掛ける事態を招いて申し訳ない」。いづれも、国政の遅滞を最小にとどめたいという思いである。これを受けて安倍首相も「難問は山積している。行政、政治に遅滞があってはならない」として後任を決定した。

さて、小渕議員であるが、後援会の観劇会で、会費収入を上回る支出が政治資金収支報告書に記載されていた。巨額な食い違いを「報道で知った。驚いている。知らなかったでは済まされないという思いだ」と語った。おそらくこういうことがこれまで、公然とまかり通っていたのである。政治資金収支報告書は、虚偽記載があれば罰則が課せられる。公表されるとは言え、税金がどう使われているのか、しかるべき部署で検査をしないのか。おそらく現実はフリーパス状態なのだろう。それが閣僚になったとたん問題が噴出する。政治資金収支報告書は、政権の足を引っ張る材料として、時期が来るのを、虎視眈眈と待っているような代物か。であれば今回いい機会だから、与野党問わずこの際、多すぎる有象無象議員の政治資金収支報告書を全部精査するといい。一方、松島議員は、「うちわ問題」に対する向き合い方に問題がある。ところが、国会で激しく追及していた民主党の蓮舫議員も、以前うちわ(?)を配っていたらしい。所詮、こんなものである。

チェック機能がないのは、地方議会もまた同じである。号泣議員の政務活動費の内容には、開いた口がふさがらん。こんな馬鹿な議員にも、政務活動費が1人月50万円、年額600万円が出されている。たまたま表ざたになって騒がれるが、これも氷山の一角というのは、容易に想像がつく。カネに汚い議員どもは、まさに猫の前に魚を置いて"食べたらだめ"と言っているようなもの。食べない訳がない。それを前提とするなら問題なのは、政治資金収支報告書同様、それがフリーパスでまかり通っているということだ。3年間で345回もの日帰り出張したとして、約800万円が、ただただ議員の言いなりで支出されている。何のチェック機能も働いていない。追及されると、泣きわめく、取材陣を振り切ろうと、走って逃げまわる。こいつらが選挙になると「市民目線で・・・」とか「市民のために・・・」とか、したり顔で叫ぶのである。こんな現状を見ると、本当に心が折れそうになるが、そうなれば、それこそ馬鹿どもの思うつぼである。

さて、今回の相次ぐ辞任劇で、野党が勢いづいている。野党は、辞任した2閣僚は「説明責任を果たしていない」と、国会の審議が当面進みそうにない。それどころか、もう一人辞任に追い込んだら「辞任ドミノ」というワードが使えると、政務三役など新たなターゲット探しに余念がない。党利党略、私利私欲、相も変わらずレベルが低い。結局、これまで繰り返されてきたように、国会審議を人質に、国政を混乱させようとしている。野党にとって、"重要法案の審議"と"うちわの配布"を天秤にかけると、"うちわ"の方が重いらしい。本末転倒とはこのことだ。我々はそんな国会見たくもない。真相究明はきちんとやらねばならないが、それはそれ、これはこれ、国を前に進めるのが本分だろう。新しい「維新の党」も民主党と歩調を合わせているようだが、もはや賞味期限切れか。国政が停滞し、国家の基盤が揺らげば、強い外交は望めない。周辺の敵対国が喜ぶだけである。強固な国の基盤こそが国民の生命と財産を守る。

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2014・11・09 税金の無駄遣い 2831億円 (2013年度)
会計検査院が2013年度の決算検査報告を提出した。税金の無駄遣いなどの指摘金額は、総額2871億7398万円だった。中でも法令などに違反する「不当事項」は、141億4066万円にのぼった。毎年同じように繰り返される膨大な無駄遣いは、いつもながら許し難い!! ちなみに宇宙航空研究開発機構(JAXA)の2014年度の予算が1545億円だぞ。JAXAがあと二つできる。毎年、毎年、毎年、何なんだこれは!!怒り心頭だが、田舎のおじさんにはどうすることもできない。本当に血管が切れそうだ!!!!

政治資金収支報告書の規定を調べてみた

登録政治資金監査人の監査を受け、登録政治資金監査人が作成した政治資金監査報告書を提出することになっている。ずいぶんものものしいが、結局、この監査法人なるものが、ただ形を整えるだけのもので、ほとんど機能していないということなのだろう。小渕議員の場合、平成22、23年の報告書であるから、当然この規定に則って作成されたはずである。
政治資金監査
国会議員関係政治団体の会計責任者は、収支報告書を提出するときは、あらかじめ、登録政治資金監査人の監査を受け、登録政治資金監査人が作成した政治資金監査報告書を提出しなければなりません。
 「登録政治資金監査人」とは
登録政治資金監査人とは、政治資金監査を行う者として、弁護士、公認会計士、税理士のうち政治資金適正化委員会に登録された者をいいます。政治資金適正化委員会が行う政治資金に関する研修を修了した登録政治資金監査人が、政治資金監査を行うこととされています。
 監査事項
登録政治資金監査人による政治資金監査は、次の4点について、政治資金適正化委員会が定める具体的な指針に基づいて行うこととされています。
1、 会計帳簿、明細書、領収書等、徴難明細書、支出目的書、振込明細書が保存されていること
2、 会計帳簿にその年の支出の状況が記載されており、かつ、会計責任者が会 計帳簿を備えていること
3、 収支報告書は、会計帳簿、明細書、領収書等、徴難明細書、支出目的書及び振込明細書に基づいて支出の状況が表示されていること
4、 徴難明細書、支出目的書は、会計帳簿に基づいて記載されていること
なお、政治資金監査は、国会議員関係政治団体のすべての支出が対象ですので収支報告書において明細の記載が必要とされていない人件費についても、監査の対象となります。



政治資金適正化委員会における取組及び検討状況についての取りまとめ
平成23年3月
政治資金適正化委員会
平成19年、事務所費や光熱水費等の政治団体の支出について様々な報道・批判が行われ、政治資金の使途に対する国民の政治不信が高まったことを受け、第168回国会において、与野党間での精力的な協議の結果、国会議員が関係する政治団体の範囲を明確にした上で、これに該当する政治団体に対し、収支報告書等について登録政治資金監査人による政治資金監査を受けることを義務付けること等を内容とする政治資金規正法の改正法案が可決・成立し、平成20年4月1日、政治資金適正化委員会が総務省に設置された。

政治資金適正化委員会では、発足以来、改正法の目的でもある政治資金に関する収支報告の適正の確保と透明性の向上に対する国民の期待に適確に応えるため、登録政治資金監査人の登録や研修、政治資金監査に関する具体的な指針(政治資金監査マニュアル)や少額領収書等の写しの開示請求が権利の濫用又は公の秩序若しくは善良の風俗に反すると認められる場合の具体的な指針の策定等、政治資金規正法に定められた所掌事務について、関係士業団体等の協力を得ながら、精力的に取り組んできた。

この結果、国会議員関係政治団体の政治資金監査制度は、平成21年の収支報告から無事にそのスタートを切ることができたところであり、また、その収支報告書の要旨が平成22年11月末までに公表された後、その収支報告に係る政治資金監査報告書の閲覧等や少額領収書等の写しの開示に係る手続も開始されるに至ったところである。