1964年から半世紀

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File No.140111

1964年から今年は丁度50年。私が高校を卒業し、自分の足で人生を歩み始めて半世紀が経った。改めてそう思うと感慨深いものがある。就職した年、昭和39年(1964年)には、いろいろエポックなことがあった。社会に出たばかりで、何もかもが刺激的だった。東京オリンピックが開催され、“夢の超特急”東海道新幹線が走り出した。海外旅行が自由化され、東京モノレールが開通したのもこの年だった。これだけでも何かエネルギーに満ち溢れていた感じがする。

映画では「007/危機一発」「マイ・フェア・レディ」など、私にとって忘れられない映画が公開された。1964年の「人気スターベスト20」を見ると、懐かしさに鳥肌が立つ。当時のスターを見ると、女優も男優もみな存在感があった。オードリー・ヘプバーンは、半世紀の時を超え、今もなお絶大な人気を誇っている。「マイ・フェア・レディ」では、歌をオードリー自身が歌っていなかったということで主演女優賞を逃した。彼女が撮影直前まで自分が歌うと信じてハードな練習をしていたことを思うと、今も残念な思いである。

先月「アラビアのロレンス」のピーター・オトゥール氏が亡くなった。半世紀も経つと、鬼籍に入ったスターたちも多い。今世紀になって亡くなった往年のスターを何人か挙げてみよう。
女優 男優
エリザベス・テイラー(2011) チャールトン・ヘストン(2008)
ジーン・シモンズ(2010) グレゴリー・ペック(2003)
ジェニファー・ジョーンズ(2010) ジャック・レモン(2001)
ファラ・フォーセット・メジャース(2009) チャールズ・ブロンソン(2003)
キャサリン・ヘップバーン(2003) ピーター・グレイブス(2010)

「大いなる西部」(1958)という映画があった。これに出演していたのが、グレゴリー・ペック、チャールトン・ヘストン、ジーン・シモンズだった。 いづれも今世紀に亡くなっている。形あるものすべてが壊れ、命あるものすべてが必ず終わりを迎える。人間は生きて約30000日である。私も生後約25000日を生きた。その間約15000日働き、定年後約3000日が過ぎた。生き過ぎた感はあるが、これも寿命である。しっかり死ぬために、しっかり生きなければならない。
「SCREEN」2007年2月 創刊60周年記念特別号より 「スクリーン」愛読者が選んだ
外国映画ベスト10

(1964年度)
1 007/危機一発
2 ブーベの恋人
3 マイ・フェア・レディ
4 リオの男
5 ラスベガス万才
6 家族日誌
7 シェルブールの雨傘
8 昨日・今日・明日
9 マンハッタン物語
10 トム・ジョーンズの華麗な冒険


1964年2月号表紙

1964年10月号表紙



「スクリーン」1979年5月号別冊付録より
「スクリーン」愛読者が選ぶ
「人気スターベスト20」(1964年)


アン・マーグレット

ジェーン・フォンダ

ナタリー・ウッド

「洋画チラシ全集」より 1964年公開映画 (2001年頸文社発行) 




「保存版 アカデミー賞」より(2004年共同通信社発行) 1964年・第37回

1964年・第37回 アカデミー賞

「マイ・フェア・レディ」
作品賞・主演男優賞・監督賞
衣装デザイン賞・編曲賞
美術監督・装置賞

「メリー・ポピンズ」
主演女優賞
特殊視覚効果賞

作曲賞



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