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File No.131006

久しぶりに福岡空港に出かけた。夜明け前まで降っていた雨が何とか上がったものの、終日どんよりとした一日だった。前回運航日を間違って、KLMオランダ航空の撮影ができなかったので、今回はリベンジである。KL869便が定刻通り8:20AM飛来し無事撮影終了。他にもいろいろ収穫があった。まずPEACHの特別デザイン機「Roots of Kawaii・Rune」である。内藤ルネ氏の作品らしいのだが、残念ながら私はこちら方面は疎い。しかしデザインを観るかぎり、ルーツと言われながらも、今なお新鮮さを感じさせるキャラクターである。次はANAのポケモンジェット。この塗装機は747など歴代あるが、これは「ピース・ジェット」と呼ばれる777-300である。ピカチュウをよーく見ると、確かに短い指ながらピースサインをしている。ANAの「エコボン」は、EcoとBonVoyageを合わせた言葉だという。私は機種がDHC8-Q400なので、てっきりボンバルディのBonだと思っていた。エコとうたうだけあって、同クラスより30〜40%燃費がよく、騒音も約10デシベル低いという。企業の取り組み姿勢をアピールするものである。ほかにも海上保安庁(七管)のビーチクラフト機「うみかもめ」(JA868A)が発進していった。


PEACH・GirlsAward

Roots of Kawaii・Rune

B−787型機が運航再開して約4か月が過ぎた。突然、降ってわいたように次々に発生したトラブルだが、幾重にも講じられた対策が評価され、運行再開となった。おそらく再開から1万便近くは飛んでいるだろうが、特にトラブルは起きていない。バッテリーの中のひとつのセルが発熱し、それが他のセルに伝わって発煙したわけだが、なぜ発熱したかという原因はまだ分かっていない。しかし、外から過重な電流が流れた可能性はない。そもそもこのバッテリーは、バックアップのバックアップという存在である。まずエンジンによる発電が2台あり、それが停止した場合尾翼付近にある2台の補助発電機が作動する。それに不具合が発生した時、今回のバッテリーが必要になる。このシステムの流れと、今回の対策内容を考えれば、運航再開は適切だったと思われる。中型機ながら大型機に匹敵する飛行が可能になり、その効率の良さが航空業界に与えるメリットは大きい。


ANAポケモンジェット

ANA エコボン


航空業界はLCC(格安航空)の登場で、様変わりをしている。スターフライヤーが10月1日から「福岡−大阪」便就航にあたり4,500円という広告を出していた。これまで飛行機という選択肢のなかった人たちが、利用するようになり、全体を底上げしている。特にPeachなどは、男性客と女性客の比率が半々くらいになっているという。フルキャリアとLCCが十分共存できることが証明された。ただし、やはりフルキャリアは、サービスの質の向上が評価されるかどうかである。そんな中ANAは積極的に質の向上に取り組んでいる。「フルフラットサービス」や「チケットレス」といったサービスで、他社との差別化を図っている。CA全員の正社員化なども、優秀な人材の確保という意味から、質の向上に大きく貢献するはずだ。JALが公的支援、税制面での優遇を受けるなど、競争環境がゆがめられている中、ANAはよく頑張っている。


KLMオランダ航空

海上保安庁・うみかもめ(JA868A)

ANAとJALが激しくぶつかり合った「国際線・羽田発着枠配分」だが、ANA・11枠、JAL・5枠で決着した。羽田発着枠は1枠17〜18億円の増収と聞く。この傾斜配分は、ANAが主張していた「歪められた競争環境」が認められたということである。この決定が密室での決定などと批判する向きもあるが、私は妥当な判断だと思っている。平成25年3月期の連結決算では、手厚い保護を受けているJALは、ANAの4倍の利益を出している。好調なJALに対し、ANAは4〜6月期は、赤字だったという。3500億円の公的資金、銀行の5200億円の債権放棄、税制の優遇を受けて、膨大な黒字を計上しながら、なお公平な枠配分を要求するJAL。そもそもほんの2〜3年で、企業風土が変わるはずもない。はやくも昔の感覚が蘇っている。ANAが国際線に乗り出せば、2020年東京オリンピックに向け更なる飛躍が期待できよう。その時こそANAとJAL、正々堂々の勝負の時である。

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福岡空港にて撮影
 ↑ 2013年5月10日 ANA「ボーイング787就航に向けて。」の全面広告

メッセージ内容
『この度、ボーイング社の787型機改修プランが米国連邦航空局により承認されるとともに、国土交通省による耐空性改善通報の改定が行われ、787型機の運航が可能となりました。
これを受けANAとして、787型機の安全性を十分に確認し、安心してご搭乗いただけるためのあらゆる準備を整えた上で、6月より787型機の定期便を再開することをご報告いたします。
787型機にご搭乗いただきましたお客様をはじめ、欠航や時間変更に伴い、ご迷惑やご心配をおかけした皆様に、ここに改めて心よりお詫び申し上げます。
一便一便、私たちANAは努力してまいります。安心という大きな価値を感じていただくために。そして快適な、空の旅のために。』




2013・10・09 JALの思い上がり!!!
JALがボーイング777の後継機としてエアバス機A350を購入する。手厚い保護のもと、膨大な利益を出し、31機、9500億円の正式契約をしたという。購入するのはA350で、B787の競合機である。787は日本の多くの技術が貢献している。焼け太りのJALが、あえてエアバスを、それも大量に購入するというのは、自分たちの努力だけで回復したと勘違いしているのではないのか。我々の貴重な税金が投入されたという自覚もないのだろう。ほんの数年で企業風土が変わるはずもないと書いたが、元の傲慢なJALに戻るのに時間はかからなかったようだ。以前誰だったかこんなことを言っていた。『ANAは、“どうぞ乗って下さい”、JALは“乗せてやる”という感じである』と。