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File No.130515


大井川鉄道「C108」
5/13に「駅弁刑事・神保徳之助7〜大井川人情編〜」という2時間ドラマが放映された。人気のある大井川鉄道を物語の中でどう扱うのか、それと主演の小林稔侍さんと長男・小林健さんの共演ということもあって録画した。冒頭、大井川鉄道のSLに乗った神保刑事が、車内で駅弁を食べるシーンから始まる。物語は、殺された河原の妻子が、大井川鉄道の家山駅付近に住んでいるという設定だった。神保刑事が、妻子と接触するために、何度か家山駅を訪れる。その途上で、橋梁を渡るSLや21000系、豊かな自然が広がる沿線風景などが差し込まれる。エンディングでは家山駅に入ってきたSL「C108」をしっかり映していた。親子共演と云うだけあって、このSLに乗って去っていく小林稔侍さん(神保刑事)を、小林健さん(警視庁・北村係長)が敬礼で見送る。小林稔侍さんの味のある演技はもちろんだが、正義を貫いた官僚・川原に、北村係長の正義感をオーバーラップさせたところも見どころのひとつだった。
物語は5年前、財務省官僚・河原を殺した矢沢という男の自殺死体が発見されたことに始まる。当時、この事件をきっかけに河原の大手銀行との癒着、収賄が公になり、財務省の大スキャンダルになった。結局、犯人は、当時財務省で河原の上司だった宝生雪乃代議士だった。物語の途中までは、河原の同僚だった石黒が、殺したのではないかという展開になる。しかし、河原から不正の告発を相談された石黒は「自分を巻き込まないでほしい」と、その内容も聞かなかった。正義を信じ、信念を貫いたが故に殺され、妻子までつらい人生にした河原。「俺は、お前のように生きていくつもりはない」と、サラリーマン根性で財務省のエースにまでなった石黒。警視庁捜査一課長が、北村係長に言う。「君に問いたい。正しいことって何だ?これだけ混沌とした時代だ。何が正しく何が正しくないか、君に分かるのか。君は、はっきり言い切れるのか。私も自分が正しいと思っているんだよ」。
大井川鉄道・家山駅

寝台特急「あさかぜ」(EF66)
新聞の番組表で「寝台特急あさかぜ殺人事件」というサスペンスドラマを見つけた。「あさかぜ」というからには、かなり以前のものだろうと録画してみた。調べてみると、このドラマの放映は平成17年3月28日だった。最初の殺人は、平成17年2月17日、引退間近の寝台特急「あさかぜ」の個室寝台で発生する。第二の殺人は、博多発→大分行きのL特急「ソニック」の車内。そして第三の殺人は、「あさかぜ」ラストランの日、平成17年2月28日に起きる。「あさかぜ」最後の姿をとどめるためのドラマだったと言えるかもしれない。九州にとって「寝台特急・あさかぜ」の果たした役割は大きい。九州を夕方出発して東京に翌午前中に到着する九州と東京を直接結んだ初めての夜行列車だった。これこそがブルートレインの始まりである。しかし、新幹線、航空機利用などに押され、国鉄からJRになったのを機に、寝台特急は次々に姿を消していった。そういう意味でもドラマを観ていて感慨深いものがあった。


大井川鉄道は、SLを運行しながら保存する日本初の動態保存鉄道である。電化時代にあって、定期運行しながらというのは、遥かに高い困難が待ち受ける。SLを走らせるためには、それを動かすシステム全体の維持が必要になってくる。それは、人的なもの、設備的なもの、技術的なものなど多岐にわたる。中でも一番困難なのは、メンテナンスである。大井川鉄道では、摩耗し、壊れていく部品を、自分たちでつくったり、廃車されていくSLから確保しているという。ところが最大の問題は、ボイラーである。SLのボイラーに関する法律がなく、民間会社で新たに製作することができないという。最終的に法律は何とかなるかもしれないが、特殊技術が失われてしまっては取り返しがつかない。これは大井川鉄道という一企業が経営立て直しのため、観光資源として動態保存に取り組んだという問題ではない。SL運行を貴重な文化財として考えた場合、産業遺産として守っていく方法考えなければならない。
大井川鉄道「21000系」


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ブルートレイン「あさかぜ」
博多発→東京行き



(雑誌から切り取って、部屋に貼っていた。元の雑誌がはっきりしないが、「RM MODELS」の増刊号ではないかと思う)
東京発ブルートレイン最終章
さようなら「富士・はやぶさ」
(アールエムモデルズ4月増刊)
2009年4月1日発行