映画「ダイ・ハード/ラスト・デイ」を観て 映画のページへ

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File No.130218
シリーズ4作目から6年、世界で最もツイてない男、ジョン・マクレーンが帰ってきた。今回はシリーズ1作目からすでに25年が経つ。その経年とシンクロして、前回は女子大生に成長した娘のルーシーが登場し、今回はCIAの秘密捜査官になった息子のジャックが活躍する。ジャックは1作目の冒頭、ホリーが自宅に電話したとき、ルーシーと部屋で遊んでいた、あの幼かった子供である。二人ともまぎれもなくジョンのDNAを受け継いでいる。子供の成長に目を見張る一方、ジョン・マクレーンの行動力は一向に衰えを知らない。回を重ねるごとに行動範囲を広げ、今回はついにアメリカを飛び出した。しかしどこへ行こうとも、トラブルに巻き込まれるという運命は付いて回る。これまで、いかなる困難にも立ち向かうタフな精神力と、それを支える圧倒的な身体能力で切り抜けてきた。今回も健在である。
ニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は、数年前、ののしり合いで別れたままの息子ジャック(ジェイ・コートニー)が、モスクワで逮捕されたことを知る。罪状は"よくて終身刑"だという。マクレーンは、娘ルーシーに見送られロシアへ飛ぶ。裁判所に到着したジョンの前に、出廷しようとするジャックがいた。ところが、その裁判所は突如爆破され、武装集団が突入する。武装集団の目的は、内通者コマロフの拉致。ジャックは犯罪者どころか、CIAの秘密捜査官で、コマロフの警護の任務に就いていたのだ。突然現れた父親ジョンのために、身分を隠し3年間準備してきた"ワイルド作戦"は失敗。急きょ作戦は"Bプラン"に切り替えられた。ジャックはコマロフを保護し隠れ家へ急ぐ。それを追う武装集団の一味。それを目撃したジョンの刑事魂に火が付き、三つ巴の激しいカーチェイスが始まる。
さて今回ストーリーの展開に絡み合うように描かれているのが、ジョンとジャックの親子関係である。図らずも、二人は協力して命がけの戦に挑み、いわば戦友となる。「楽しかった。お前と一緒だったから。愛してるよ」「俺も」「援護してやる」。前作では娘ルーシーが登場した。最初は「あんたって、マジで最低よ」「おい、ルーシー・マクレーン」「マクレーンじゃない。ルーシー・ジェネロよ」と最悪だったが、ルーシーを無事救出すると「父さん、大丈夫?きっと来てくれるって・・・」「遅くなってすまなかった」と打ち解ける。今回ロシアへ行くことになると“おバカ用の旅行案内”渡し、「あまり面倒を起こさないで」と送り出す。今もルーシーとは好い関係が続いている。だが、問題はホリーである。余りに有能であるが故に、いろいろと問題が発生する。1作目では、会社で旧姓のジェネロを名乗っていたためケンカになるが、救出して信頼を取り戻す。その関係は2作目も続く。「なあ、ホリー。こっちへ着いたら、レンタカーでも借りて、二人だけでホテルに泊らないか」「素敵な警部補さん」などと信じられないくらいの関係である。ところが3作目では、「今じゃ、別れたも同じさ」と、電話でケンカしたまま1年も話をしていない。ゼウスに促されてやっと電話をかけるが、ホリーを呼び出したとたん、敵の所在のヒントをつかみ、またも電話の向こうで「ジョン、何のつもりなの!」と怒ったホリーの声がする。シリーズを通して大方の原因は、やはりジョンにありそうだ。今回こんなことを言う。「いつも仕事のことだけ。俺は父親失格。間違ってた」。



今回の映画は"ユナイテッド・シネマ福岡"の10番スクリーンで観た。この10番スクリーンの入口には「THX」というパネルが掲げられている。詳しい説明は省くが、とにかく最高の音響設備のスクリーンである。あたかも強烈な音の洪水に包み込まれる感じがする。中でも圧巻だったのが、カーチェイスシーンである。音響効果はもちろんだが、かつて観たこともないような、けた外れの追跡が繰り広げられる。陸橋の上からジャンプする。渋滞した車の上を、車で走る。MRAP車で邪魔な車をはね飛ばしながら戦車のように進む。カーチェイスシーンだけでも2ヶ月半かかったという。世界最大のヘリコプター・Mi−26ヘイローと、Mi−24も登場する。ジョン・ムーア監督は航空ファンらしい。激しいシーンの中にも、ちょっと1作目を想起させるシーンもあるが、それは観てのお楽しみである。もし次回作があるとすれば“気力、体力、時の運”粘り強く敵を追い詰めていくアナログ刑事、ジョン・マクレーンの活躍を期待したい。
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シリーズ第5作
「ダイ・ハード/ラスト・デイ」

2013年/アメリカ/1時間38分

監督:ジョン・ムーア
出演:ブルース・ウィリス、ジェイ・コートニー

シリーズ初の海外で壊滅的なテロに遭遇
マクレーン親子の運命はいかに・・・・・!?
シリーズのパンフレット
第1作(1988年) 第2作(1990年) 第3作(1995年) 第4作(2007年)

ハワイで
実弾射撃


(ライフル)
今回の映画の冒頭、マクレーンがスクリーンに初めて登場するシーンは、射撃の練習場で、標的を撃ち抜いているシーンだった。もう20年近くも前のことだが、私もハワイで実弾射撃をしたことがある。「ライフル」「ピストル」「リボルバー」の3種に挑戦した。中でも「ライフル」は、10発すべて10点を打ち抜き、インストラクターが「EXPERT」にチェックを入れ、「VeryGood」と書き入れてくれた。それぞれの得点の平均は「ライフル」が平均10点、「リボルバー」が平均9.0点、「ピストル」が平均8.9点だった。