TPP交渉に参加せよ!! 随筆のページへ

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File No.111026

11月中旬のAPEC を前に、日本のTPP交渉参加について、決断のときが迫っている。聞こえてくるのは、ほとんどが「反対!反対!」の声である。「平成の開国」という言葉を聞いてから、すでに1年近く経つ。大震災があったとはいえ、今になって慌てふためく様子は、子供の夏休みの宿題並みである。一方、野党・自民党の腰も定まらない。だが、元はと言えば、農業の体質を強くしてこなかった自民党の責任も大きい。かてて加えて、民主党の「バラマキ政策」である。その場しのぎのゴマスリ政策が、大規模化とは逆の方向に向けてしまった。日に日に増す強烈な「反対!」の声に、当初は高をくくっていた政府も心中穏やかではない。昨日JAは、350人以上の国会議員の協力で、1000人を超える反対署名を集め、首相に提出した。結局、民主党も自民党も、JAの激しい反発に、今後の選挙がらみでご機嫌を損ねたくないのが本音である。だからこれまで、FTAも、農業の交渉をしなくていい国としか交渉をしていない。

有名な例え話にこんなのがある。『ある島に二人のセールスマンが靴を売りに行った。ところが、そこは誰も靴を履いていない裸足の島だった。これを見てひとりのセールスは「ここでは靴は売れない」とあきらめた。ところがもうひとりのセールスは「ここはビッグビジネスの市場になる」ととらえた』。メディアから聞こえてくる「賛成派」と「反対派」を見ていると、そんな例え話を思い出す。昨日の新聞にJAが「TPPに反対します」という全面広告を出していた。TPPに参加すると農業だけでなく「地域医療が崩壊」「失業者の増大」「環境の悪化」「食の不安」「デフレ不況悪化」「地方経済の疲弊」などの影響があると書いてあった。よくもまあ並べ立てたものだ。TPPに参加すれば、アメリカにのみ込まれ日本は崩壊する。聞く耳持たぬ、何が何でも反対、徹底抗戦あるのみ、といった感じである。反対派の意見からは、前向きの姿勢など微塵も感じられない。

農家の高齢化が進んでいる。平均年齢は、丁度私の年齢(前期高齢者)くらいだそうだ。TPPに参加すれば日本が崩壊すると反対するが、それより先に農業自体が崩壊しかねない。反対派もそんなことは百も承知だろう。構造改革にはそれなりの痛みを伴う。痛そうな予感だけで「ギャー」と叫び声を上げる。我が身が可愛い議員連中が、JAを横目に見ながら「いやー、ご無理ごもっとも」と同調する。そして、デメリットをあげつらって"慎重にやるべきだ"と声を張り上げる。それは"戦略も実行力も、私にはありません"と言ってるようなものである。能力の無い者が"出来ない理由を並べる"のに似ている。それでは国会議員の役目を果たせない。何事も、現状維持は、すなわち後退を意味する。周りを見渡せば、先送りなど出来る状況ではない。本当に真剣に農家を強くするために、口角泡を飛ばして激論し、再生への道を探っている議員がどれほどいるのか。

日本は少子高齢化で縮小方向にあり、内需には限界がある。外需を取り込んでいかなければ日本は衰退していく。それでなくても企業は「6重苦」で海外へ移転しようとしている。経団連は「TPPに参加して、エネルギーなどのための外貨を稼がなければならない」と言っている。何を持って日本が生きていくかを考えれば、結論は明確である。あーでもない、こーでもないと、もたもたしているうちに、韓国はアメリカとFTAを締結し、アメリカ議会もこれを承認した。円高、ウォン安に加えて、FTAで日本の自動車を直撃である。反対する人は、当然自分の利益しか考えない。日本をどう導けば成長を高めることができるのかは政府の決断である。まず戦略をもってTPP交渉に参加し、ルールづくりで日本の国益を守りつつ、自由貿易を活性化させなければならない。"途中で離脱もありうる"などという中途半端なことで、交渉事がうまくいくはずがない。党が分裂してでもやるという政府の強い決断が望まれる。



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2011/10/28 「農業の構造改革問題」 と 「TPP交渉参加問題」 は別の話
テレビでこんなことを言っていた。『日本の農業の7割が兼業農家で、そのうちの8割は農業外の収入の方が多い。平均年齢は66才〜67才と高齢者中心のの農業になっているが、将来の農業の持続性を考えれば、若い人も参加できる農業にしていかなければならない。日本の食文化は外国で評価され始めている。食文化と一体になった形で農業を発展させることは、十分可能である』。これはTPP交渉参加推進派の意見である。このように、どうすれば農業を再生できるかを真剣に考える時である。ところが、TPP反対論者からは、ただただ反対というばかりで、その発言内容からは、前向きなものが全く聞こえてこない。前向きな戦略がないから、先延ばしすればするほど衰退していく。農業を弱くしてきたのはこういう議員たちである。

2011/10/30 TPP反対の真意は?
平成6年のウルグアイラウンドのとき、やはり今回と同じような農協中心の反対運動があったという。この反対運動の結果6兆100億円の予算が計上された。この他にも地方単独事業費として1兆2000億円が計上された。この時の対策も、今回の問題点と同じような事だったという。これだけの膨大な税金が使われたにも関わらず、農業の若手は育たず、農業生産高は落ちた。一体何に使ったのか。一節によれば農業には使われず、箱物の建設で全く違うところに流れたというが本当か?
東電の原発事故で、初めて政官民のずぶずぶの癒着を知ることとなったが、同じような利権の構造が、農業にもあるのではないか。TPPで農業が崩壊すると言うが、その真意に疑問を持たざるを得ない。JAは農家を育てるどころか、逆に搾取しているのではないのか。
週刊誌でも何でもいいから、農業に関する利権の構造と金の流れを、広く国民に教えてくれないか。
7兆2100億円もの税金がどう使われたか、納税者である我々は詳細に知る権利がある。

2011/10/31 消費者からの観点が忘れられている
今日のテレビで古賀茂明氏がこう言っていた。「農業も医療も崩壊している。反対している人は、このままずっと補助金を出します。TPPに入ればもっと出しますと言っている。しかし、ワーキングプアと言われる人たちがたくさんいる。農業を守っているから、ものすごく高い米を買わされ、ものすごく高いパンを買わされて、すごく苦しんでいる。その上買う時に必ず消費税を取られて、それでも農家がかわいそうだと言って、戸別所得補償を払っている」。
他にもこんな意見があった。
「JAが反対しているのは既得権益を守りたいだけの話」
「高い米を買わされ、高い食品を買わされている消費者負担をどう考えるのか」
胸につえていたものが何なのか、分かったような気がする。このTPPの議論には、消費者からの観点が全く欠けている。

2011/11/03 農協は自分の手数料収入が減るから反対している?
今日のテレビで言っていた。『「TPPと農業問題ではない、TPPと農協問題である」
農協のTPP反対の目的は“農家の保護ではなく組織防衛”である。農協は、農家の販売額の一部を手数料として徴収している。それが農協の一番大きな収入になっている。ところが、関税が撤廃されれば、農産物の価格が下がる。農家の収入は減るが、所得補償があるから農家の収入は確保される。しかし農協の収入は減ったままになる』
これがTPP反対の真の理由のようである。我が身がかわいい議員連中と、自分の収入しか頭にない農協が「農家の保護」を叫んで反対している。卑怯なやつらである。