祝　500号ホームラン！松井秀喜選手 随筆のページへ

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File No.110722

アスレチックス・松井秀喜選手が、ついに日米通算500号ホームランを打った。7/20タイガース戦で、４番指名打者で出場。６回に右翼ポール直撃の7号ソロを放って達成した。7/16にフェンス直撃で、ビデオ判定に持ち込んだときから、その日は近いと感じていたが、実に待ち遠しい34日間だった。500号HRを記録した日本人選手は、過去８人しかいない。松井秀喜選手は９人目であるが、日米通算では初めてのことである。松井選手のホームランは、日本では14試合に1本、メジャーでは24試合に1本だという。これで分かるように、メジャーの土俵は全く違う。加えて、両膝の手術、左手首骨折と、苦難が襲った。松井選手が選んだ道であるから、言うべきではないが、もし日本で打席に立ち続けていたら、すでに600号は超えていただろう。少なくとも、今回の500本に入らないホームランが22本ある。それはメジャーのポストシーズンで打ったホームランと、日本でのオールスターと日本シリーズで打ったホームランである。松井選手は、まぎれもなく日本が誇る偉大なホームランバッターである。

松井選手の記録は、それだけにとどまらない。今季、日米通算2500安打を記録した。日米通算1500打点を達成したのは、丁度１年ほど前だった。つまり松井選手は現在、｢ 500本塁打 ｣｢ 1500打点 ｣｢ 2500安打 ｣を達成している。すでに打点は1613、安打は2562に記録を伸ばしている。この記録を達成している日本人選手は、ほんの数人ではないかと私は思っている。他にも、現在二塁打が479本なので、500二塁打というのはどうだろうか。ただこういった派手な記録とは別に、私が注目したいのが四球である。松井選手は今季、大リーグ通算500四球(現在517、日米通算では1361)を記録している。"大リーグで"というところが注目である。松井選手の選球眼の良さということもあるだろうが、レベルの高いメジャーリーグにおいて、これは強打者の勲章ではあるまいか。ただ、松井選手本人が、あまり記録にはこだわっていないので、こういったことはファンとしての楽しみである。

松井選手の実家には｢努力できることが才能である｣という言葉が貼ってあるという。これは松井選手が、小学校低学年のころ、お父さんに書いてもらったものである。お父さんがテレビである陶芸家が言ってるのを聞いて、松井少年に書いてあげたものらしい。｢努力できることが才能である｣。これが世界で頂点を極めた、松井選手の座右の銘になっているかもしれないと、お父さんが言っていた。松井選手は、まさにこの言葉を実践してきた感がある。それまでの苦難は知っての通りである。壁にぶち当たっても、ぶち当たっても、黙々と努力を重ね、偉大な金字塔を打ち立てた。それは先日、史上最多勝利を達成した、大相撲の魁皇関に通じるものがある。分野を問わず、何事にも通じる普遍の格言である。松井選手は、今季も試練が襲った。前監督時代、何度も先発落ちを味わった。メジャーの厳しい生存競争に勝つために、松井選手はひたすら努力した。それが、後任の監督代行の｢打線の中心には、頼りになるベテランが必要｣という方針につながったのである。

今回の500号ホームランを伝えるテレビニュースを見ていたら、1992年の巨人入団会見のビデオが放映されていた。若き松井選手はこう言っていた。｢ファンや小さな子供に少しでも夢を与える、そういうプレーヤーになるよう一生懸命頑張っていきたいと思います｣。大抵入団会見のときは、多少の違いはあっても概ねこんなことを言う。しかし、19年目にして、入団会見で言ったことを見事に実現し、みんなを納得させる選手はそうそうはいない。松井選手のお父さんの適切な導きと、それに応えた松井選手のひたむきな努力が実を結んだ結果である。選挙の時、夢だけ語って、当選したら惰眠をむさぼっているような、馬鹿な議員たちに、爪のアカでも煎じて飲ませたい。500号ホームランを達成した年齢は、王さん、野村さんに次いで3番目に若い。40歳を超えて達成した選手が4人もいる。まだまだ500号は通過点である。松井選手の活躍、魁皇関の活躍、原田芳雄さんの良質の映画、世の中、捨てたもんじゃない。さてさて、うまい酒でも飲むとするか。


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松井秀喜選手の、500号ホームランを伝える
「西日本スポーツ」（2011年7月22日）

｢500本塁打｣、｢1500打点｣、｢2500安打｣をクリアしている選手を調べてみた。（2011･07･22）
選手名 500本塁打 1500打点 2500安打
王　　貞治 ８６８ ２１７０ ２７８６
野村　克也 ６５７ １９８８ ２９０１
門田　博光 ５６７ １６７８ ２５６６
張本　　勲 ５０４ １６７６ ３０８５
松井　秀喜 ５００ １６１３ ２５６２


2011/07/24 松井秀喜選手・５０１号ＨＲ
23日のヤンキース戦(ヤンキースタジアム)で、日米通算５０１号本塁打を打った。この日、松井選手は、七回右中間に今季８号を放ち、５打数２安打１打点の活躍で、アスレチックスを４−３で勝利に導いた。
2011/07/27 松井秀喜選手、週間ＭＶＰ受賞
松井選手が、ア・リーグの週間ＭＶＰ(18〜24日)に選ばれた。出場５試合で“２１打数１２安打、打率５割７分１厘、２本塁打、７打点”を挙げた。打率は両リーグでトップだった。加えて、５００本塁打達成も評価されたという。これまでには2003/06、2004/05、2005/06に受賞し、今回は４度目の受賞となった。松井選手は会見で｢後半戦は非常に状態も良くなってきている。いいバランスで打てている｣と話した。
2011/07/28 松井秀喜選手、９号(502号)３ラン
レイズ戦で３番・指名打者で出場。４回、甘く入った初球を強振、右越え９号３ランを放った。この日は、３回の二塁打、５回の適時打を含め、５打数３安打５打点を挙げた。アスレチックスは１３−４で勝利し３連勝。松井選手は｢いいバランスで、確率良く打てている｣と話した。
2011/08/06　松井秀喜選手、１０号(503号)ＨＲを放つ
レイズ戦で３番・指名打者で出場。９回に通算503号となる１０号ソロを打った。この日、４打数２安打１打点で、連続試合安打数も１３に伸ばした。松井選手は｢甘い球をきっちり打てる確率が上がっている。状態はいい｣と話した。
2011/08/09 松井秀喜選手、１１号(504号)２ラン
レイズ戦で３番指名打者で出場。５回一死三塁、同点１１号２ランを放った。これで連続安打も１５に伸ばした。松井選手は｢真ん中に直球が甘く入ってきた。ラッキーだった。あそこで追い付けて、いい本塁打になった。状態はいいので続けていきたい｣と話した。メルビン監督代行は、ナインを引っ張る３７歳を褒めちぎったという。これで日米通算５０４本塁打となり、張本氏、衣笠氏に並び歴代７位となった。


2011/08/27 松井秀喜選手、４８７二塁打・プロ野球最多記録タイ
松井選手は、26日のレッドソックス戦で、ナックルボーラーのウェークフィールド投手から、２点二塁打を放った。これで立浪(元中日)の持つ、プロ野球の通算最多二塁打記録の４８７と日米通算で並んだ。松井選手は巨人時代２４５二塁打、大リーグで２４２二塁打を打って最多記録に並んだ。松井選手は｢初球のナックルボールが高めから入ってきた。しっかり打つことができた｣と話した。
2011/08/31 松井秀喜選手、４８８二塁打でプロ野球最多記録
２９日インディアンス戦で、３番指名打者の松井選手は、日米通算488二塁打を放ち、これまでの立浪(中日)のプロ野球記録を抜いた。六回２死から外角高めの速球を｢引っ張るのは難しい｣とバットを軽く合わせ二塁打にした。ニュースでは｢円熟味を感じさせる技ありの一振り｣と評していた。

2011/09/10 松井秀喜選手、１２号(505号)２ラン
９日のレンジャース戦に｢３番・左翼｣で出場。４打席目に１２号２ランを放った。この日３打数２安打２打点だった。これで日米通算５０５号本塁打となり、本塁打数は、単独７位となった。
順位 本塁打数 選手名
１位 ８６８本 王　貞治
２位 ６５７本 野村克也
３位 ５６７本 門田博光
４位 ５３６本 山本浩二
５位 ５２５本 清原和博
６位 ５１０本 落合博満
７位 ５０５本 松井秀喜